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飛行機プラモデルの製作

 Mig-25 フォックスバット (ハセガワ 1/72)

  by 加藤 寛之




 コラム「日本航空史」との、自分コラボで作った。
 Mig-25函館空港強行着陸事件の発生は昭和51年9月6日。ハセガワは2か月もたたない10月29・30日(東京)・11月11日(大阪)で開催された「第16回全日本プラスチックモデル見本市」にソリッドモデルらしい模型を展示、キットの製作を発表した。『航空ファン』誌の広告を調べてみると翌年1月発売、広告文に「世界中のマスコムを賑わせたミグ-25の函館強行着陸事件は、まだ記憶に新しいところ。この話題の最新鋭機ミグ-25を、ハセガワは貴重な資料をもとにできる限り正確に再現しました。」とある。
ハセガワのMig-25はこの事件を伝える証人であって、このキットだけが持っている歴史的価値だ。
製作に使ったキットは、つい先日に「ワールドホビーショップはせがわ」で購入したもの。定番キットとして存在していることに驚く。
 このキットを作るのは3回目か。発売早々に作ってときに合いが悪い製品だと思ったが、こっちの技が向上したこともあって、今回は「普通にできる」と感じた。最新の良質なキットのように接合部分が分らないという精度ではないが、ごく僅かなパテで接合部分を隠せる程度で、問題ない。よって、気になるところにちょっと手を加えたくらいで、あとはプラモデルを普通に作る感じで組んでいる。




 コックピット床を前脚庫と接着、計器盤を付けるだけで出来上がり。座席はあとで上から入れればいい。操縦悍は、お人形さん(ベレンコ中尉だな)が握っているのでパーツにない。別に付けたい人は自作すれば良い。これを挟んで胴体左右を接着する。このときに後端は接着しない。
次に後胴上面をのせるように接着するけれども、後端が自由なので瞬間接着剤でチョンチョンと組むと段差がほとんど生じない。
後胴下面も同様に、ちょっと捻ったり曲げたりしながら組む。下面後端で曲面が合わないが、削ればだいたいOK。4つのパーツが合わさる胴体後端は、組み込んだ後に接着して固める。ここを荒いサンドペーパーでちょっとガリガリして平らにし末端パーツを付ければ、胴体本体の組み立ては終了。




 エンジン排気口パーツは、モールドがダルかったので深くしておいた。奥行きのない構造だけれども、私は全然気にならない。排気口は塗装後に接着すれば良い。
 レドームのパーツには中に錘をいれ、胴体と接着するだけ。接合部は軽く整形すればOK。
垂直尾翼は胴体とちょっと削りあわせて接着し、その隙間に瞬間接着剤を流し込む。これで強固になるとともに隙間も埋まる(この工作は、翼下のパイロンも同じ)。その後で前端が胴体とスッキリつながるように、カリカリッと削って整形する。エアインテークは、胴体側を削り、内側インテークパーツに切り込みをいれて柔軟にすれば、胴体側とほぼ合う。今回は組む前に手を加え、上面に排気口を開けた。




 主翼はパーツ構成面で特に問題ないが、私の好みで今回は片側4ミリ延長した。このキットが作られた時代、戦闘機型の主翼が長いとは知られておらず、偵察型の形で全体の平面形を作ったのではないかと思う。主翼が延長しているであろうことはベレンコ機を上空から撮った写真や飛行中の写真で感じられたのだが、延長情報がなかったので「写真に写っているのに見えなかった」か、「レンズの歪みだと思った」のだろう。そのためだと思うが、機体全体の平面形が幅広に見える。
主翼を延長すると更に大きくなってしまうのだが、翼の平面形が改善するので、私的な印象ではだいぶ良くなる。
 胴体と主翼、胴体と水平尾翼の接着は、特に説明することがない。ちょっと整形するだけでちゃんと付く。脚や風防、ピトー管なども、問題なく組める。特に脚類は気持ちよく付く。



 塗装は、全体を適当な明るい灰色に、レドームなどはニュートラルグレー、風防前は艶消し黒。タイヤホイールは青松葉色、あとは雰囲気を出すために軽く汚しをし、突出部は明るい灰色、その周囲や影には薄く黒をいれて模型的なメリハリをしたくらい。説明するようなことはない。赤星6枚とベレンコ中尉機の赤「31」を貼って、今回も、ハイ完成となった。
 眺める。いい感じだ。Mig-25函館空港強行着陸事件の証人、これは凄いキットだ。





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