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 (Photo) ラム巡航戦車

by  コルディッツ
博物館実機写真

 1941年にカナダで開発されたラム巡航戦車は、カナダが機甲師団を編制する目的で、ライセンス生産をする予定のM3リー戦車の欠点を克服する改設計を施した戦車です。車台はM3の物を流用しながら、上部構造はリベット止めから鋳造式に替え、主砲は英軍の2ポンド砲又は6ポンド砲を頂部に置く旋回砲塔に装備します。1943年までに1,949輌が生産されましたが、戦時中は訓練任務のみに運用されました。これは連合軍の機材をM4シャーマン戦車で共有化するためでした。しかし車台を活用した装甲兵員輸送車(ラム・カンガルー)や25ポンド砲搭載の自走砲(セクストン)等の派生型は戦場に赴き、爪痕を残しています。
※ 本稿は博物館の標示と「戦車」(小学館)、「世界の戦車」
(コスミック出版)を参照しました。

 ラム巡航戦車Mk.Ⅱ B3 CT159602
 戦車博物館(ボービントン)にて      2019年9月撮影



 ラム戦車は6ポンド砲を装備する予定で設計されましたが、ダンケルクで装備を失った英国は6ポンド砲を英国内に留めたので、第一次生産分50輌は2ポンド砲を装備し、MK.Ⅰと呼称されました。



 展示車両は6ポンド砲装備のMk.Ⅱで、車体左前面に銃塔が 設置された前期型です。銃塔には7.62mm機関銃を装備。後期型 は銃塔を撤去し、車体左前面のより低い位置にボールマウント式銃架に替えました。



「巡航戦車に類別され、”ラム”と命名された戦車は、リー戦車の車体と機構を流用していた」(「戦車」小学館) 



 1942年から6ポンド砲装備のMK.Ⅱが製造されます。6ポンド砲はジャイロスタビライザーを備えていました。6ポンド砲装備が前提だったので、やむなく装備した2ポンド砲との換装に備えて砲塔前面装甲はボルト留めにしたそうです。





 ラムⅡのデータは 全長 5.79m 全幅 2.77m 全高 2.67m
重量 29t 装甲厚 75mm 最大速度 40km 乗員 5名
 武装 6ポンド砲×1、7.62mm機関銃×2



 ラム・カンガルー 装甲兵員輸送車
 戦車博物館(ボービントン)にて      1996年4月撮影



 カンガルーは戦車の砲塔を撤去して兵員輸送車とした車輌の英連邦軍における総称で、チャーチル戦車なども対象。ラム戦車からのカンガルーが多く、乗員2名と完全武装の兵士11名が搭乗します。
 車体左前面の銃塔 2019年9月撮影




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