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特集 この10年のニューキット

  フルアクション 隼2型 (エフトイズ 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi

 FTOYSのフルアクション第4弾として2018年秋に隼2型 塗装済み組み立てキットが発売されたので、作ってみました。
 
 この10年のニューキットの流れの一つが塗装の必要の無いプラモデルです。
商品ターゲットは主に、プラモデルにあまり触れたことの無い年少者や一般層です。
バンダイからは 数多くガンダムやポケモンの色プラキットが発売されています。ポケモンシリーズはニッパーや、カッターナイフによるゲート処理などもはや必要とせず、ランナーから手でもぎ取ってスナップで完成可能という凄いキットです。 
 飛行機プラモデルでは ドウユウシャとFTOYSから1/100と1/144のブラインドボックス形式で、塗装済みプラスチック部品を 接着剤を使わずスナップ方式で組み立てるプラモデルが発売されています。
いずれも価格は500円コイン+アルファ程度で買えるものです。
 それが、更に進化したのがFTOYSの1/72フルアクションシリーズで、内容は、塗装済みプラスチック部品を 接着剤を使わずスナップ方式で完成でき、それがオール可動という夢のような構成で、1/72彗星、ゼロ戦21型、Fw190Aとリリースされています。
 


  新しい潮流としてwebmodelersのニューキットレビューでも彗星から取り上げていますが、いずれも 主脚引き込み式、各舵可動、風防可動、尾輪可動だけでなく、エンジンもカバーをとりはずして見ることができるというオール可動モデルです。  おまけ付きチューインガム いわゆる食玩として、コンビニ、スーパー、模型店などで 主に、売られています。これで1000円ぽっきり。最近の食玩おそるべしであります。
 その一方、昨今の飛行機プラモデルを見ますと、精密化路線で複雑化、高額化の一途をたどっています。 プラモデル商業誌でも高度なエアブラシのテクニックを駆使した塗装の素晴らしい作例が並んでいます。
 現在の飛行機プラモデルの多くは気軽に完成することが不可能となり、かなりの経験者にもおいそれと完成できないものになってしまっています。
 このままでは年少者や一般層から更にプラモデルが遠い存在になって行き、需要が更に減ることで高額化の悪循環が更に進むことで、近い将来は鉄道模型のようになってしまうことが危惧されます。
 そこに一石を投じたのが、一般層にも低価格で 塗装せずに完成できるこういったシリーズと思います。




 正月休みにほぼ2時間で完成したのが上の隼2型。マーキングデカールは5種類から選べるので、飛行第25戦隊第3中隊機を選びました。 完成写真も机の上で工作板に置いて、撮ってみました。

可動の蝶型フラップを下げた状態です。


箱絵 
デカール

組み立て

 ポケモンとは違い、さすがに部品をもぎ取る訳には行かないので、カッターナイフとプラモデル用ニッパーが最低必要で、それにピンセットがあれば 更に組み立て易いと思います。   それでは順を追って組み立てて行きましょう。

コクピット
 コクピット床に計器板、隔壁、エンジン架を組み込みます。はめ込みがきつい場合はカッターナイフで少し穴(溝)を広げ、差し込む部分の塗料を削り落として調整します。

 コクピット部品
 ここまで組みあがったコクピット。



 さらに操縦桿と機銃、座席を取り付けます。
組みあがったコクピット

 組みあがったコクピットを胴体に組み入れます。


エンジン
 黒鉄色で塗装済みのエンジン部品をニッパーで切り離し 切り口をカッターナイフで整形します。そして 各部品を穴(溝)にはめこんで組み立てて行きます。
機銃とエンジンが魅力的です。
キャノピーがうまく動けば、左右胴体を流し込み接着剤で接着してしまうとよいでしょう。

エンジン部品


組みあがったエンジンを胴体のエンジン架に結合します。


主翼
 可動の主脚をまず作っておきます。(右)
主翼下面部品に主脚とフラップを組み込みます。主翼上下をパチッと合わせて主翼完成。
主翼上下も流し込み接着剤で接着しておくと良いでしょう。

主翼部品です。エルロンの他、フラップと主脚が可動。

組みあがった主翼


水平尾翼
 水平尾翼は、上下尾翼部品で可動昇降舵をはさみ 組み立てます。  翼上下をパチッと合わせて尾翼完成。

デカールを貼って 完成

 胴体に主翼と尾翼を組み合わせれば、完成。 マーキングデカールは第63戦隊、第248戦隊、第25戦隊など5種が付属しています。




 途中写真を撮りながら2時間であっというまの完成でした。
迷路に迷い込んで、しばらくプラモデルの完成から遠ざかっているモデラーの皆様も一度、体験してみてはいかがでしょうか。
1000円一枚で、必ずや 完成の喜びが味わえること保証します。
 
このFTOYSのシリーズですが、1/72の彗星、ゼロ戦、隼と まるで1960年代のLSの旧75シリーズを追っているように見えます。
 また、LSの可動シリーズで必ず修正が必要だったエルロンの軸部分など、意識的に改善しているようにも感じます。
 塗装済み部品を組み立てるプラモデルというのも確実に最近のトレンドの一つになりつつあります。さすがに現代の金型技術、フルアクションにもかかわらず、フォルムやスタイルに無理が生じておらず、破綻がありません。
 おそらく、このシリーズはスピットファイア、ME109E、P-51Dムスタングなど有名機を網羅していくのではないでしょうか。楽しみです。

   

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