パナビア・トーネード ADV(防空戦闘機)は、英国、西ドイツ、イタリアの3ヶ国で共同開発したトーネード IDS(阻止攻撃機)を母体に、英国が単独開発した複座の可変翼機で、英空軍はIDSは地上攻撃機・偵察機としてGR、ADVは戦闘機としてFの形式符号を付与しました。ADVは1979年に初飛行し、218機生産されて、英空軍とイタリア空軍、サウジアラビア空軍で運用されました。
英国がADVを開発したのは、BACライトニングやF-4ファントムが実施していた長時間の戦闘空中哨戒任務を、引き継ぐための機体が必要になっていたからです。そこでトーネードIDSの対地上攻撃用レーダーを、対空用レーダーに積み替るためにレドーム形状を変化させ、燃料搭載量を増やすため胴体を延長しています。
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そして本格的に生産されたトーネード F.3は、超音速飛行の場合、基地から300海里(約556km)の距離を、3時間以上の戦闘空中哨戒ができました。またボーイングE-3Dセントリー等のAWACS(空中早期警戒管制機)とデーターリングして、同時に複数ターゲットと交戦が可能な優れモノで、博物館の説明板には「長射程防空要撃機」とありました。それにしても攻撃機から戦闘機を開発する発想は、やはり英国風だなと思います。
実戦参加は1991年の湾岸戦争からで、英空軍に1986年から2010年まで就役しました。(博物館掲示によります)
※本稿は博物館の掲示資料とWikipedeiaを参照しました。 |