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連載 旧タミヤ1/72 日本戦闘機シリーズNo.4
陸軍四式戦闘機 キ-84 疾風 (タミヤ 1/72)

by 田口博通 Hiromichi Taguchi



  タミヤから1960年代に発売されていた1/72日本戦闘機シリーズのうち、今月登場の疾風は、1964年11月発売で当時は100円。箱絵には第101戦隊の21号機が描かれていました。マブチベビーモーター(別売)でプロペラ回転し、主脚も可動となっていましたが、1970年のパッケージ替えの際にモーターライズと主脚可動は廃止されています。
 残念ながら疾風は1977年に絶版となりましたが、数年前にホワイト成型でデカールが無いバージョンでイベント再発売されていますので、入手された方もおられることでしょう。



 今回入手した上の1970年4月発売の後期パッケージ版は小松崎画伯によるもので、僚機とB-29迎撃に上がった神奈川県相模飛行場に展開した第1錬成飛行隊 第520臨時防空戦隊の内藤上天伍長機とされています。 
B-29を1機撃墜、2機撃破の戦果の星が誇らしげに書かれたカウリングがめちゃかっこよくて、この塗装で作るのは実は2度目です。




 キットのデカールはマーキングが4種です。
箱絵の機の他、第47戦隊、第73戦隊(第1中隊、第2中隊)機となっており、タミヤらしく組み立て説明書の片面は詳細な塗装説明図となっていました。

 デカール


 
 組み立て説明書

 説明書の塗装図では第1錬飛第520臨時防空戦隊機は 上下面ライトブルー地に濃緑色のまだら塗装とされています。
教育・補充部隊の第1錬飛でも疾風に乗る教官と若い隊員達により、防空戦闘が行われたのですが、相模飛行場には22戦隊も駐在し、古い機体が譲渡されていた可能性があると手元資料にありました。
 昭和20年には部隊で塗料も枯渇していたことから 譲渡された機体の再塗装など考えにくいことです。
それで、今回は古い機体の地色の上の濃緑色が褪色したという設定で塗装を行ってみました。





 下は主要パーツで、フラップのみ可動になっていますが、実機のファウラーフラップとは違い、単純に下がるフラップとなっています。
 コクピットはシートも計器板も無く、泊まり木にパイロットが接着されるスタイルで昭和のプラモデルを感じさせます。
 表面ディテールはこのシリーズ共通で凹パネルラインと凸リベットが混在した詳細なモールドです。

全パーツ

 完成すると、バランス的にはカウリングとキャノピーが大きく、正面から見るといかにも精悍そうなデフォルメだったのがわかります。1960年代タミヤの傾向の一つだったのでしょう。
当時、少年だった筆者には疾風らしい雰囲気満載の憧れのキットでした。


製作

 胴体、主翼とも合いは今ひとつなので、ざっくりとやすりで整形しながらの製作となります。
下面翼後部の隙間はパテ埋めが必要で、フラップは固定してしまいました。上半角をしっかりときめれば基本形は完成です。

 

塗装

 今回は筆塗ではなく、吹き付けにするつもりだったので、一度サフェーサーをかけています。その上に全面をMrカラー灰白色、上面に濃緑色をまだらに吹き付けました。  デカールは劣化しており日の丸だけ使えそうでした。それでマーキングは筆塗で行うこととし、尾翼の赤の発色を良くするために艶消し白で下塗りをしています。



 赤、橙色ともばっちりと発色しました。




 キャノピーは大きいのですが、胴体との接着面だけすり合わせをしてそのまま使っています。主翼機銃はキットの部品にアルミテープを巻き付けて銃口部を表現しました。
 ピトー管は金属線で自作し シャープにしてみました。プロペラはかなり厚く両面を削って薄くしています。


完成

 完成すると 吹き付け塗装にしたためか、近代的な雰囲気となり、60年代プラモデルの雰囲気とはイメージが違ってしまたのがアンバランスで残念でした。やはり、筆塗すべきでした。   実は、もっと頭でっかちのデフォルメを想像していましたが、完成すると、まとまったスタイルで、さすがタミヤです。
 これで疾風 完成です。

来月は 1/72旧シリーズのトリ、震電です。




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