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 特集 アメリカ大戦機

(Photo) B17G The Pink Lady

by  コルディッツ
博物館実機写真

 B17G「 ザ・ピンクレディ」に気づいたのは、2005年7月のダックスフィードのエアショーでした。ショーの3日前にロンドン同時爆発事件が発生し、52人の犠牲者が出たばかりの市内は緊張していました。しかしダックスフォードでは何事もなかったようにショーは開催され、英国人の肝っ玉に驚嘆です。  そしてショーの終盤に登場したのが「ザ・ピンクレディ」で、離陸準備に向け観客席席正面を移動する姿は、英国民の期待を一身に担っているかのように見え、異邦人の私も胸が熱くなりました。

 B-17G -85-VE 44-8846 The Pink Lady
 戦争博物館ダックスフォードにて    2005年7月撮影   


 44-8846機は1944年12月ロッキード-ベガ社のバーバンク工場にて誕生。
翌年3月英国到着。第351爆撃航空群第511爆撃飛行隊に所属、4月20日まで独本土に6回のミッションを遂行。その後第350爆撃航空群 第365爆撃飛行隊に転属、ヨーロッパに残りました。当時は無塗装のアルミニウム地で、「ザ・ピンクレディ」のアートワークはないようです。戦後はフランス国土地理院で使用され、この時点ではG型の特徴である顎銃塔は外されていました。
1984年7月14日にC-47を2機従えて凱旋門上空を飛行します。そして1989年に映画出演のために上面オリーブドラブ、下面ニュートラルグレイの塗装にします。映画は1990年年公開(日本では1991年公開)の「メンフィス・ベル」で、彼女は「ザ・ピンクレディ」と「マザー・アンド・カントリー」の二役で助演をしています。そのため右胴体機首に「マザー・アンド・カントリー」、胴体中央に「DF-S」と書かれ、左胴体中央は「G-DF」、左機首に「ザ・ピンクレディ」のアートワークを飾りました。書き入れ内容には経年変化がありますが、二役兼務の基本はそのままでした。 

 戦争博物館ダックスフォードにて          2006年7月撮影 





実機の前での「コスプレ」を見ていると、嫉妬と羨望の念に囚われます。
 右機首は「ザ・ピンクレディ」の文字と「マザー・アンド・カントリー」のアートワークが並びます。並んだのは1998年以降とのことです。
 2002年に「ザ・ピンクレディ」の胴体中央のコードは「M-DS」に変更、この時顎銃塔が外されたという記録もありました。

 戦争博物館ダックスフォードにて         2009年7月撮影  








2009年7月のエアショーは午前中降雨でフライト中止。午後は晴れて、フライト再開です。ショーの時間が足りなくなったためか、短い時間内に次々と内容の濃いフライトが披露され感激でした。ハリケーンの背後に着陸体勢で進入する「ザ・ピンクレディ」の写真は再掲です。
 WWⅡ中はアルミニウム地でもあり、垂直尾翼のJは白で、地の三角形は黒でした。  


 Volant Salis 博物館(パリ郊外)にて         2016年8月撮影  






いつの時代か分かりませんが、ずいぶん乱暴な「手術痕」と思いました。 






彼女の最後の飛行は2010年3月で、2011年10月29日以降は、写真のハンガー内で翼を休めています。
 以上の記述は英文Wikipediaを参考にしました。 


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