史実上誉は戦争後期の最優先生産エンジンとなりました。日本において量産ベースに乗った唯一の二千馬力エンジンと言って良いんじゃないかしら。あとちょっとで二千馬力ってエンジンはいくつかあったけどね。試作型もたくさんあるけどどれも量産まではいってないですし。
故障率が高いとの悪評があるけれど生産工数が栄と大差なく(むしろ川崎で作ってた栄系より少ないくらい)ブースト圧と回転数を押さえれば準二千馬力エンジンとしてそこそこ使えていたから軍部が一押ししてたのも納得いきます。そもそもハイオク仕様のエンジンに86オクタン突っ込んだらそりゃ異常燃焼おこすわな。今みたいな電子制御の燃料供給装置とかないんだし。
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中島のエンジニアは設計前に軍部へ100オクタンのガソリンを供給出来るかと問い合わせ「問題なし」と返答されたので高ブースト高回転での高出力化に踏み切ったのだとか。なので中島を責めるのはお門違いだけど、開戦直前とは言え燃料事情を平時のつもりで断言しちゃった軍関係者は見通しが甘かったと言わざるを得ないかも。やっぱね、兵站ちうものは事を起こす前から真剣に考えないと後々自分の首を絞めるということじゃね。(まぁ技術者にありがちな「暴走」があったことも否めないんだけれどね) |