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特集 液冷 

(Photo) Hawker Hind

by  コルディッツ
博物館実機写真

 「戦闘機よりも早い軽爆撃機」として一世を風靡したホーカー・ハートも、1930年代には旧式化していました。そこで英国空軍省は1933年に後継機の仕様書P27/32を発行し、次世代の単葉軽爆撃機の開発を始めます。
 さらに新型機の実用化までの期間は、ハートの改良型で繋ぐことにして、 仕様書G7/34を発行します。これに応えたのがハインドでした。
 ハインドはエンジンにロールス・ロイス ケストレルV(650hp)を採用、後部席はハートから発展した戦闘機デモンから流用するなど、必要な近代化を施しました。ハートを改造した原型は1934年に初飛行に成功、1935年からハインドはハートとの更新を始めます。ヒトラー政権成立が1933年1月30日ですので、英国政府の反応は迅速だったと思います。
 ハインドは592機生産され、アフガニスタンやニュージーランド、ラトビア等にも輸出されました。そして1937年から真の後継機のフェアリー・バトルやブリストル・ブレニムと交替して、繋ぎの役目を全うして第2線に退きました。
※ 本稿は「第1次 第2次 大戦間爆撃機」(K・マンソン著 白井光雄訳
野沢正監修 鶴書房 昭和46年)と「世界の軍用機図鑑」(神奈川憲他3名著 コスミック出版)及び英語版Wikipediaを参照しました。

   Hawker Hind K5414 (c/n 41.H.8.1902)
 戦争博物館ダックスフォードにて 上 2005年7月に 下 2008年7月撮影
 航空ショーに参加したシャトルワース・コレクションのフライアブルの機体です。撮影当時は第二次世界大戦機だけに目が奪われていて、ハインドを全然意識していなかったことを、ひどく悔やんでいます。




L-7180 ?
 カナダ航空宇宙博物館(オタワ)にて        2007年8月撮影
 1937年から1938年にかけて、アフガニスタンに28機のハインドが売却
され、1956年に退役しました。そのうち2機が1967年から1968年に英国
に寄贈、1975年に別の2機がカナダ航空宇宙博物館に寄贈されました。
写真の機体は寄贈された1機と思われます。 


K4672
 王室空軍博物館コスフォードにて        2016年4月撮影
 博物館の表示には「Afghan Hind」とあり、国籍マークはアフガニスタン軍です。










コンテナには何を入れたのか、分かりませんでした。




 ロールス・ロイス ケストレル XⅥエンジン (670hp)
 ハインドの脇に展示。管見ですが私の見た資料では、ハインドの搭載した
エンジンはケストレル V (640hp)だけでした。リサーチ不足でご免なさい。


 Hawker Hart Ⅱ J9941/57 (G-ABMR)
 王室空軍博物館ヘンドン にて          2019年8月撮影 
 脇にはハートが搭載していたロールス・ロイス ケストレル IBエンジン
( 480hp)が展示されていました。改装前は「マイルストーン館」で吊されて
いましたが、今はH3で展示中脚を地に着けています。それにしても旧本館
の照明が明るくなったのは、大歓迎です!



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