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特集 2019年のニューキット

 フジT-1A ジェット練習機(プラッツ 1/72)

by口博通 Hiromichi Taguchi



 プラッツから2019年に発売となった1/72 T-1Aジェット練習機です。昨年T-1Bが発売された時から、できれば装備主力だった最初の量産型T-1Aの方を作りたいと思っていました。現在発売中の月刊航空情報2020年2月号の ニューキットレビューに掲載していますので、ご興味のある方は書店で是非お買い求めの上ご覧いただければ幸いです。ちなみにこの航空情報2月号にはコンコルド特集が、民間から軍事、将来開発機まで立体的に20ページの大特集で組まれており、大変面白く必見です。  さて、プラッツのT-1Aの部品点数は60点余りと1/72飛行機キットとしては標準的な規模で、素材色はグレーでパネルラインの彫刻は若干強めに施されています。3DCADで金型設計がされているため、各部品の合いは大変良く、主翼の下反角や尾翼の上反角もしっかりと決まり,さくさくっと完成しました。



 また、素晴らしい印刷のイタリア・カルトグラフ製のスクリーン印刷デカールが付属しています。箱絵の第13飛行教育団(芦屋基地)の最終時(2001年)塗装の他に、1972年以降の初期マークである第1小隊白と第2小隊ライトブルーの第13団マーキングが入っているのが貴重です。 今回は、別売りオプションとして、カラー印刷済みエッチングパーツが発売されているので、これも使ってみました。

別売りカラー印刷済みエッチングパーツ

実機について

 T-1ジェット練習機は戦後初の国産ジェット機として富士重工業(旧中島飛行機)により開発されました。
 当初搭載予定の国産J3エンジンの開発が案の定遅延し、英オルフェースエンジン(推力1,815kg)を搭載して制式化したのがT-1A型です。1960年以降46機が生産されました。
これに遅れてJ3エンジン(推力1,200kg)を搭載したT-1B型は20機生産となっています。 実機T-1のキャノピーと射出座席、降着装置はT-33Aから流用したので形状も同一です。
また増加タンクもF-86Fと同じ120ガロンのものを流用しています。A型のオルフュースエンジンは出力が大きく、その分J3よりも多くの燃料を消費したため、T-1Aは 増加タンクを常時装着して飛行していました。一方B型は当初、長距離飛行の場合を除いて増加タンクは装着していませんでした。
 T-1は主に第13教育団(芦屋基地)に配備され、自衛隊ジェットパイロットの育成に活躍しました。しかし配備後40年経過した2001年にT-1Aが、また2006年にT-1Bが惜しまれつつ退役しています。 


製作

 コクピットは左右コンソール一体のバスタブ床に前後計器盤、シートという標準的な構成です。
コクピットと射出座席シートベルトには別売りの印刷済みエッチングパーツを3M多用途接着剤で貼りつけました。コンソールのグレーとシートベルトの色が明るいですが、胴体に組み込むと、これでちょうどくらいになりました。



 エアインテークは左右に分かれる機内ダクトまでが再現されています。
主翼下面は胴体下部と一体成型となっており、少し下反角がついた主翼が隙間なくぴたっと決まりました。
また水平尾翼の差し込みベロも大きく設計してあり、尾翼がしっかりと固定でき、取り付け角も確実に決まりました。


塗装

 全面をMrカラーの白で塗装して、付属のカルトグラフデカールを赤、翼端オレンジ共、貼ってみました。
デカールのフィルムは厚めで色透けせず、翼端のオレンジ蛍光色も綺麗に発色しています。文字周辺の余白部分が無く、印刷ズレも皆無。さすが、カルトグラフです。Mrマークソフターを併用することで、曲面にもしっくりと見事になじんでくれました。
 機首のアンチグレアも普通はマスキングして塗装する所ですが、今回はデカールを使いました。
自衛隊練習機特有の視認性の良い胴体ラインがデカールを貼るだけで簡単に再現ができるのは めちゃめちゃ嬉しいです。
 キャノピーの枠だけは、マスキングして艶消し黒で下塗りしておき、その上に白で塗装しました。

白を塗装し、デカールを貼っていく。

完成

胴体下のエアブレーキは開閉選択式なので、せっかくだから開状態としました。脚扉はいもづけなので、3M多用途接着剤でしっかりと取り付けました。
 安定板が左右にある増加タンクは形状も良く、A型は増加タンクを左右に装着して運用されていたので、シルバーに塗り、必ず取り付けておくようにします。ちなみに増加タンクのアンチグレアもデカールをそのまま使ってみました。



 マーキングは憧れの1972年以降の初期マークである第1小隊白としました。完成するとグッドなプロポーションとなり、地上から見上げるアングルで撮ると実機T-1Aジェット練習機を彷彿とさせます。
 プラッツのT-1は T-33の時のような変な胴体形状の癖も無く、バランスもしっかりと取れていました。
惜しむらくは、実験航空隊のマーキングがデカールで入っておらず、それがあると全面銀の機体が再現できるのですが。






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