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特集 バラエティモデル

 Colorful Cute Tank
M4シャーマン、タイガーⅠ (童友社)

by webmodelers編集部



 童友社からカラフルなディフォルメタンクが最近発売されています。このシリーズには KV2,M4シャーマン、ストームタイガー、タイガー1 と現在4種類があります。シャーマンとタイガーのサンプルをいただいたので、さっそく作ってみました。
 シャーマンの箱絵はアニメ調のポップなもので、動物と一緒に描かれています。(残念ながら動物のフィギュアは入っていません。動物フィギュアが欲しかった!)
 接着剤不要のスナップキットを組むと上写真のように、ピンクと赤のシャーマンや、パープルと黄緑のタイガー1とカラフルなタンクが出来上がりました。
 箱絵横に14歳以上とありますので、ターゲット購買層は、中学生以上が対象でしょうか。カラフルな色使いだし、どちらかというとプラモデルマニアのおじさん向けではなく、一般の若い女性層を狙ったプラモデルのようです。

M4シャーマン



 製品は中国製の成型品に日本語説明書をあつらえたという雰囲気で、説明書はカラー印刷で、わかりやすいものでした。  部品はランナーごとに3色に色分けされ、無塗装でもカラフルに仕上がるようで、部品点数も少なくまとまっています。
 驚いたことにキャタピラが一体連結済み可動です。良く見ると「糸」が入れられたインサート成型で、まるで本物のキャタピラのように見事に連結されて可動します。これはアイデア賞ものです。
 
説明書 部品一式


製作

 接着剤不要の簡単キットということだったので、とりあえず、ポケモンのように道具無しの「部品手もぎ」だけで製作にトライしてみました。
 車体下部から製作。左右の駆動輪は金属シャフトを使います。片側の駆動輪に金属シャフトを打ち込み、車体下部に通し、もう一方の駆動輪を通してからストッパー部品を差し込んで止めます。
サスペンションと転輪は下のような簡単な構造です。簡単にくみあがりました。


 さて、連結されたキャタピラを転輪に巻いて、キャタピラの両端を結合したいのですが、キャタピラの成型孔が小さく、結合ピン(金属線)がきつくて入りません。  金属線径をノギスで計ると0.6mmでしたので、0.6mmドリルを使いピンバイスでキャタピラ側の孔を拡げます。そして金属線をラジオペンチにはさみ、孔に挿入します。これでなんとか両端を結合できました。
なかなか ハードな一場面でした。

 
(今回は孔径を拡げましたが、別の方法として金属線をやすりで削り細くする、0.4mm程度の金属線で置き換えるという手もありそうです。)

0.6mmドリルを使いピンバイスでキャタピラ結合部の孔を拡げる。

左右の可動キャタピラがセットできました。


 次に車体上部に機銃と主砲のトラベルリングを取り付けます。小さい部品で、取り付け力が弱く、すぐ外れてしまうので、接着剤を併用しました。
 おじいちゃんが小さいお孫さんに与えたいようなかわいいおもちゃのようなタンクですが、小さい部品を子供が飲み込むと危険なので 小さいお子さんのおもちゃとして与えるのは避けるべきでしょう。
 砲塔内部にはスプリング部品をセットして、砲塔回転により、主砲が上下するようなメカになっています。
バネのねもとを砲に挿入する際に、手では無理があり、ピンセットを使いました。また、写真右下の小さい部品はどうも「回転コロ」のつもりのようなのですが、はずれやすいので、軸に接着しました。

車体上部 砲塔内部(右下の部品は回転コロ)

 接着剤不要のスナップキットということだったので、ポケモンのように道具無しの「部品手もぎ」だけで製作にトライしてみましたが、さすがに それは無理でした。切除が必要と指定されている大きなランナー跡もあります。結局、右のように、カッターナイフ、プラモデル用ニッパー、ピンセット、ラジオペンチ、その他に写真には写っていませんがピンバイス(0.6mmドリル)を使いました。

 砲塔を車体下部の穴に差し込み、赤い回転ストッパー部品を横から挿入し差し込んで止めます。しかし、ストッパー部のキーが浅く、砲塔を回転させるとスプリングの力に負けて、すぐストッパーがはずれて 砲塔が浮いてしまいます。 しかたなくストッパー部品と軸を流し込み接着剤で慎重に接着しました。

これで車体上部と下部が出来上りです。
これらを組み合わると完成です。

赤いストッパー部品と砲塔回転軸は接着しました。

 ピンクのシャーマンが完成しました。
キュートなタンクでデフォルメで可愛い中に、シャーマンのイメージを再現しています。

 完成写真では 主要な部品は「もぎ取り」をしたので、まだ、ランナー湯口が残っています。
 製作時間はキャタピラの接続と砲塔ストッパーで手間取ったので2時間くらいでした。
 
 プラモデルの製作に慣れたマニア層でしたら、ピンバイスのような専用工具やプラモデル用の各種接着剤も持っているので、完成は可能ですが、専用工具を持たない一般層には完成は容易ではないかもしれません。メーカーさんでは、発売前に社内で必ず試しに作ってみて 「想定したターゲント購買層で完成が可能か」検証してみることが必要でしょう。



 なんともかわいいデカールが付属しています。ただ、一般層にはデカールの使用はハードルが高いので、シールの方が使い易いかもしれません。
  付属デカール

タイガーⅠ

 タイガーⅠも同じように完成しました。
キャタピラーと砲塔ストッパーの注意点はシャーマンと同じです。
完成するとタイガーⅠもパープル2色と黄緑のカラフルタンクでかわいさと無骨さが両立しています。

 なお、写真では 安全のためにはずれやすい小部品(砲塔の発煙弾発射機)はあえて取り付けていません。こういう作り方もあるということで。
メーカーさんには機銃、シャベル、前照灯なども 別部品にせずに、むしろ一体成型を考慮いただくとよかったかもしれません。



2台ならべて記念撮影です。




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