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零戦52型&紫電改(ニチモ 1/35)
by 小山新一
(メーカーについて)
模型メーカーがひしめく静岡でもなく、首都圏でもない、栃木県佐野市にある日本模型、通称ニチモはユニークな存在であった。ビッグ・パットンやトヨペット・クラウン・パトカーなど、高価かつ豪華なモデルのラインナップを持ちながら、100円の飛行機入門キットも作ってくれている。モデラーを育てる配慮を忘れない、ビギナーにとって親しみやすいメーカーであった。
技術力も高く、どのジャンルのキットも、デッサンが確かで、モールドもしっかりしていた。ただ、こと飛行機に関してはのちの1/48にいたるまでは、シリーズ化に熱心でなく、ときおり単発で品質の高いキットを出してくれる、やや気まぐれなメーカーのイメージがあった。1/48では零戦52型、P51Dムスタングと、水準を越えたキットを発売しながら、あとがつづかない。1/72にしても、九六艦戦、雷電と小さいながら、凹リベットの精密なモールドが光る好キットであったのに、この2機で終わってしまっていた。のち、1/48は旧マルサンのキットを加えてのち、自社のラインナップを投入していくのだが・・・。
そして、今回の「1/35 世界傑作機 デラックス・シリーズ」である。世界傑作機とうたいながら日本機2機で、このシリーズは打ち止めになっている。よく、あのメーカーのあのシリーズだけでもコンプリートを果たしたい、と口にするモデラーがいる。たとえばタミヤの1/100など、筆者は半数ぐらいまで完成させているが、まだコンプリートには程遠い。
しかしながら、このニチモの「1/35 世界傑作機 デラックス・シリーズ」にかぎってはコンプリートを果たしたことになるわけだ。
ビギナーの頃から親しんできたニチモのプラモデルからの撤退は残念でならない。
(模型の制作)
1/35 の零戦も紫電改も初版は、胴体内に組み込んだモーターにより、プロペラがまわり地上滑走するアクションを備えたキットであった。オオタキの同種のモデルと違って、ニチモはアクション・モデルとスケール・モデルの両立をはかり、走行機構を機体内に収容できる仕組みであった。このあたり、ニチモの技術力が光っている。
のち、走行機構を廃止、純然たるスケール・モデルとして再発売(ボックス・アートも一新)された。私が作ったのは零戦、紫電改ともにこの再発売の方である。プロペラの回転は、モーターをミニ・ベビーに変更して残してあったが、走行機構をおさめるために上げ底だったコクピットはそのままにされた。
零戦、紫電改ともに、このオミットされたコクピットを、当時の私の工作技術の範囲で再現、紫電改の方のみキャノピーを塩ビでしぼり出したりしている。零戦にのせたパイロットはタミヤの1/35MMシリーズの戦車兵から改造してある。
もはや細かいことは忘れたが、コクピット内の骨組みの位置ぎめを、外側のリベットに細いピンバイスで穴を開けてやったことを覚えている。尾翼のシリアルナンバー以外はすべて筆塗りで仕上げてある。
シリーズのコンプリートをお届けします。
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