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 Me-410 A-2/U4 (マッチボックス 1/72)

  by 加藤 寛之



 先日、友人からマッチボックスのMe-410 A-2/U4を頂いたので、作った。
私はマッチボックスが大好きだし、Me-410も個性的な形で好きだ。
 キットとしては、「まあ、いいか」みたいな作りなのだが、それがマッチ。それでいいのだ。精密とか正確とかは気にせず、「まあ、こんな感じ」でOKとしている暇つぶしキットなのだ。だから楽しく組める。
 中身を確かめる。デカールは乾ききってひび割れがある。これはやめておこう。プラパーツは揃っている。風防パーツがバリに埋まっており、側面にある凸部分は真ん中に前後方向の大きなバリがある。これは知っていたので怖くない。テキトウに削って磨けば大丈夫。表面はマッチらしい太いすじ彫りだが、最近は似た仕上げのキットもある。マズイのは、すじ彫りの両脇がぼ~~と膨らんでいること。特に主翼にはすじ彫りがタテヨコに刻んであるから、表面はガタガタになっている。水平尾翼も凄い。これは表面全体をサンドペーパーで擦って均せばOK。コックピットの椅子はソファーかと思うような幅広のL字型で、「酷いなぁ」とは思うが、黒く塗ってしまえば見えないのでOK。等々、組む前にだいたいのメドをつける。
 組む・・・のだが、接着面の整形が最初。「全部する」ので、以下省略。
 胴体は機内を塗りもしないで床板を入れ、側面の機銃の可動は止めて台座を内面に接着して、左右を接着。機内塗装や椅子の取り付けは、後からすればいい。そうそう、計器盤や操縦桿はパーツにない。簡単でいいや。
主翼はナセル部分にゆがみがあったので、後縁が折れるように曲がっている。これは双発機のプラモデルによくあること。手で折れ曲がり部分を捻って真っ直ぐに。プロペラを回す予定はないので、エンジン部分も組んでしまい、主翼に接着。前述のぼ~~とした膨らみはこんなところにもあるので、固着後の均しは必須。
主翼付け根の胴体との取り付けガイド板は切断して、接着面を平らに整える。胴体側も平らにする。主翼と胴体の接着は、上面側で妥当な位置にする。下面は相当に合わないが、それはだいたいOKくらいに整形すればよい。ついでに、フィレット後端あたりの面の流れを整形する。ここをそれなりレベルに整えると、とても見栄えがいい。
水平尾翼は、うまく接着できる。固まったら、胴体側との面の流れを削って整える。



 機首にある50mm砲は先端には穴を掘っておく。砲身は根元で切断し、あとから突っ込んで接着する手順にする。胴体側面の機銃も、後で差し込む手順にする。
プロペラとスピンナーは、接着しにくい。そこで、プロペラパーツもスピンナーも、それぞれでカウリング先端に接着することにした。スピンナーとカウリングの間に僅かな隙間があるとホントはいいのだが、丈夫さ優先にする。
風防の透明パーツは、冒頭に書いたように側面がガタガタだから、それらしく削って整形して磨いておく。窓枠はレベル・ファイターシリーズ並みにゴツゴツで、面白い。そうだ、機内を黒で塗った。それでオシマイ。
主脚とタイヤは取り付け自由度が高いから、前からみてハの字になるように固定する。
まあ、あまり気にしないでテキトウに組む。



 塗装だが、架空の夜戦塗装にした。理由は、塗装が簡単だから。明灰白色で全面を塗り、ニュートラルグレーをパタパタ叩くように塗り、ところどころに緑系を入れる。ぼかし処理はしない。ボカシなしは単に手抜きだが、そんなにおかしくない。
ここで効果的な小技。ニュートラルグレーになった凸部分や角を、明灰白色に塗る。凸部分の下側になるところに軽く黒を塗る。これでメリハリを感じるようになる。
塗装後に小物を接着し、ちょこっと塗る。
デカールは、他キットの余っているデカールをテキトウに貼った。

 完成。わずか数日。
どう見てもMe-410で、問題ない。エルロン下面にあるマスバランスは最初からパーツにないから、これは問題ない。塗装は架空だから、これも大丈夫。どこをとっても「まあ、いいか」の印象だが、しっかりと完成に至った。精密でも正確でもないが、マッチは「完成するプラモデル」という極めて高い理念に基づいたキットなのだ。


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