Home  >「赤蛇の目」3題 1 IAR-38(スペシャルホビー 1/72) 2 アミオ351(マッハ2 1/72) 3 カーチスH-75 A3 (エレール1/72)< 誌上個展<2021年5月号

誌上個展

「赤蛇の目」3題
1 IAR-38(スペシャルホビー 1/72)
2 アミオ351(マッハ2 1/72)
3 カーチスH-75 A3 (エレール1/72)

  by Nobunaga

1.IAR-38




実機について
 IAR(Industria Aeronautică Română/インダストリア・アエロナウティカ・ロマー ナ(ルーマニア航空機工業))社のグロス・ビズルとカルプ両技師が設計したIAR37はルーマニア王国 空軍が求めた戦術爆撃機兼偵察機の要求に応える機体であった。
IAR38はBMW132エンジンを取り付け観測・偵察機型として75機生産された。クルーはガラス張りのキャノピーで武装は四つの機銃で構成され後席では爆撃照準器や無線機、カメラを操作する。爆撃ミッションには12の50kg爆弾か6つの100kgを運ぶことが出来た。
*ウエブサイト「KEYのミリタリーなページ」より一部を抜粋させていただきました。

キットについて

 マイナーな機体を製品化してくれる有り難いメーカーです。簡易インジェクションキットとして卒のない出来です。図面こそ無いものの実機写真(IAR39の写真もあり)やスタン・ハジェク氏のボックスアートは資料として役に立ちます。
とは言え翼間支柱が寸足らずだったりエッチングの爆弾架が長過ぎたりと手のかかるところはありますがインストに従って作ればでき上がります。デカールの質も申し分ありません。


 エッチングパーツの爆弾架は使えないのでプラバンでそれらしく作りました。二重張り線はもう少し間隔を狭めると良いのですが張り線基部のカバー取付けに失敗して張り直しなど大変でした。


上翼には機銃とフラップヒンジを付けました。キャノピー後部はエッチングソーでカットして開けてあります。


観測機なので胴体横と胴体下面もガラス張りです。温室みたいですね。さぞ長めが良いことでしょう。


2 アミオ351




実機について
 単座長距離郵便機として計画されたが、戦雲が垂れこめるヨーロッパ情勢から原型機飛行前に双発 3座爆撃機へ改修された機体。アミオ340の名で計画された郵便機原型に対して、グノームローヌ 製エンジンへの換装をおこないアミオ351と名称を変え、空軍当局の実用試験を受けたところ、か なりの高性能を示したため軍では爆撃機として運用するために必要な改修を指示し、爆撃機生産型の 発注をおこなった。
 アミオ351は、高出力エンジンへの換装、3座化、双垂直尾翼化(最終モデルとなった354で は大型の単垂直尾翼になった)等の改修がおこなわれており、アミオ340から引き継いだ全金属製 構造胴体や大きい翼幅の補助翼、エンジンナセルへ収納する引き込み脚などにより高い性能を示した。
 いくつかの変種が製作されたが基本的に搭載エンジンの違いだけであり、旧式化していたフランス 空軍爆撃機の後継機として期待された。しかしフランス航空業界の再編成や第二次大戦開戦など悪条 件が重なったため、フランス降伏までに生産された機体はシリーズ総数で130機あまり(諸説あり)、 そのうち部隊に就役できたものは更に少数(80機程度との説あり)に終わっている。
 なお休戦後破壊されずに生き残った機体は、オーバーホールされビシー政府の連絡機として使用 (運用はエールフランス航空)された他、ドイツ軍が接収した数機もドイツ空軍内で輸送機や哨戒機 として使用されている。
*ウエブサイト「KEYのミリタリーなページ」より引用させていただきました。

キットについて
 マッハ2の製品は初めて作りました。キットの表面は疥癬持ちの肌のようにがさがさでところどころ瘡蓋(かさぶた)のようなものがあり汚い感じです。ガレージキットより少しはましだけれど、細かなパーツはなく大まかなパーツはランナーと間違いそうです。キャノピーのクリアパーツはがさがさで、特に機首のキャノピーは透明感が無く濁っていておまけに枠だらけでこれは出来るんだろうかと投げ出したくなりました。じっと見ていると作って、作ってと言う声が聞こえて、気が付くとニッパーでパーツを切り離し始めていました。
しゃあないこうなれば最後まで作ったろうやないかと作業開始です。


 プラの材質は再生プラで柔らかく加工は容易です。パネルラインが浅いので彫り直しをしようとしたらぐにゃっとした変な感触、何度もなぞって彫りました。後方の機銃は懲りずにイスパノスイザHS404 20㎜機関砲のようです。取り回しはどうだったんでしょうか。詳しくは分かりません。

*訂正です。3月号に投稿したLeo451の記事の中でHS404の左右に15ミリ機銃を付けたと書きましたが「7,5ミリ機銃を左右に付けた」のまちがいでした。


コックピットの座席はキットパーツのままでは収まりません。真鍮線でパイプ椅子の背中部分を作り直しました。HS404機関砲はキットパーツより二周り!ほど小さく作り替えました。手元で操作したのでしょうか。


 機首の風防のクリアパーツは不透明なので内側、外側コンパウンドなどで磨いたのですがクリアになりません。濁ったままです。枠も多くて大変でした。


 簡易キットの場合主翼後縁は厚みがありすぎるので内側を削ったりしますが、こういった場合後縁部分を削って、そこに1ミリ幅にカットした薄いプラバンを貼り付け段差をパテで埋めペーパー掛けすると手の切れるようなエッジが立ちます。お試しあれ。


 フランスの爆撃機の足回りはなぜか複雑な構造になっています。が、このキットではストンとした素っ気ない作りです。実機写真を見ながら手を加えてそれらしくしました。

カーチスH-75 A3




実機について
 アメリカ陸軍はカーチス社の自主開発したモデル75BをP-36として採用した。輸出用H75はフランス、中華民国、オランダ、ノルウエー、イラン、タイに輸出した。フランスはエンジンを換装して機銃を4挺にするなどして大量に発注したがドイツに降伏したため一部を使用したに過ぎない。

キットについて
 かなり古いキットのようです。何度もパッケージ替えで販売されています。キット評についてはプラモの諸先輩達がさんざん言い尽くしていると思いますので今更言うことはありませんがアウトラインは悪くないしこれを今風に作り替えるのも無粋なことなので、とは言え素組みでもなんだかなと多少のディテールアップをしながら製作をしました。


 塗装の派手さでヴィシー政府軍機にしてしまいました。びっしり打たれたリベットは残して、機首のスリットを開けたり機銃ガス抜きのスリットを再現しました。


 尾翼のラダーを切り離し加工しました。エレベーターも切り離し、さげた状態にしました。水平尾翼は薄すぎるほどで切り離しは簡単でした。


 機首エンジンカウリングの下面に折りたたみ式のエアスクープを再現しました。主脚は適当にそれらしくしました。ちょっと汚くなりました。


参考資料:光人社NF文庫飯山幸伸著「弱小空軍の戦い方」、ミリタリーエアクラフト10月号別冊「第2次大戦軍用機図面集(1)、MMPBOOKS  FRENCH BOMBERS of WWⅡ
     その他インターネットに依る実機写真等





  Home>「赤蛇の目」3題 1 IAR-38(スペシャルホビー 1/72) 2 アミオ351(マッハ2 1/72) 3 カーチスH-75 A3 (エレール1/72)< 誌上個展<2021年5月号
Vol.153  2021 May    www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /
 editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル誌上個展

TOTAL PAGE