Home  > REPUBLIC XF-103 THUNDERWARRIER (BEAVER CORPORATION 1/144)> 特集 試作機>2021年9月号

特集 試作機

REPUBLIC XF-103 THUNDERWARRIER (BEAVER CORPORATION 1/144) 

by 五六式(TYPE-56)



 第1特集”試作機”に合わせてリパブリックXF-103サンダーウォーリアーを製作しました。五六式が挑む2番目の3Dプリンター出力キットです。 

<実機について>
 コンベアF-102と同じ,空対空ミサイルを主兵装とする超音速迎撃機で,F-102よりも高性能な機体をと,高度30000mをマッハ3.7で飛行することを目標としていた。マッハ3.7という高速性能を発揮するためにターボジェットエンジンに加えてラムジェットエンジンを装備し,機体はチタンで製造するという計画だった。しかし,エンジン開発が難航し,モックアップのみが完成した後,開発計画は中止され,試作機が製造されることはなかった。 

<キットについて>


 発売元は,ビーバーコーポレーションですが,FOX ONEの設計による3Dプリンターから出力されたキットです。プラモやガレージキットと違ってランナーやゲートやバリはありませんが,3Dプリンターで出力するときの足がかりとなるパーツサポート(赤線で囲んでいるところ)がパーツに付いています。後述しますが,ユーザーがかなり手を加えてやらなければ完成しません。 

 地上姿勢にするか飛行状態にするか,ウェポンベイを開けるかどうか,操縦席を下ろすかどうかと,様々なオプションが選択できます。 

 デカールは,プリンターで出力したものらしく,全てのマークが1枚のシートに印刷されており,一つずつ切り離してやらねばなりません。また,国籍マークやタービンラインなどは,一旦白地のデカールを貼ってからカラーの部分を貼り足すようになっています。 

<製作>
 部品をパーツサポートから切り離し,部品の表面の積層による段差を均し,部品の接合のための調整をするという,地味な作業をひたすら重ねます。 


 デジタルでプリントアウトしていくので斜めになっている面や曲面には,等高線や木目のような段差ができます。写真の左が未加工の状態です。 


 主翼と水平尾翼は,差し込みがきつく,厚みの調整が必要です。また,主翼も尾翼も分厚いので,筋彫りを復活させつつかなり削り込んでやらねばなりません。写真では,厚みを比較しやすいように油性ペンで印をつけています。 

 部品の材料となる樹脂は,思いのほか脆く,製作中に9箇所折れました。特に力を入れたわけでなく,ペーパーがけをしようとしたら,ぽろっとか・・・涙・・・。 


脚柱      3箇所
主翼と水平尾翼 3箇所
脚カバー    2箇所
ピトー管    1箇所    計9箇所 

 ピトー管は,毎度のことで今回も折れると割り切っていましたが,脚柱が折れるのは勘弁して欲しいです。ゼリー状瞬間接着剤で接着すれば,ある程度の強度が出るのが不幸中の幸いかと思います。 


 ファルコンミサイルを収納するウェポンベイは,開閉選択式になっています。ウェポンベイを開けてファルコンミサイルを見せる方が工作が簡単ですが,敢えてウェポンベイを閉めることにしました。 とはいうものの,ウエポンベイの蓋の寸法がやや大きめで(小さいよりはましです。)ヤスリスティックで少しずつ削り合わせて寸法を合わせていきました。これらを本体に接着するのも大変で,瞬間接着剤を使うのでやり直しができないし,コツをつかむまで3回失敗してしまいました・・・涙・・・。 

 主脚と機体の接合の角度は,両面テープを使って部品を仮留めして確認しました。両面テープの細切りを貼り付ける位置とテープを重ねる回数で主脚と機体の接合の角度の調整ができます。これによりゼリー状瞬間接着剤を併用してタイヤをきちんと接地させることができます。


 窓の部品の透明度が低く,サンディングしようがコンパウンドで磨こうが透明度が上がりませんでした。仕方が無いのでタミヤのアクリルのX-19スモークを筆塗りで透明部品に乗せてやりました。 


<完成>


 チタン製の機体ということで,タミヤの缶スプレーTS88チタンシルバーで塗装しました。実機がないのでなんちゃって塗装です。アメリカのマークは,付属デカールの発色が薄めだったのでジャンクから発掘してきた物(ドラゴンの1/144 X-3で余った物・・・捨てないで良かった・・・。)を貼っています。 



操縦席は,床ごと昇降します。・・・ところで,非常時に,パイロットは,どうやってベイルアウトするのでしょうか? 



四角いエキゾーストが時代を感じさせます。THUNDERBIRDSみたい・・・。時代が一回りしてまた四角くなりそうですが。 
ベントラルフィンは,着陸時には折りたたまれています。(この部品は,両面テープでとめただけです。) 
エキゾーストも尾翼も薄くしたかったのですが,強度的に不安だったのでこれ以上削れませんでした。


エキゾーストの実寸は,これくらいなので許してください。 


前方視界はほとんど無く,機首のペリスコープ(黒っぽい四角)で覗くのみだそうです。降着装置も,何だかなぁと思わせるほどのシャコタンで,離着陸が大変そうです。 


  Home>REPUBLIC XF-103 THUNDERWARRIER (BEAVER CORPORATION 1/144)> 特集 試作機>2021年9月号
Vol.157 2021 September.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
         editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作特集1

TOTAL PAGE