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特集 ルマン24時間

  フォードGT40 (フジミ 1/24)

by クラキン



 私にとってのル・マン24時間と言えば、フォードGT40ってことになります。
子供の頃に当時流行っていたスロットカーレースでフェラーリとアルファとフォードGTが人気で、私は当時からフォードGT命だった想い出があります。
フォードGT40のル・マン24時間4連覇達成から50周年を記念して、旧作(過去に掲載済ですが改めまして・・・)、新作取り混ぜて、私がこれまで製作したGT40をご紹介させて頂きます。



【実車について】

「フォードGT40」という名前は、40インチ(1016mm)という車高の低さに驚いた記者が付けたもので、正式には「フォードGT」です。

1960年代になって、モータースポーツへの進出を計画したフォードは、ル・マン24時間レースでは敵なしだったフェラーリを買収しようとしましたが失敗に終わりました。
そこで、打倒フェラーリを目指してイギリスのローラやアビー・パネルズ(シャーシ)、スペシャライズドモールディング(ボディ)等と組んで、イギリスに設立したフォード・アドバンスド・ビークルで製作したのがフォードGT40の始まりです。
1964年にはスチール製モノコックシャーシにアルミ製4.7LのV8OHVエンジン(350HP)を搭載したフォードGTマークⅠが完成し、最高時速330kmという性能を発揮しました。
これで同年のニュルブルクリンク1000kmでデビューし、ル・マン24時間レースも3台が出走しましたが、全てリタイアに終りました。

65年からはシェルビーがレース活動を任されるようになり、再度ル・マン24時間レースに4台のワークスマシンで出走し、ラップレコードと最高速度記録を更新しましたが、またもや全車リタイアに終りました。



 記念すべき66年は、マークⅠのシャーシを強化し、エンジンをシェルビーの7.0L(475HP)に装換したマークⅡを開発し、8台のワークスマシンでル・マン24時間レースに再挑戦しました。(プライベーターも5台出走)
この結果はブルース・マクラーレン/クリス・エイモン組(ゼッケン2)が優勝(走行距離4843.09km、平均時速210.795km)し、更にケン・マイルズ/デニー・ハルム組(ゼッケン1)が2位、ロニー・バックマン/ディック・ハッチントン組(ゼッケン5)が3位となり、フォードGTが表彰台を独占する快挙を成し遂げました。
翌年の67年はアルミハニカム構造シャーシに530HPエンジンを搭載したマークⅣで出走し、2連覇を達成しました。
しかし、68年からはフォード排除を狙ったレギュレーション変更が行われたため、フォードはワークス活動を撤退し、以後はプライベーターにマシンを供給することになりました。


1966年の1位(ゼッケン2)、2位(ゼッケン1)、3位(ゼッケン5)




 68年と69年はこのレギュレーション変更に合わせて4.9L(DOHC)V8を搭載したマークⅠの改良型で英国のチーム(有名なガルフブルーのカラーリング)から出走しました。
68年はペドロ・ロドリゲス/ルシアン・ビアンキ組(ゼッケン9)が高校距離4452.88km、平均時速185.536kmで優勝しました。
69年はジャッキー・イクス/ジャッキー・オリバー組(ゼッケン6)が走行距離4997km、平均時速208.250kmで優勝し、ル・マン4連覇を達成しました。
 因みに、この69年がジャッキー・イクスのル・マン初勝利ですが、彼はこの後ル・マン最多優勝者となります。(このレースのスタートで彼がとった行動は有名です)
また、68年・69年の優勝車は「シャシーNo.P1075」という有名な車で、68・69年のル・マンだけではなく、11回のレースに出場し、6勝を挙げ「栄光のGT40」と呼ばれました。

ル・マン参戦のためのホモロゲーションモデルとしてマークⅠをデチューンしたマークⅢが65年~71年までに合計31台生産され市販されました。(エアクリーナー、マフラーサイレンサーなし!)
また、2005年にも1500台のリメイク版が生産され市販されました。
私は中央自動車道で一度だけ実車と遭遇しましたが、2005年以前だったので、31台のうちの1台だったと思われます。





【キットについて】
 フォードGT40は過去にいくつかのキットが市販されましたが、現在も市販され入手可能なのは1/24ではフジミだけ、1/12でトランペッターだけという状況です。
 フジミはGT40に力を入れているようで、ル・マン出走車だけではなく、スパやデイトナ出走車も含めて、多くのバリエーションを発売しています。
全てエンジンレスのディスプレイキットですが、それぞれの出走車の微妙な違いをかなり忠実に再現していますし、全体のシルエットもGT40の特徴を上手く再現していると思います。
マークⅡについてはリアメッシュやシートベルト等のエッチングパーツも付属しています。
エンジンレスなのでパーツ数は比較的少なく、精度も良いので組み立てに難しいところは無く、とても作り易いキットです。
但し、流石にべテランキットなので、金型の荒れやズレ(パーティングライン)が少し目立つようになってきました。
GT40はカラーバリエーションも多く、その点でも大いに楽しめますので、2000~3000円くらいで入手できるのも有難いです。



【製作】
66年に表彰台を独占した3台のマークⅡと、68年、69年優勝のマークⅠの計5台を製作しました。
キットは勿論全てフジミ1/24です。

最も製作時期が古いのがゼッケン6で、製作年ははっきり判りませんが、2010年頃ではないか思います。
自分で調色したガルフブルーが濃すぎました。



その次がゼッケン2で2014年の製作です。
ゼッケン2のゼッケン番号は塗装です。



その他の3台は今年になってからの製作です。
全て素組みです。



ゼッケン9、5、1のゼッケン白丸とゼッケン1の赤色部分、ゼッケン9のストライプは塗装です。
ゼッケン9のガルブルーも自分で調色(クレオスの青+白+赤を少々)しましたが、今回は上手くいったと思います。





ゼッケン1のボディカラーも自分で調色しました。(ゼッケン9の色に更に白をプラス)





ゼッケン5はシルバーの下地の上にクリアオレンジとクリアイエローを混ぜた物を吹き付けています。





仕上げは全て共通で、クレオスのスーパークリアをデカール保護の砂吹きも含めて5回程度吹き、最後はシャブシャブに薄めた状態で垂れる寸前のドバ吹きによって表面張力の艶を出しました。
クリア乾燥後、コンパウンドで磨いて、最後にモデリングワックスで仕上げました。







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