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(Photo) F-101B in Germany

by  コルディッツ
博物館実機写真
 航空自衛隊御用達の104は別格として、センチュリーシリーズから、私好みの機体と選ぶとF-101になります。ちょうど70年前の1954年9月29日の初飛行時に音速突破した優等生なので、音速突破にモタモタのF-102(とその発展型のF-106)はダサく見え、F-100のエアインテークはレトロ過ぎ、F-105はベトナム戦争で悪名高い(F-101も偵察機型がベトナムに出撃していますが)と、消去法でもF-101に辿り着きました。
 また小学生の頃にセンチュリーシリーズのナンバーと機名を暗記ができたのは、ハセガワさんの72プラモの恩恵によるものですが、キット化された機体は、戦闘機か戦闘爆撃機なのに、何故かF-101のみ偵察機だったので、ヴードゥーの奇怪な名称と併せ、小学生の私には正体不明で、ミステリアスな雰囲気だったのが、フェロモンになった原因かと思います。
 今回のジェット戦闘機特集で、直ぐに思い浮かんだのがF-101でした。護衛戦闘機として開発されながら、失格を宣告され、けれど挫けず(マクドネルのセールスが上手く)戦闘爆撃機、長距離要撃機、偵察機と役割を開拓し、存在価値を示し続けた経緯から、某かの人生訓を得られるかもしれません。
※ 本稿は「大戦後 戦闘機」(鶴書房)、「世界の軍用機図鑑」
(コスミック書房)、博物館の標示を参照しました。  

  McDnnell F-101B Voodoo 58-0265
 技術博物館(シュパイアー)にて       2020年2月撮影

   展示の機体はテキサス州空軍第111戦闘乗員訓練飛行隊所属機ですが、何故にドイツの博物館に展示されているのか、分かりませんでした。


 センチュリーシリーズでは少数派の双発ジェット戦闘機で、さらにB型はタンデム複座の長距離要撃機。何故ハセガワさんはB型をチョイスしなかったのか、高校生時代は納得できませんでした。(投書はしませんでしたが)


 動力はP&W J57-P-55 アフターバーナー付ターボジェット2基。
 同世代のF-100やF-102にも搭載されているので、当時はF-102の音速突破失敗は、スキャンダルに近い感覚だった事かと。




 F-4ファントム程に奇怪さを感じさせない機首は、20mm機関砲4門を機首に内蔵して開発され(A型)、B型では外されましたが、作り付けだった事が、まとまりが良さに繋がった思います。


   曇りの見えないキャノピーに、保守にあたるドイツ人気質を感じます。


固定式エアインテークのため最大速度はマッハ1.72に留まり、以前は無念に思っていましたが、現代のF-35がマッハ1.6なので、今は安心立命の心境に至りました。


   現代のジェット戦闘機と比べると単純ですが、頑丈そうな脚。



   左主脚収容庫


 世界の殆どの航空博物館や戦争博物館は「島国根性」で運営されています。イギリスやアメリカは違う様にも見えますが、敵製品は戦勝を祝い、自国を宣伝するトロフィーと考えた方が良いと思います。なのにドイツ、シュパイアーの技術博物館は、無関係(と思う)なF-101を収集したのでしょう。




 F-101を上方から見ると、主翼面積の少なさが実感できました。
佐貫亦男教授は「傘のお化け」とエッセイ「傘のお化け」で形容しましたが、言い得て妙と納得です。(「続・飛べヒコーキ」に収録、光人社NF文庫) 



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