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誌上個展

   1/72で綴るソ連レシプロ戦闘機の系譜

   第10回 La-9 (MPM 1/72)

by akaihoshi2004

 第二次世界大戦におけるソ連戦闘機は従来、性能が低く見るべきものが無いとされて来ましたが、実は大戦末期にはドイツ機と肩を並べるほどに発展していました。このシリ-ズではソ連の単発レシプロ戦闘機に焦点を当て、1/72の模型を使って概ね年代順に辿って行きます。 


 ラボ-チキン設計局はヤコブレフ設計局とならんでソ連戦闘機開発の中核を担って来ました。最初の量産機はLaGG-3で、以降は前の型を次々に改良する形で新型機を送り出し、La-5とLa-7までが大戦中の機体です。La-9はそんな一連のラボ-チキン製レシプロ戦闘機の完成形と言える機体で、戦争が終わった翌年の1946年に初飛行しました。本機はLa-7の基本的フォルムを引き継ぎつつも全面的な改設計が行われており、レシプロ戦闘機の最終世代に相応しい高性能機です。



 BOXア-トは滑走路をタキシング中のLa-11と奥にもう1機、離陸直後とおぼしき機体が描かれています。滑走路が濡れていて背景のグレ-部分も雨雲を連想させるから、雨の日の情景を描いたのでしょう。だとすれば全体にコントラストが低く霞んだ様に見えるのも頷けます。実際のパッケ-ジは絵が印刷された紙が白無地の箱に糊貼りされているのですが、その印刷の質が悪くて余計霞んで見えます。機会があったらぜひこれの原画を見てみたいものです。



 La-9/11は実機の知名度が今一つのせいか、あまりキットが出ていません。1/72のインジェクションキットではこのMPMの他はGRANとinteravia程度ではないでしょうか。一応GRANもinteraviaも持っていたので、どれを作ろうかキットを見比べた結果、それほど迷わずにMPMを選びました。決め手は主翼の厚みです。どういう訳かどのキットもみな主翼が厚ぼったいのですが、中ではこのMPMが一番薄く出来ています。しかし上の写真で分かる様にMPMでもまだ相当厚いです。



 パ-ツは古色蒼然としており、特に成形色が濃い茶色でギョッとさせられますが、良く見ると個々のパ-ツは結構シャ-プで、組んでみるとパ-ツ状態の見た目よりはるかに「まとも」です。キャノピ-はバキュ-ム製ですが問題なく使えました。他に翼前縁と後部胴体に付く透明部分もバキュ-ムで入っているけれど、これらは小さいので透明プラ板に置き換えています。



 さらに気付いた点を挙げると、まず機首下面、ここは主翼下面より出っ張りますが、La-9では面一なので要修正です。次に機首前面上部にある補助空気取入れ口とプロペラスピナが干渉します。ここの修正は困難なので作例ではそのまま作ってしまいました。最後に脚ですが、引き込み支柱と脚カバーが共に長すぎるので、取説の三面図を見ながら適度に寸法を詰めました。



 塗装はネットで見つけた飛行可能な復元機(もしくは再生産機)の塗装にしました。キットのデカ-ルはソ連機がLa-9と11、北朝鮮機がLa-11の合計3種類入っていますが、激しく黄ばんでいてとても使えないため、全て他キットから流用しています。

 下記アドレスは本稿の筆者のホームページです。ご興味がありましたらどうぞご覧下さい。
http://w01.fitcall.net/akaihoshi/


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