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 旧国鉄の貨物用電気機関車EF18 (アオシマ1/50)

by クラキン

「1/72飛行機を飛行姿勢で作ろう」はちょっとお休みして、
昭和の電気機関車「アオシマ1/50 旧国鉄の貨物用電気機関車EF18」を作りました。



【実車について】
 旧日本国有鉄道(国鉄)の旅客用直流電気機関車として製造されたEF58のうち、東芝府中工場で製造されていた32~34号機の3両は1949年初頭には完成間近の状態だったが、GHQによるドッジラインが施行され、国鉄の電化計画、電気機関車増備計画が強制的に中止されたために就役が保留されました。
その後2年間、東芝でデッドストック状態に置かれていた3両は、当時不足していた貨物用機関車として転用されることになり、これがEF18となりました。
従って、EF18という機関車は3両しか製造されなかった希少な機関車となりました。
元になったEF58は32~34号機が欠番になっています。



 1951年(私が生まれる5年前)に3両すべてが就役し、東海道本線などで貨物列車を牽引して活躍しましたが、1979年(私が社会人になった年です)に浜松機関区で3両全てが廃車、解体廃棄され、残念ながら現在は1両も残っていません。
赤茶色の大きな車体と前後の巨大なデッキが迫力の、私が大好きな正に「昭和の機関車」です。

【キットについて】
 元々はオオタキだったのか、アオシマだったのか定かではありませんが、1970年代から発売を始めた1/50電気機関車シリーズの中のひとつです。
この他に、EF58、EF60/65、EH10を発売しましたが、最近になって1/45シリーズへ移行したので、4キットだけで終了したシリーズです。
古いキットですが、何度も再販されており、今でもアオシマのホームページに掲載されている現役キットです。
私が購入したのは2012年にエッチングパーツ付きで再販された時のものです。
エッチングパーツは32~34号機の3種類のプレートと34号機用の側面エアフィルターの縦型スリットです。
パーツ数は全部で300個以上あり、台車、モーター、運転席、車内の変圧器等の各種補器類などが細かく再現されていて、当時としてはかなり力の入ったキットです。



【製作について】
<組立て>
 古いキット故、一部パーツ精度の悪さや金型の疲労じは否めず、バリ取り、パーツ整形、調整など、製作はそれなりに大変でした。
例えば、先導輪の車軸は決定的に短く、線路の内側に車輪が落ちてしまうので、一旦真ん中で切断してから1mm厚のプラ板を挟んで延長するという荒業も必要でした。
キットの説明で記した通り、32~34号機の3種類が作れるようになっているのですが、前後の補助灯だけが32~33号機の形と位置になっているので、この部分は34号機に合わせて改造しました。
台座のレールの継ぎ目はキットでは何もなかったので、プラ板とプラ棒で継ぎ目プレートを再現しました。



<電飾>
 車内と運転席、ヘッドライト、補助灯を合計12個のチップ型LEDで電飾しました。
電源はAC100Vコンセントから12V直流アダプタを経由して取るようにしたので、キット付属の展示台では配線やスイッチ、ACアダプタ用コンセントなどが収まらず、木製の台座を自作しました。
電飾は運転席と車内、ヘッドライトと補助灯をそれぞれ別々にコントロールできるよう2個のスイッチを付けてあります。



<塗装>
 東芝府中工場ロールアウト時の綺麗な状態ではなく、実際に使い込まれて少し草臥れた感じにしようと思いましたが、台車部分と車体のバランスが少し悪くなってしまったのが反省点です。
台車周りやデッキはレッドブラウンで下地塗装をしてから、黒に若干白を加えた色を下方から吹き、ジャーマングレーを上方から吹き、最後の油彩のグレーでウォシングとドライブラシという方法で仕上げました。



 車体色はインスト指定色ではイメージが全然違うので、子供の頃に見た記憶と数少ないネット上のカラー写真を頼りに調色しました。
写真ではあまり判りませんが、屋根、側面、側面下方で少しづつ色合いを変えてグラデ塗装しています。
メッキパーツは全て漂白剤でメッキを剥がして、塗り直しています。



色々と手間が掛かり大変でしたが、これもまたプラモデル作りの楽しみです。
5200円分以上に楽しませて貰いました。
制作期間3.5ケ月、製作日数25日くらい。



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