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特集 グラマンVS零戦

内部構造再現 零戦52型乙(トミーテック 1/48)

  by 田口博通 Hiromichi taguchi




 トミーテックから発売されていた塗装済み内部構造再現零戦52型乙を組み立てました。10年くらい前に購入して押入れストックとなっていたキットに幸運が訪れ、見事形になりました。発売当時は分割ブラインドボックスで、かつ大人買いセットで売られていたものですが、現在は絶版になっているようです。
 塗装も接着作業も無いので、正に「組み立てた」という表現が適当です。組み立てにかかったのは3時間程度で、あっという間でした。
 このキットは某有名モデラーがハセガワ48零戦をくり抜き、原型を作ったと プラモデル誌で読んだことがありました。それゆえ、フォルムはハセガワ48そのものといってよいでしょう。
 中国の安い労働力を活用した結果でしょうが、このお値段で、塗装済み(つまり塗装不要)で、この完成度、たいしたものです。自分の技量ではどんなに頑張っても、こんな内部再現状態まで改造できませんから。。。




 52型乙なので、両翼に長砲身20mm機関砲2丁を装備しています。側面からは、胴体、垂直尾翼の骨格が見てとれます。片側は通常の濃緑色塗装となっています。




 下は最終組み立て前の前部胴体、後部胴体などで、簡単にここまで組みあがりましたが、やはり要所は流し込み接着剤で固めました。後で分解する訳でもないので、その方が位置決めがしっかり決まります。




 エンジンです。精密な仕上がりですが、ピストンが黒鉄色なので、少しエナメル黒でスミイレをしました。カウリング支えリングもしっかりと再現されています。




 前部胴体は コクピットもしっかりと再現されています。シートにはベルトまで再現されていたので、そのまま使いました。塗装済みの前部キャノピーと後部キャノピーは速乾流し込み接着剤で固めました。




 後部胴体はストレートに組んだのみ。右側胴体内部の桁部だけ黒エナメルで軽くスミイレをしてみました。




 主翼と胴体の組み合わせ部にも接着剤を流して固めました。翼桁の下に機銃部が透けて見え、メカニック感たっぷりです。



完成

 完全に組み上げ、デカールを貼ると完成ですが、ハセガワキットに無いギミックとして、フラップが下げ位置になります。




 下から見上げると めちゃかっこいいです。
夢にみた内部構造再現状態がこんなに簡単に手に入るとは。
 いつもなんでこんなに苦労してプラモデルを作っているのだろうと思うと、プラモデラーの存在意義がグラッときます。




 半完成ミニカーの組み立ての乗りで、あっというまに完成にこぎつけられ、しばしの嬉しいひとときでありました。
 しかし、プラモデルの将来はどうなっていくのか 考えさせられました。プラモデル歴半世紀の自分の技量よりもはるかに超えたレベルに、出来あいの塗装済み半完成プラモデルが存在している現実を目の当りにしました。
 将来、自分で塗装し、接着し組み立てるプラモデルはオールドスタイルとなり、「昔はランナーから専用ニッパーで部品を切り取って、やすりで整形して、エアブラシという道具で塗装して、プラモデルを作っていたんだよ」なんていう時代がそのうち来るのかも。既にバンダイのガンプラ系はその領域に達しているわけで、恐ろしい事です。
 
 もっとも、数百個の押入れストックを抱える飛行機プラモデラーには、一生かかっても作りきれないストックという課題の方が大きく、そういう時代の変化はもう関係の無いことかも と考え直しました。





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