Home  > フィアットCR.32 フレッチア (スペシャルホビー1/48) < 飛行機プラモデル製作<2018年10月号

飛行機プラモデルの製作

フィアットCR.32 フレッチア
(スペシャルホビー1/48)  

  by Nobunaga
ベニート・ムッソリーニがスペインに放った第一の「矢」は毒矢だった




 CR32は1933年(昭和11年)4月に初飛行をして1936年勃発したスペイン内戦に派遣され、ポリカルポフI-15、I-16に対して格闘戦で優位に立って、以後のイタリア機の開発に少なからぬ影響を与えました。
 キットはスペシャルホビーから最近再販されたものでレジン製の機首部分の造形は秀逸で放熱フィンの出来は素晴らしいですね。
イタリア機の塗装のマダラ迷彩は機体によってまちまちで再現するのは大変です。同じくスペインに派遣したドイツのコンドル軍団の全面RLM02では物足りなさも感じます(折れ線分割迷彩もありますが)茶と緑の色ごとに版を作って吹き付けその後筆でなぞったりドライブラシでボカシをしたりと手間がかかります。

 イタリアとドイツ両国の派遣機に共通しているのが黒丸とバッテン印です。バッテンと言えば昔NHKラジオ放送の「とんち教室」で長崎バッテンさんがピントのはずれた解答をして茶の間の笑いを誘ってましたね。覚えてますかご同輩。
 なぜバッテンなのかと調べてみるとバッテンではなく「聖アンドリュースの十字架」だそうです。イエスキリストの12弟子の一人アンデレが捕らえられ十字架に掛けられる時イエスキリストと同じ形の十字架では恐れ多いと×印の十字架にかけるように願ったとの伝説から来ているそうです。「聖アンドリュースの十字架」は国旗や軍旗などに今でもたくさん使われていますね。詳しく知りたい人はウイキで「St.Andrew`sCross」を調べてください。

製作



  コックピットはレジンで座席や鋼管フレームがモールドされていますが、この座席はどうでしょうか?背中に箱を背負っているようでヘッドレストに頭は届きません。本当にこうなっているのか、スペシャルホビーでもこれはないだろうとこのレジン座席は使わないことにしました。



ポーランドのモデルメーカーのシルバーウイングがレジン製の1/32CR32のキットを出しているので組立説明書をダウンロードしてコックピットを作ることにしました。もちろんパイロットの座席はスペシャルホビーのように箱を背負ってません。



ちょっと太めですが鋼管フレームを再現、酸素ボンベやケーブル類もそれらしく取り付けました。座席はプラバンで自作です。



胴体を貼り合わせたらコックピットは狭くて内部はほとんど見えません。レジン製の機首は素晴らしい出来です。わずかに隙間が出来るのでパテで埋めます。下翼に真鍮線を仕込んで胴体側に付けます。



マダラ模様の迷彩は版を作って茶を吹いて、緑を吹いてからドライブラシで模様周辺をボカします。プロペラにも迷彩塗装です。プロペラはかなり削って薄くしたのですがまだ削り足りないですね。軽くペーパーかけてウオッシングをして、墨入れしてクリアを吹いてといつもの手順です。



張り線がないので楽かと思いきや、翼間支柱の長さが2ミリから3ミリ足りません、8本作り替えです。N字支柱はキットのままです。主脚柱や主脚支え支柱も長過ぎるので1〜2ミリほどカットしましたが逆に足が短くなってしまいました。主要な支柱には真鍮線の爪を仕込んで固定してます。





参考資料:スコードロン/シグナル出版インアクション「FiatCR32/CR42」、光人社NF文庫 飯山幸伸著「wwⅡイタリア軍用機入門」、ガリレオ出版「第二次大戦フランス/イタリア軍用機」その他インターネットに依る実機写真、作例等


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