Home  > 百式重爆撃機 呑龍(レベル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2020年12月号


  百式重爆撃機 呑龍(レベル 1/72)

  by 加藤 寛之



 「呑龍は丸い」と実機を見た方が言っていた。レベルのキットは、角胴に感じる。だいぶ後発のハセガワの呑龍も角胴の印象を受ける。どれが正しいのだろうか。
 レベルのキットは、1973年の発売だそうである。角か丸か議論しても形は変わらないので、作ることが肝心である。
 今回はレベル製品である。なんと1000円でリサイクルショップから入手した。さすがに安値だと思うが、この値段なら買って作ろうと思える。やや表現過剰な凸リベットと濃厚な動翼の羽布張り表現が時代を感じさせる。これを活かして作ることに、レベルのキットを作る意味がある。このキットはカウリング下面にある空気取入口の有無で不完全ながら1型と2型が作り分けられる。なんとなく2型で作ってある。



 機内は床板に椅子や操縦桿を付け、計器盤や銃架などを組み込む。呑龍は窓枠が多くて中が見えないから、テキトウに省略して大雑把に色を塗ってOKとする。爆弾倉扉は閉状態にするので、内部は作らない。爆弾倉扉を胴体に接着すると胴体の強度があがり、しっかりとした胴体になった。これは上反角をキメるために大切な要素だ。接合部分の整形は、なるべく狭い範囲で均し、凸線はカッターの刃で線を引き、リベットは尖った棒で突いてそれっぽくした。思ったよりも短時間で胴体を1本にできた。
主翼、水平尾翼は、単に上下を接着するだけの構造。主翼は上面パーツ内側に1cmくらいの幅のプラ板を貼り、ダレないようにしておく。
エンジンナセルは、組むときに梯子型の脚を入れておく構造になっている。そうかといってタイヤは塗装に邪魔。そこでブラブラ状態で組み込むだけにし、全体塗装後にタイヤを差し込んでから脚を固定する順で作った。
胴体と主翼は、特に問題も無く組めた。下面側に軽い隙間が生じたが、下面は見えないのでそのままOKとした。水平尾翼も問題なく接着できた。
風防類は、塗装後に接着することにした。そうすると、いかにも接着しましたみたいになるが、簡単さを優先した。まあ、いいのだ。



 塗装は銀色を選んだ。この時代の陸軍機は無塗装が基本だから、金属が見えていることになる。キットの成形色が銀なので、銀色に黒とつや消し剤をいれ、相当に希釈して2度塗り。地色が見えたり色が流れて寄ったりしているところでOK。次に銀色のみを薄めてリベットやラインのところをテキトウに塗る。終了。あとは書くようなことがない。
デカールにはまいった。日の丸の赤の発色をよくしようと、白を刷った上から赤を刷ってあるのだか、版ズレがひどくで半分白フチ付きみたいになっていた。他で余ったデカールを貼ったが、翼面のものはもっと大きくないといけない。でも、完成すればイイのだ。



 今回作ってみて、中島らしい姿だなと思った。
胴体は直線的で引き締まっている。前縁が真っ直ぐで後縁が前進する主翼は、中島の単座戦闘機と同じ。内翼前縁が出ているのは、年燃料タンクだろうか。そうすることで主翼の最も厚みがある部分の前後長を伸ばして相対的に薄翼にしたのだろうか。
この内翼の飛び出しやエルロンの張り出しを整理し、狭い胴体幅を考えると、スラッとした主翼平面形が見えてくる。
ちょっと、好きになった。


  Home>百式重爆撃機 呑龍(レベル 1/72)> 飛行機プラモデル製作>2020年12月号
Vol.148 2020 December.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」
 

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE