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  メッサーシュミット Me109E (ハセガワ 1/72)

  by 加藤 寛之



 家にこもった生活で、プラモデル人気が上昇したと聞く。でも、子どもの頃は安くて手軽だったのに、キットの値上がりに驚き工具類揃えに考え込む人も多そうだ。
「ちゃんと作る」という考えが、プラモデルの楽しさを失わせてように思う。ちゃんと作る・正しく作るって、何なのだろうか。

 テキトウな2色で出来るだろうか?」と、フッと思った。プラモデルに色を塗り始めた子どものころは、数色で作っていたはずだ。その色だってテキトウだったはず。パテなんて使わない。でも完成した。今でも絶対に出来る。



 そうはいっても色数限定に不安があるので、古いハセガワの1/72メッサーシュミットにした。数年前のSLB展示会のときに、譲ってもらったキットだと思う。古いといっても、精度は現在のキットと大差ないし、充分によい形をしている。むしろ簡単なパーツ割りがうれしい。簡単に組めるこの時代のキットが、私は大好きだ。
 開封して塗装図をみて考える。指定色と違うが、基本の上面は伝統的なダークグリーン風とブラックグリーン風でOKとする。下面と側面はキットの成型色でOKとする。黄色はどうにもならないので、2色+1色=3色に変更する。3色は、近くにあった、GSIクレオスの「12オリーブドラブ」「22ダークアース」「58黄橙色」に決める。“そんな感じ”になれば良い。スピンナーの緑は諦め、銀や黒も我慢する。

 パーツは単純な分割で、薄すぎない堅牢な厚み。主翼断面形への配慮や後縁の薄さ、尾翼の薄い仕上げなど、実によい模型的表現。垂直尾翼の非対称や主翼直後の胴体断面形の急変は再現されていないが、このサイズならば問題ない。外観の「らしさ」が、そんな仔細なことを忘れさせる。プラモデル的には胴体と主翼上面の隙間がやや大きいが、タップリと接着剤をつけて適切な上反角をつけて固定すれば大丈夫。水平尾翼の取り付けガタも、注意すれば問題ない。爆弾は当たると痛そうなので装着しない。



 上面色は、まずブラックグリーンの代わりのオリーブドラブで塗る。ダークグリーンはダークアースにオリーブドラブを加えた色で塗る。胴体側面はオリーブドラブをポツポツと塗ってから溶剤で展ばす。パネルラインの凹線には薄めたオリーブドラブを流し込んでメリハリ。
 脚柱と脚カバー内面は、オリーブドラブを薄めて塗り、RLM02似とする。タイヤはオリーブドラブで我慢し、ホイールは凸部分をカッターの刃で角を削って目立たせる。
 尾輪はタイヤをオリーブドラブ、尾輪柱はオリーブドラブを薄めて塗る。
 プロペラはオリーブドラブ。付け根は成型色のまま、スピンナー先端は成型色で我慢。
 機内は全部をオリーブドラブで塗り、凸部分をカッターの刃で角を削る。
 機銃と翼端灯は、凸部分をカッターの刃で角を削って目立たせる。
 塗装はこんなモノで終わり。
 デカールは主翼上面用が一部で切れてしまったので代替したが、それ以外はキットのものを貼った。製造からの年数を考えれば立派なもの。最後にデカール抑えに光沢スプレーをプ~~として完成とした。
 なんだ、3色でまあOKじゃないか。言わなければ、3色と気づかないかもしれない。

 それにしても、このキット、いいな。
単純な塗装の機体を選び注意書の類を省略すれば、ドイツ機の場合は白黒の大雑把なデカールで済む。上面の緑か・下面の水色のプラ成型色にして、600円くらいで「巣篭もり特価」の限定再生産をしてほしいな。「油性マジックでタイヤやプロペラを黒に、スピンナーを赤に塗るといいでしょう」なんて書いてあったら、私はうれしくなって、即、2つか3つ買いますね。書き忘れていたけど、このキットは風防2種・スピンナー2種・フィルター2種が付いている、大サービスキットなのです。
最後に。このキットは「Me」ですね。私は「Me」派です。


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