Home  >デカール自作 第3弾 A-10A サンダーボルトⅡ (タカラ 1/100)> 特集 1/100スケール> 2019年10月号

特集 1/100スケール

  デカール自作 第3弾
A-10A サンダーボルトⅡ (タカラ 1/100)

by口博通 Hiromichi Taguchi




 タカラの1/100 A-10AサンダーボルトⅡです。 タカラがプラモデルをやっていた頃、1982年に1/100エリア88シリーズとしてリリースされたうちの1機で グレッグゲイツ専用機のデカールが付属しています。
 1/72ではごく最近(モデルアート飛行機スペシャルNo.22)で4機のA-10を作りました。最もかっこよいモノグラムはもちろんシャークマウスのヨーロピアンワンスキームです。1/144でもLSのA-10を以前作ってあるので、1/100でもヨーロピアンワンスキームで作り、シャークマウスをスケール違いで並べてみたいという欲がでました。
それで、デカールを自作してヨーロピアンワンスキームの76TFS機としました。


製作

 このタカラキットの欠点は機首上面で、ここがイボイノシシではなく、カピバラさんのように太く丸いので、やすりでザクッと平面に削り落とします。ここさえ修正すれば、他はそのままで見られるようです。
ヨーロピアンワン迷彩は MrカラーNo.301チャコールグレーFS36018
No.302グリーンFS34092
No.303グリーンFS34102を使い、これらにフラットベースを加え艶を消して、面相筆で塗り分けています。エンジンポッドが機体上面にあるのでエアブラシでは影になる部分が塗りにくく、筆塗の方が簡単です。

ヨーロピアンワン迷彩を面相筆で塗っていく


塗装完了

デカールの自作

 9月号のタミヤ48 ヒューズ H-500と同様の方法で、家庭用インクジェットプリンターで印刷できる自作デカール専用用紙を利用してデカールを自作します。
 手持ちストックの タミヤ1/48 A-10Aのデカールの中に 使えそうな鮫口があったので、これを1/2尺にすれば 1/100用に使えると思いました。まずスキャナーでスキャンしてデータ化します。

元にしたタミヤ1/48デカール
(上部にボールペンで定規を書き込んであります)



デカールを作る

(1)必要な部分を画像加工ソフトで加工し、デカール画像を作っていきます。
パソコン画像上のホワイトはプリンターでは透明となるので、デカール余白部を「ペイントカン」ツールでホワイトに塗ります。
こうしてうまく画像修正ができたら、修正画像をJPGフォーマットでパソコンに保存します。
デカール用紙にはHIQPARTSというメーカーののホワイトベース(製品名 INKJ-T05WB )と透明ベース(製品名 INKJ-T04CL)を使いました。両方ともアマゾンで A4サイズが5枚入りで950円でした。

加工した画像 (一部)

 
(2)できあがった各画像を印刷用に1枚の大きな画像上に編集します。この時に透明ベース用と白ベース用に分けます。
黒文字は透明ベース紙で作れますが、白が入っているシャークマウスは白ベース紙を使う必要があります。また下地が透けやすい黄色、緑なども白ベース紙を使った方が発色が良くなります。

透明ベース紙用に編集した画像

白ベース紙用に編集した画像


(3) 次にデカール用紙への印刷ですが、ドローソフトを使います。パソコンにドローソフト(例 マイクロソフトパワーポイントなど)が付属していればそれを使うのが簡単です。
 筆者は 「inkscape」というフリーの編集ドローソフトを使っています。窓の杜のinkscapeからwindows版がダウンロードできます。)
先ほど作った画像を ドローソフトに取り込みます。取り込んだ画像をソフト画面上で拡大縮小して 1/100モデルに必要な寸法に合わせます。元にしたデカールの寸法が1/48原寸なので、1/2に縮小すれば1/96となり ほぼ良い寸法になります。
 そして、ドローソフトからインクジェットプリンターでデカール用紙に印刷します。これで、デカール用紙に必要な寸法で印刷ができました。

作製した1/100用デカール
(元にしたタミヤ1/48デカールに比べると1/2の寸法になっている)
上が白ベース用紙、下が透明ベース用紙
 

(4) 水に溶けるインクジェットなので、印刷後、「クリアーコーティング」が必ず必要です。
デカール用紙の注意事項を良く読んで、2日くらいインクをしっかり乾燥させた後に 模型用ラッカークリアー「GSIクレオス「スーパークリア」、ガイアカラー「EXクリア」)などをエアブラシで注意深く吹き付けます。
 乾燥が不充分だとクリアを吹き付けた時に印刷インクが溶け出し、泣きをみますので、しっかり乾燥は非常に重要です。
 また、クリアは厚めに吹き付けた方が安心できます。

自作デカールの使用

 切り抜き断面から水溶性印刷インクが溶けることがあるので、自作デカールは印刷部よりも大きく切り抜くようにします。
 デカールをキットに貼ったら、水分が乾燥後、周囲の余白をカミソリで切り取っていきます。
 デカールが落ち着いたら、各色の艶の違いを揃え、デカールを保護するため、艶消しクリアを吹いておきます。その後で、MrウエザリングカラーWC2グランドブラウンで全体をウエザリングすると落ち着いた雰囲気に仕上がります。

印刷部よりも大きく切り抜いた自作デカールを貼る。
 

4辺の余白を丁寧に切り取って行く


完成



 A-10にはやはり白いシャークマウスが似合います。強そうです。反省点としては、もっと丁寧にデカールの余白を切り取ると完成度が上がるのかもしれません。
また、機首を修正しプロポーションも良くなっているので、時間があれば、もう少し武装に手を入れたかったところです。



  Home>デカール自作 第3弾 A-10A サンダーボルトⅡ (タカラ 1/100)> 特集 1/100スケール> 2019年10月号
Vol.134  2019 October.     www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
                    editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず/リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集2


TOTAL PAGE


デカール自作テクニック