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特集 フジミ

 極私的なフジミキットの楽しみ

  by 怪傑店長

 ご無沙汰しております、今回はフジミの特集ということで久々に寄稿いたしました。



 画像はフジミ製航空機1/48~1/50関係のストックの一部ですが、他社のキットも含めてその積みプラの数に『生きてるうちには到底作りきれんね』と我ながら呆れております。
(積みプラベスト10は先月のお題でしたね…)


 ベテランモデラーならお分かりかと思いますが、70’sフジミキットはモールド等表面仕上げは抜群に良いものの、完成したバランスが今一歩というか癖が強い(よく言えば個性的)のが特徴でしたね。
まあ現時点ではもっと良いキットが入手できるので、いまさら製作する事もないと思われますが…
じゃなんでフジミのキットをこんなに抱えてるのかというと、ズバリそれは珠玉のボックスアートを味わうためであります。



 70’sフジミキットの最大のセールスポイントはなんと言ってもボックスアートの素晴らしさでしょう…箱を眺めてるだけで酒三杯はいけます(笑)。



 さらに箱を開いて中を眺めれば気分はもう少年時代にタイムスリップしてしまいます。



中でも大物のイントルーダーの箱を開けてみると…



 箱の中には組説はもちろん、カラー塗装図・アンケートはがき・ポストカードと具沢山。
さらにランナー毎にパーツを入れたビニール袋の紙タグや箱の補強も兼ねた帯等抜かりありません。


 1970年代の大型キットは概ね各社ともこんな感じでありまして箱を開けたときの高揚感たるや尋常なものではありませんでした。
日ごろ50円~100円のキットを作ってた少年にとっては500円以上のキットは高嶺の花、ましてや1000円オーバーのキットであれば推して知るべしでありましょう。
てな具合に時折キットを引っ張り出してノスタルジーに浸るのが私のフジミキットの楽しみ方です。



 さてそのボックスアートですが、特に若かりし高荷画伯の高密度の作品には目を奪われてしまいますね。




 そんな高荷画伯の真骨頂は人物描写にあると私は考えています。
クルセーダーの絵をご覧になればお分かりになると思いますがカタパルトオフィサーに向いたパイロットの視線が発艦間際の緊張感を見事に表現していると思います。
画面いっぱいに描き込まれたドラマは、この箱だけにお金を払っていいとさえ思えます。
(お子様のころはそんなこと微塵も思いませんでしたが…)
 しかし残念な事にメーカーサイドの消費者保護名目の自主規制により、これらの作品はあまりドラマチックではないシンプルな絵に差し替えられていくのであります。
(このあたりの経緯はタミヤのリモンコン戦車のボックスアートも同じような状況になるのですが、それらは加筆・修正により何とか生き延びることができたようですね)


 ワ-ルドアーマーシリーズの中西立太画伯の場合は、絵は何とか残るのですが残念な事にばっさりと白抜きにされてしまいます。



…なんかこういうのって淋しいですね。

 以前再販されたアルエートⅢ(ちどり)みたいに、オリジナル箱絵で限定ででも再生産されれば現在の少年達にも『キットを手に取り箱絵(ドラマ)を味わう』という感覚を体験できるのではと思います。


下は再販版アルエートⅢ(ちどり)の箱絵 webmodelers編集部ストックから 画:高荷画伯) 




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