Home > (Photo) Vickers-Crossley Armoured Car <特集 NAVY & MARINES<2020年9月号

 特集 NAVY & MARINES

(Photo)Vickers-Crossley Armoured Car  

by  コルディッツ
博物館実機写真

 帝国海軍は創設当初に「海兵隊」を編制しましたが、時代錯誤と判断されて、廃止した歴史があります。その後は地上での戦闘部隊が必要になった時は、艦艇の水兵を動員して臨時「海軍陸戦隊」を編成して対処していました。しかし第二次世界大戦勃発前に、鎮守府の陸上部門の兵士で陸戦隊の編制を始め、こちらは「特別陸戦隊」と呼ばれました。
 米海兵隊のように、海軍から独立した軍種にはなりませんでしたが、一般的な帝国陸軍部隊よりも優秀な兵器を保有し、第二次世界大戦開始時は、侵攻の尖兵として活躍しています。

 海軍陸戦隊で高名なのは「上海海軍陸戦隊」ですが、1927年に上海での権益維持のため、中国国民党軍の北伐に備えて編成されました。
そして1932年の第一次上海事件での中国軍の攻撃から上海租界防衛に成功したことから、同年「上海海軍特別陸戦隊」として常設部隊になり1945年の敗戦まで存続しました。
 上海海軍特別陸戦隊は1937年の第二次上海事件でも、再び中国軍と交戦、この時も上海租界防衛に成功します。二度の上海事件で活躍した海軍陸戦隊の車輌に、英国製ヴィッカース・クロスレイ装甲車があります。
現存する車輌は英国の戦車博物館に1輌あるのみとされています。
※本稿はWikipediaを参照しました。


  Vickers-Crossley Armound Car M25
 戦車博物館(ボービントン)にて       2010年7月撮影  


   以下は2019年9月撮影です。


   イギリス領インド帝国の求める安価な警備用車輌として、
ヴィッカース社が傘下のクロスレイ社に開発・生産させた
植民地警備用の四輪装甲車で、1923年に設計され、1925年
に製造されました。そのため正式名称はヴィッカース・
クロスレイ M25 装甲車となります。


  操縦室の上にドーム型銃塔が設置され、7.7mm重機関銃
が2挺から4挺を備えます。乗員は4名で重量4.9トン、全長
5.01m、全幅1.88m、全高2.61m、最大装甲厚5.5mm、最大
速度64km/h。クロスレイ 直列水冷4気筒ガソリンエンジン
を搭載しました。 


  総生産数451輌。インドで100輌ほど装備した他、カナダや
南アフリカ、アルゼンチンに輸出され、帝国陸軍も1927年に
3輌輸入し、1931年の満州事変では関東軍が使用しています。


 上海海軍陸戦隊唯一の装甲戦力として活躍しました。
 陸軍のクロスレイのタイヤはチューブ式でしたが、海軍陸戦隊
のタイヤはソリッド式でした。  


  1936年の二・二六事件の際は、横須賀鎮守府で臨時の
海軍陸戦隊が編成され、海軍省の警備にあたりましたが、
この時クロスレイ装甲車も出動しました。




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