Home > (Photo) Re2002<特集 攻撃機<2019年11月号

特集 攻撃機 

(Photo) Re2002

by  コルディッツ
博物館実機写真

カプロニ・レジアーネRe2002アリエテⅡは、1940年10月に初飛行の機体です。前年に初飛行のRe2000ファルコ戦闘機の空冷星形エンジンを、液冷のDB601エンジンに換装して、1940年7月に初飛行したRe2001アリエテⅠ迎撃戦闘機から開発されました。DB601系エンジンの供給難に陥ったため、パワーアップされていますが、再び空冷星形エンジンに戻しました。生産数は僅か225機ですが、イタリア空軍機の中で最良の戦闘爆撃機・地上攻撃機との評価もあります。(「万有ガイドシリーズ 4 航空機 第二次世界大戦1」 石川好美翻訳 木村秀政監修 小学館 昭和56年) 
 恥ずかしながら私は、Re2000とRe2002の違いは、空冷エンジンを換えただけと思い込んでいました。ところが両機の写真を比べたら、とんでもない誤解をしていたことに気がつきました。
エンジン周りの変化は当然ですが、主脚収容部にも変化がありました。ファルコは主脚を主翼下面の凹みに収容しますが、アリエテⅡでは収容庫になっています。
 レジアーネ系列はイタリア空軍の単発単座単葉戦闘機の中で、フィアットやマッキと比べると、知名度・生産数・活躍はぐっと地味ですが、Re2000は輸出機としてイタリア経済を潤し、Re2002は戦闘爆撃機・地上攻撃機として奮闘しています。もう少し有名になってほしいと思います。
 武装は胴体前部に12.7mm機関銃2挺、主翼に7.9mm機関銃2挺。腹部と主翼に3個の爆弾架があり、腹部は420kg爆弾か500kg爆弾1発、主翼は160kg爆弾を各1発搭載可能。ただしリミットは合計は640kgのようです。

 上  Reggiane Re.2002 MM8669/5-239
 イタリア軍事史航空博物館(Vigna di Valle)にて  2017年12月撮影
 下  Reggiane Re.2000 serie1 スウェーデン空軍名称 J.20 40
スウェーデン空軍博物館(リンシェーピン郊外)にて 2002年7月撮影
 
外見はとても似ています。Re2002はRe2001からの開発なので、
イタリア空軍版五式戦かと。




 主脚収容部  上:Re2002  下:Re2000




 Re2002のエンジンは ピアッジョP.19 RC45 空冷星形14気筒 1,175hp、
Re2000はピアッジョ P.11 RC40 空冷星形14気筒 985hpです。




排気管周辺  上:Re2002  下:Re2000 




キャノピー部分はP-47レザーバックを彷彿させます。原型のRe2000は、
セバスキーP-35のコピーと言われているので、無理ないかと。そういえば
故佐貫亦男教授はRe2000を「小雷電」と形容していましたね。 


 Re2002の初陣は1943年7月の連合軍のシチリア侵攻の防衛戦と思われます。
 イタリア降伏後は連合軍側についた共同交戦国空軍と、ドイツ空軍によって
運用され、ドイツ空軍はフランスの抵抗組織「マキ団」を攻撃しました。






イタリアは芸術の国でした… 



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