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(Photo) Vampire NF.54 夜間戦闘機
by コルディッツ
博物館実機写真
航空自衛隊浜松広報館がデ・ハビランド・ヴァンパイアT.55の展示を中止したのを知り、残念でなりません。航空自衛隊が導入した唯一の英国製ジェット練習機であり、航空自衛隊史の貴重な資料ですので、展示を再開してほしいものです。
さてそんな事もあってヴァンパイアを調べていたら、並列複座の夜間戦闘機型NF.10(DH.113、輸出向けはNF.54)が先に開発され、これを基に練習機型T.11(DH.115、輸出向けはT.55)が開発されたという流れが分かりました。
夜間戦闘機型NF.10はゴブリン3エンジンを搭載、1949年8月28日に初飛行に成功しました。デ・ハビランド社は英国空軍向けに試作型3機を含む81機を生産し、納入しますが、英国空軍はグロスター・ミーティア夜間戦闘機型を主軸とすると決定します。そこで輸出となりますが、インドが元英国空軍のNF.10を輸出版NF.54に改装した機体を30機購入、イタリアがNF.54として生産の14機を購入という実績で、1957年から1958年に配備されています。
現在ヴァンパイア夜戦型で展示しているのは、イタリアだけと分かりましたので、ご報告させていただきます。
※ 本稿は博物館の標示、「大戦後戦闘機」(鶴書房)、「航空機
第二次大戦後の軍用機」(小学館)、BAEシステムのHP、Wikipedia
を参照しました。
de Havilland Vampire NF.54 2017年12月撮影
イタリア軍事史航空博物館(Vigna di Valle)にて
機首のレドーム内にAI Mk Xレーダーを搭載しています。
主翼や水平尾翼、垂直尾翼、簡素な主脚は、第二次世界大戦中の
開発であることを物語っているように思えます。
キャノピーに保守性と実用本位を感じ、なるほど英国風かと。
ヴァンパイアNF.54のエンジンはデ・ハビランド・ゴブリン3で、
推力1,520kg 最大速度885km/h 上昇限度12,190m 航続距離1,960km
武装は20mm機関砲4門。
以下再掲写真ですが、ご参考までに。
ヴァンパイアと後継機のDH-112ベノムのコクピットの周囲は、木製合板です。
de Havilland DH.112 Venom FB.50 J-1580(?)
スイス空軍博物館(デューベンドルフ)にて 2007年10月撮影
ずっとヴァンパイアの機首と思い、そう紹介した事もありましたが、実はベノムだったようです。真に申し訳ございませんでした。
de Havilland DH.112 Venom NF.51 2014年6月撮影
スウェーデン空軍博物館(リンショーピン)にて
ベノムの夜戦型はNF.2で、輸出型はNF.51。スウェーデン空軍は
J-33と呼称しました。
航空自衛隊浜松広報館のヴァインパイアT.55の展示再開を望み
ます。 2012年9月撮影
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