Home　 >　大日本帝国海軍イ号第５６型潜水艦（1/100フルスクラッチ）＞　フルスクラッチ模型製作　＞　2019年4月号 大日本帝国海軍イ号第５６型潜水艦 （1/100フルスクラッチ） by 愛知県在住　作者　清水　栄治 ■作品について 　この作品は２０１８年～２０１９年３月にかけて作った作品です（正味６か月間）。以前友人から度々、イー４００型潜水艦の全体があるといいなと言われていました。友人には資料があれば可能でしょうと言いました。なんとかしたいなと思いながらネットで根気よく調べているうちに運よくイー１９潜水艦の図面が見つかりました。それも平面、側面図のほかに各断面図と構造、機能名称まで解説が載っていました。これはラッキーの一言‼。 それとストックにニチモの１／２００イー１９潜水艦があります、これは“やれ”と言わんばかりです。久々にファイトが湧いてきました。そんなことで友人に縮尺について悩みを持ちかけたところ（以前はコピー機で１枚ずつ拡大していた）その友人の職場にＡ－０サイズのロール紙でフリーな拡大コピーが取れることが解り早速、データをＵＳＢにダウンロードしてＰＣのキャドで原寸（１/100）大の図面を作ってもらいました。これはスゴイ‼、キャドは神様です。持つべきものは友です。有難い。これで全て事前の準備は完了して製作に入ることができました。 ■製作について 　全てプラバンとプラ棒で製作しますが長さが１０９ｃｍにもなり、以前の経験から完成時及び製作時に反りや曲がりが予想されます。そこで船体の芯には５㎜のステンレス棒を補強に入れ、船体の外板には０．５ｍｍと１ｍｍのプラバンを２重貼にしました。これは船体に曲面が多いので乾燥後全面ヤスリがけに耐えるためにわざと厚く張り合わせます。 基本の断面図は１０カット程度で、これではきれいな曲面が再現できないのでその間に１カットずつ割り込み計１９カットの断面にしました。潜水艦には付き物の水抜き穴ですが、これは悩みました。過去の経験（イー４００）から平面状態（机上）で水抜き穴をピンバイスと極小ヤスリで一つずつ開けていき、それを０．５㎜の曲面下地プラ版の上に２重貼として貼っていきました。 　デッキは当初２ｍｍ幅（厚０．５ｍｍ）のプラバンを１枚ずつ張ろうとしましたが１ｍ近くを直線でつなぎ合わせることは困難であることが解り、１㎜厚のプラバンに２㎜間隔で筋彫堂（０．１４ｍｍ）のスジボリ器で溝を掘りました。 　今回船体でこだわったところは外板の溶接跡です。これはあらかじめ筋彫りで溝を掘っておきます、次に伸ばしランナーの極細をその溝に埋めて接着していきます。 又デッキのチェッカ―プレートもペンで下書きをして、その上に極細の伸ばしランナーを３㎜程度の長さでタテ、ヨコと交互に接着していきます。 　飛行機用の格納庫とカタパルトはプラモデルを参考に作りましたが、格納庫と飛行機は悩んだ末作ることにしました。司令塔周りはプラモデルと雑誌等がありそれらしく再現しました。デッキ後部の大砲は殆ど資料がなく途方にくれました。これには、いい解決策がありました。人間魚雷“回天”搭載（ネット上で入手）で可能となりました。幸いファインモールドの1/72のプラモデルがストックにあり又搭載方法も解説があり、これに決めました。 サイズを1/100にダウンするとかなり細かくなりますが、そこは念入りにしかも４基作りました。あとは雑誌に潜水艦に魚雷を搭載している状況が載っていて、今回はこれとクレーンを再現することにしました。これらはプラ棒と伸ばしランナーで作ってあります。手摺も平面状態で伸ばしランナーを作っておき組立後デッキに順次接着していきます。 塗装はグンゼカラーを使用しました。艦艇色には+１０％程度赤色、船体色（呉軍港）にも+１０％程度黒色を追加しました。これは安定感を増すものとの思いです。全ての塗装後９０％艶消しクリアーで艶調整を行いました。 今回スクリュー塗装にガイアの金色を使用しましたが、これの輝きが申し分ない出来栄えで大変満足しました。又ハンブロールの接着剤には大変助かりました。 ■全体をとおして 　今回の作品の出来栄えには大変満足しています。製作期間がかなり長くなり、いつものことですが何度も挫折しそうになりました。先の見えない作業は本当に疲れました。それは私の信条である“可能な限り再現する”にあると思います。今回の作品は過去の経験を生かして成り立ったものだと思います。　 出来上がって写真を撮る時、最高に充実感が湧いてくる瞬間でもあります。これがあるから模型作りはやめられません。まだまだフルスクラッチをしたいものがあります。近づく老いにも負けずに自分の体と相談しながら制作をしていくつもりです。 　　Home>　大日本帝国海軍イ号第５６型潜水艦（1/100フルスクラッチ）＞　フルスクラッチ模型製作　＞　2019年4月号

Vol.128 2019 April.　　　www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved　/　　
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