Home > 「荒野のコトブキ飛行隊」隼一型 キリエ機 (ファインモールド 1/72)< 飛行機プラモデルの製作<2019年4月号

特集 アニメキャラクター&SF

「荒野のコトブキ飛行隊」一式戦闘機 隼一型 キリエ機
 (ファインモールド 1/72)

by 寿



 新年度を迎えまして春爛漫な今日この頃。花粉が未だにぶんぶん飛び回っている極悪な昨今であります。
皆様いかがお過ごしでございましょうか。今回は、寿の寿による寿のためのコトブキ飛行隊であります。



 いきなりのっけから何ほざいてんだって話ですが、月刊模型誌モデルグラフィックからファインモールドとのタイアップでアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」のキットが出てしまった、ということなんですわ。 ハセガワ様からも出ているけれど、あっちは最近キャラ系に走ってるから特に驚くほどのことではありません。でもファインのキャラものは久し振りでゴザイマス、って訳なのですね。



 でもコトブキ飛行隊かぁ、うーん、コトブキ飛行隊ねえ。ならば寿が作るコトブキ飛行隊ちゅうのは、ある意味予定調和ですかね。「ネタかよ」と言われれば、うん、まぁ、確かにそうだね。スイマセンと素直に謝っておきます。 友人知人連中は連中で生暖かい妙な期待抱いちゃってるし。やっぱ期待には応えんといかんのですよ。ボケに対してのツッコミみたいなもんなんですよ。判っていただけますかね?



 最初はこの隼、作るどころか買う気もさらさらありませんでした。出来はきっといいんだろうけど、3500円って(本込みでも)めっちゃお高いし。 前宣伝で「全面リベット、キャノピー枠別パーツ!」とか謡われてても「ふーん」的な塩感想しか持てなくってあんましそそらなかったし。



でも何故でしょう。書店で見つけて気が付いたらコレ持ってレジに並んでいたというこの不思議。不可解であります。この世の謎であります。やっぱアレっすかね。モデラーとして出来の良さげなキットには無条件に引き寄せられてしまうという、この世の絶対摂理に囚われてしまった挙げ句の凶行なのでございましょうかね。  夜の蛾が火に誘い込まれるかのように。
 あるいは台所のゴキブリがゴキブリホイホイに入り込んでしまうかのように。



 アニメの方は取り敢えず5話辺りまでは見ましたが、流石にガルパンの水島監督だけあって中々に面白く仕上がっております。ヒコーキの挙動もすごくそれっぽくて好印象。フットバー蹴り飛ばしても機体の反応が一瞬遅れるところとか、急旋回で反り上がった翼が小刻みに振動し始めるところとか。(ちなみに雷電の強制冷却ファンのキーンて音が再現されていたのはちょびっと感動)  でもやっぱりというか「えー、それはねえだろ」的な設定や展開はあるけれど、かっちょよかったり面白かったりするんでそれはそれで良し。ガルパンでも戦車が現実に沿った緻密な動きを見せつつも、見せ場では挙動が妙に素早かったりダイナミックだったりもしたけれど、大切なのは上手な嘘のつき方を心得ているか否かって所だよね。当初は全くアウトオブ眼中だったのになぁ。(最初に見たPVの出来があまりにヒドかったってのもある)



何にしてもフィクションなんだから楽しんだ者勝ちってことでw

製作の詳細

(写真1)これがウワサのファイン版ナナニイ隼。前号でマサヒロ氏もおっしゃってますが、何と言っても目を引くのはパーツ数の少なさ(昨今にしては、って注釈はいるけど)。正直それだけでポイント高いぞ。さすがファイン。チャレンジャーじゃね。
 でも一言だけ言わせてもらおう。なんで飛行状態の脚パーツまで入っているのにパイロットが入っていないんじゃぁあああああ!

(写真2) これがこのキットの目玉(らしい)、枠が別パーツのキャノピー。個人的には「めんどくさい」の一言なんだけど技術的なチャレンジは高く評価してしかるべきかと。



(写真3) 実は一番感動したのがコレ、一発抜きのコクピット周りと胴体後部。スライド金型を駆使してモールド、形状、強度、作りやすさを一挙に達成した逸品。特に胴体後部はこれだけで床の間に飾れるぞ。神棚にお供えすればファインモールドの社長がご光臨なされる、かも。


(写真4) やっぱ一番気になるのはキャノピー枠なんで真っ先に塗っちゃう。インストを兼ねたモデグラ本誌の記事によるとナノドレッドの技術を流用したんだそう。でもワタクシ寿めは枠が別パーツであるにも拘わらず、キャノピーの枠がはまる部分を黒で塗ったった。ファインの血の滲むような努力を平然と無に帰すこの暴挙。
 だって~そのままだったらシルバリングしちゃうぢゃん。透明パーツって筋彫りや断面部から光が回り込んでくるんだもん。仕方ないぢゃん。でも凹んでたから塗るのは楽だったよ♪


(写真5) コクピット塗ってエンジン塗って組み立てたらあっという間にこの状態に。その気になれば一日で完成させるのも夢じゃないっす。

(写真6) 下地にグロスブラック(個人的にはクレオスのGXシリーズ、ウィノーブラックがお気に入り。あの黒は特別で、平たく言えば炭の黒なのよ)を塗ってクレオスの8番をぷー。パネルラインを残すようにして薄めに吹くのがミソ。


(写真7) うーん、まぁこんなもんじゃろ。もちっと重ね塗りしても良かったかな、と思わんでもない。でも今回はコレでいいや。やり過ぎると玩具っぽくなっちゃうし。

(写真8)迷彩は筆塗りする予定なのでセミグロスのトップコート吹いとく。銀塗装を直に筆で上塗りすると塗面が泣いちゃうからね。グロスのトップコートでもイイけど、つるっつるのぴっかぴかは何か違う気がするんでw


(写真9)こーんな感じでちまちまと塗ってまいます。やー、やっぱわたしゃ筆塗りが好き。だってこうして塗ってるとすっげー楽しいもん。


(写真10) 筆塗りの頼もしい相棒、塗料皿。瓶ナマ(塗料瓶からダイレクト、の意。決して生ビールだとか瓶ビールとかの誤訳ではない)だとね、希釈がムツカシイんすよ。手間でも一度皿に小分けして薄めた方がバツグンに乗りも伸びも良いのです。濃度のコントロールがし易いからね。ホントだよ。


(写真11)そんな感じで仕上がったのがコレ。うーん、なんちゅうか、銀の発色が暗すぎたかなぁ。迷彩が浮いちゃってる感じ?


(写真12)この角度だとモロに光を反射してるんで悪くないんだけど、ようは上吹きの銀が薄いっていう話だよね、これ。手間惜しまんで一旦ダークシルバーを吹いた後に8番を吹いた方が良かったかなぁ。やっぱ銀塗装はむつかしいのう。まぁこの辺りは今後の課題ってことで。


(写真13) 裏面が上面よりイイ感じってのもなんだかなぁ。でも銀塗装はリベットがよく映えるね。往年の名キット、ニチモのヨンパチ隼を作りたくなっちゃったよ。あれも鬼のようにリベット打ってあるしね。


(写真14) そんなんで完成してしまいました、ファインのナナニイ隼。定番キットにならんかなぁ、コレ。キャノピーは普通でいいからさぁ。でも今までの前科からパーツ替えで二型や三型になって定番キットで出ることはあっても、一型のキットはこれっきりのような気もするぞ。あるいはキャノピーだけ一体成形のパーツになってパイロット付けて一型を出すとか?個人的にはそっちの方が嬉しいんですけどねぇ。
(写真15)



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