Home  >「赤蛇の目」ふたたび ルナールR-31 (アズール 1/72)< 誌上個展<2020年12月号

誌上個展

「赤蛇の目」ふたたび
ルナールR-31 (アズール 1/72)

  by Nobunaga

 第1次大戦後の航空機の国籍標識で「蛇の目」と言えばまず英国機が思い浮かびますね。これは多分「蛇の目の花園」や「世界の駄作機」の岡部いさく氏のイギリス機偏愛?の影響でしょうか。
 目を転じればイギリス以外にも蛇の目を使用している国が多いのに気が付きます。なかでもローマ帝国の影響を強く受けた国々フランス、ベルギー,スペインとルーマニア(ローマ人の国の意)、イタリア(共同交戦国側)などラテン語系の国は共通する何かを持っている気がします。そう、国籍標識が「赤」蛇の目なんです。
 WEBモデラーズの2016年7月号から2018年4月号までフランス機を中心に「赤蛇の目」27機を掲載していただきましたがその時作り残したものやその後購入したものが溜まってきましたのでこの際一掃しようと企てた訳です。



 戦闘に参加した唯一のベルギー製航空機。鋼管羽布張り、高翼単葉の直協偵察機。7.92ミリ機銃を前方固定で1挺、後席に旋回式で1挺装備し、爆弾を80kgまで装備できる。1932年10月初飛行。
 *(株)コスミック出版「軍用機パーフェクトBOOK 第二次大戦までの名機508」より抜粋させていただきました。

 第二次大戦直前になってベルギーは中立を宣言しますがヒットラーは躊躇なく攻め入り短期間で占領されてしまいました。当時ベルギー空軍が使用していた航空機はブリュスターB339(バッファロー)、フィアットCR-42、グロスターグラジエーター、フェアリーバトルと国産のR-31で見るからに弱小空軍ですね。
 なお、ベルギーの状況についてはWEBモデラーズ2017年4月号に書きましたのでご覧ください。

キットについて
 簡易インジェクションメーカーのアズールが2018年頃に発売したキットです。よくぞこんな名も知れない弱っちい飛行機をキット化してくれたなと感涙ものです。
アズールの簡易キットも最近は洗練されて作り易くなりました。ランナーから切り離して切り口をペーパー掛けして組み合わせるだけです。物足りない位簡単に出来ます。ネットで集めた実機写真とボックスアート以外には資料がないので素組みで作りました。





  高翼機の翼を支えるのには普通は翼をN字支柱で支えているのだけれどR-31はなんとパイロットの眼前に翼幅の板状の構築物(燃タンか?)を据えている。これではあんまりにも視界が悪いだろう。おまけに蓋をするように翼が乗っかっているのだ!パイロット泣かせだね。審査官は何も言わなかったんだろうか。着陸事故が多かったと言うがさもありなん。
キットでは主翼裏側に溝があるだけなので、はずれないように念のため真鍮線を仕込みました。



両翼端には航法灯を付けました。



 機首のエンジンカバー部の塗装はブラッシュドアルミと指定があり筆の先でグレーをちょんちょんとのっけましたが汚くなってしまいました。スタン・ハジエクさんのボックスアートは資料としても素晴らしいですね。まねをして主脚柱にリベットを打ちました。デカールは良質のものです。



後方機銃は少し大きめのような気が。銃口を開けエッチングパーツを頑張って全部付けました。


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