F-8の最大の特徴は、主翼の取り付け角度を可変できる構造で、これによって着艦時の機首上げが不要になりました。このメリットは大きく、着艦時のパイロットの視界を良好にし、事故の減少にもつながっています。主翼は、外翼が折りたためる構造で、内翼には2分割のフラップ、外翼、内翼の前縁にもフラップが付いており、離着艦性能に優れていることが分かります。また当初はなかった空中給油の受油装置が、F-8Aの量産50号機より取り付けられ、コクピット後方の左胴体側面にその収容部の膨らみができました。その後も近代化されるごとに少しづく形態に変化が生じ、C型では機体の安定強化のため2枚のベントラルフィンが追加されています。 |
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またD型ではレーダ火器管制装置のAPQ-83への更新で制限付き全天候戦闘機ともなり、武装も、Mk.12 20mm機関砲4門は変わらないものの、胴体下のロケット弾パックを外し、代わりにサイドワインダーAAMが4発装備可能となりました。
最後に量産されたのがE型です。E型では全天候戦闘機化するため、火器管制装置がAPQ-94に更新され、これによりレーダアンテナが大きくなり、機首レドームも大型化しています。またレドームの上方には赤外線探知装置が追加された他、主翼にはパイロンが装着可能となり、AGM-12ブルパップASMや爆弾など対地兵器の搭載も可能となりました。またエンジンは、推力5,170kg(アフターバーナー使用時8,160kg)のP&W
-57-P-20Aに換装され、最大速度も高度45,000ftでマッハ1.97にまで達しています。 |