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 ニッポン号(アリイ 1/72)

  by 加藤 寛之



 マイクロエースと表記する方がいいのかもしれないが、元はLSが開発したキット。私はこのキットをおそらく2回作っていて、これで3回目になる。


LSの96式陸攻シリ-ズは3つの型式が発売され、その輸送機型がこれ。このシリーズから1/75スケールだったLS製品が1/72になった。この時代は、各社の1/70~1/75は何となく1/72の仲間だったし、箱絵が変わったときになぜか1/72になるキットもあった。LSにもあった。ニッポン号は発売当初から1/72で、信じて疑っていない。



 では、作る。
 コックピットは簡単で、床板と簡単な計器盤、椅子と操縦悍があるだけ。胴体接着時に床板だけを取り付け、計器盤や椅子、操縦悍は後で接着すればよい。ただ、後席の背部に壁がなくて胴体内部が丸見えというのは、奥まで色を塗るようで面倒。可動脚を押さえるA27、A28という部品を角丸にして機内装備品のように見せて壁替わりにした。
床にある覗き窓と胴体側面の客室窓は、接着前に取り付け穴の周囲と透明部品の厚み部分に黒を塗ってプラの厚みを感じにくくする。これはいつもの通り。客室窓は厚いためにヒケが生じているので、これを平らに削っておけばさらに感じがよくなる・・・のだが、私は面倒なのでキットのまま使った。細かいことは、どうでもいいのだ。



 主翼は、ダレないように上下接着をする。双発機はエンジンナセルのところでガル翼的に曲がっているキットが多く、このキットもそうだった。これはカウリング取付け部のベロのところをニッパーでキュッと挟むと少しだけ横に拡がるので、この方法でガル翼的な曲がりを矯正する。上面翼の内面にプラ板を貼って、真っ直ぐにする。
主脚は固定にする。これは、カウリングを取り付ける前ならば脚が上手に接着できている前から見て確かめられる。エルロンは羽布表現がキツ過ぎるので、ガガッと削ってリブの凸を低くする。主翼の上反角はキットにお任せ。というか、上下面に隙間が生じない位置にして工作の手間を省いたのだが、明らかに角度不足。まあ、いいや。



 水平尾翼は、表面がヘナヘナ。これは表面を削って平らにする。羽布表現もガガッと削る。それと、台座と水平尾翼の面のつながりが悪いので、これも改善する。まあ、そのくらい。ラダーの羽布表現もガガッと削る。
プロペラは、良く出来ている。どんな形にしたらよいのか、分ったうえでプラ用に造形をしている。あとは作る人が多少の手を加えればよい。プロペラの前に付くガバナを私はテキトウに付けたが、プロペラとの位置関係を間違ったみたいだ。まあ、誰も気づかないので気にしない。
主輪はホイールとタイヤが別で、塗りやすい。また、とても頑丈だ。排気管はやや大雑把な造形ではあるが、特に支障はない。ピトー管とループアンテネは適度に太めで、意識して丈夫に作ったことが感じられる。操縦席上のアンテナ支柱は実機でも太い。動くのだとはいえループアンテナの規定位置がハッキリせず簡単に調べたが、結局、飛行中の写真にあわせた。模型的に見栄えがすると思ったので。



 次は塗装。
 実機は無塗装の金属地肌。動翼は羽布張りだから、ここは銀塗装のはず。そこで銀色を半艶消しで塗り、その上にごく薄くシャインシルバーをムラに塗る。これで安っぽさがなくなる。実機写真をみると場所によって光の感じが違うが、再現などしない。羽布部分は、灰色を加えた銀を薄く塗る。実機のプロペラは磨き上げた金属の輝きをしているが、模型に輝く色を塗ったら色バランスが悪いので、普通の銀を軽く磨いてオシマイにする。
つまり、全面的にほぼ同じ銀色ということ。まあ、これでいいのだ。裏面はこげ茶色。操縦席風防は枠が太いので、塗装で細くしておく。
 デカールは良質。とても楽に貼れて、透明部分で地色の銀もくもらない。機首左右にある文字はやや大きく太いように思うが、これは個性の強調で、模型的には加点要素。


 まあ普通です、程度に作って完成した。ニッポン号のキットは、これしかない。細かくみればいろいろある。それでも私は、完成したニッポン号のみごとな姿に満足している。 どうしても手を加えたい方は、「プラモ・ガイド」’72春号「特集 第2次大戦機 日本・ソ連機」(航空情報別冊)のp.36~37に丁寧な製作記事が掲載されている。


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