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(Photo)  ルンプラーC.Ⅳ

by  コルディッツ
博物館実機写真
 ドイツのルンプラー社は、オーストリア人のエトリッヒが製作したタウベ単葉機をライセンス契約して生産したのにも関わらず、ライセンス料を支払わなかったため、怒ったエトリッヒが特許権を放棄した一件で有名です。また第一次世界大戦期にはドイツ軍最良の複座の複葉偵察機と称されるC.Ⅳを生産し、名声を上げました。ルンプラーの製作した最初の複座複葉偵察機は、無武装のB.1でしたが、以降は武装偵察機に進みます。武装偵察機第1号はC.1で、安定性に優れ、ドイツ軍に1,000機導入されました。その後に少数作られたC.Ⅲを挟み、C.Ⅳが登場したのは1916年末で、上昇力と高高度性能に優れ、650機が生産されています。
 残存機数は不明ですが、C.Ⅳがミュンヘンのドイツ博物館本館に展示されていますので、ご紹介します。
※ 本稿は「飛べ ヒコーキ」(佐貫亦男著 講談社)と「世界の軍用機図鑑」(コスミック出版)を参照しました。

   Rumpler C.Ⅳ
 ドイツ博物館(ミュンヘン)にて      2011年5月撮影




   佐貫亦男教授のエッセイ「矢のルンプラー」に「たとえばイギリスのデハビランドD.H.4にくらべて、5,000メートルまでの所要時間35分対38分であった。また、ルンプラーの作戦高度まで上昇できない連合軍機がかなりあった」とありました。




   エンジンはメルセデスD.Ⅳa 水冷6気筒 260hpで、最大速度は171km/hです。武装は機首右舷に操縦士用に7.92mm固定機銃1挺、後方偵察員用に7.92mm旋回機銃1挺です。
 左舷はスケルトンになっています。ラジエーターの配置が実にユニークで面白いと思いました。




   佐貫亦男教授の「矢のルンプラー」に「前方操縦者が上翼の下へ完全にかくれてしまうD.H.4 の設計はナンセンス(D.H.9では修正された)で、ルンプラーが主翼後縁の切欠きの下に操縦席を置いた手法とくらべものにならぬ」と、意外に英国に辛い採点が下されています!




 設計者のエドムント・ルンプラーは自動車の設計にも携わり、第一次世界大戦後の1921年にTropfenwagenという流線型の自動車を製造しています。同車はベルリンの技術博物館に展示されていますが、写真撮影を怠りました。どうも済みません。お詫びにルンプラーがライセンス生産したことで、ルンプラー・タウベと呼ばれることの多い、現存のタウベ機で締めさせて頂きます。

 Taube   (再掲)
 技術博物館(ウィーン)にて        2018年12月撮影 




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