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飛行機プラモデルの製作

 五式戦Ⅱ型(旧版)
(青島文化教材社 1/72)

  by 加藤 寛之




 先月、Me262 の記事で「プラモデルとしてしっかり出来ていると、似ているとか似ていないとかに関係なく、立体造形物として存在感がでる」と書いたのですが、実は書いているときから不安が・・・。このキットのことを知っていたから・・・。

 私が子供の時には存在していたキットで、近所の模型店のおじさんはいい人だったからアオシマのこのシリーズをあまり仕入れませんでした。「難アリ」だったからでしょう。  五式戦Ⅱ型は充分に大人になった20年くらい前に作ったことがあって、その時に「似ていなさ」を実感しました。「これはヒドイ」と思ったので、イタリア機の塗装にして「カワサッキKs2605トニーカ」と機種名を書いて展示会に並べました。




 今度は先の記述を検証するために、ちゃんと組んで日本機で作ってみます。それが作り始めた動機です。
 キットそのものは200円時代のもので、モーターライズ仕様ではありません。組むのに使う部品の点数は、お人形さんも加えても22個。お人形さんを乗せなければコックピットに何もなく、エンジンカウリングは胴体と一体で、前面を閉じているのでエンジンパーツもありません。表面は実機と関係なさそうな凸線と精密感のないリベットが出ています。それでも主脚は引き込み可動で、エルロンも可動。尾輪は胴体に造形されています。
 まず主翼から。エルロンと主脚の可動は固定します。「プラモデルとしてしっかり出来ている」ようにするためです。パーツの接着面を均し、上下面を接着すれば、ズレはそれほどでもありません。可動のエルロンは可動のための軸を切り取り、隙間を埋めるためのプラ材を接着して取り付けます。乾いたら、前後縁を真っ直ぐに整形、後縁は削り上げて薄く見せます。平面形、翼断面形等々、実機に似ているところはありません。造形は「主翼のような形」というレベルです。




 胴体。中に何もないので、接着面を均したら左右を接着です。充分に乾いたら、合わせ目を整形します。ズレもひどいし、合わせ目が尖っているので、切ったり削ったりです。背中やお腹が波打っているので、これも充分に削って整形です。多少はパテも要ります。それにしても妙に胴体が細いし、そもそも形が全然違うみたい。
 主翼と胴体を合わせてみます。フィレット部分に猛烈な隙間、しかも正面から見たら主翼と胴体がねじれています。前者はプラ板を切って差し込み、後者は左右胴体の高さの狂いが原因で大改修になるので誤魔化すことで対処です。水平尾翼は付根の高さが違いますが、まあ、気にしないこと。平面でみるとエレベーターの様子がおかしけれども、まあイイです。
 プロペラ。バリと型崩れ、異常な厚さをそれなりに整形。でも形はそのままとしました。
 主脚。それなりに。取り付けは、最後に固定出来る見込みがあるので、OK。
 風防。胴体との隙間をかるく調整。ワクのモールドが内側なので、塗装してもスッキリしないのですが、まあイイです。形も大きさも難アリですが、まあイイです。
 塗装は、それなりにマジメに塗ります。尾翼の文字は「な」で、「これは何だろう」「難アリ」の「な」です。
 デカールは全部白フチつきの日の丸だけ。大きい4枚は主翼上下面に、小さいのは胴体に。これが薄手でイイ感じ。品質は堂々の合格です。




 無事に完成。「プラモデルとしてしっかり出来ていると、似ているとか似ていないとかに関係なく、立体造形物として存在感がでる」と書いたのが正しかったのかと問えば、このキットについては「なんだかナァ・・・」と曖昧にしたい気持ちです。でも、作っていて楽しかった!
 プラモデルが完成するということは、それは今日にあって「凄い」ことです。プラモデルはパーツが少ないと完成しやすいのです。



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