Home  >  <ジョリー・ロジャースのご先祖様 ~F8編~>  F8F-1ベアキャット & F8U-2クルセイダー (エフトイズ&プラッツ 1/144)>特集 米艦載機>2026年5月号

特集 米艦載機

<ジョリー・ロジャースのご先祖様 ~F8編~>
  F8F-1ベアキャット & F8U-2クルセイダー
(エフトイズ&プラッツ 1/144)

  by  Windy Wing 2013

 アメリカ海軍の超人気部隊「ジョリー・ロジャース」のご先祖様探しもいよいよ終戦後に突入し、今回は<F8>ナンバーを持つ2機種を1/144で製作いたしました。

<エフトイズ ウイングキットコレクション Vol.3 1/144 グラマンF8F-1ベアキャット「第17戦闘飛行隊ジョリー・ロジャース」>


面白いことに、どこの国でも(敗戦国である日本でさえも)終戦前後に極めて性能の高いレシプロ機が開発され、それぞれが「遅れてきた傑作機」などと称されるようになります。例えば、イギリスの「ホーカー・シーフューリー」しかり、我が国の「三菱烈風」しかり、そして今回ご紹介する<F8Fベアキャット>もまた「レシプロ戦闘機の最高峰」として、インドシナ戦線で攻撃機として破格の活躍を見せた後、改造レーサーConquest Iは当時のレシプロ機最高速度記録を樹立しています。個人的には、これを達成したのが液令機ではない、というのがなかなか興味深く、21世紀に入ってこの記録を更新した「P-51Dヴードゥー」には別次元の改造が加えられている点で、ホモロゲーション風に言えば、本機とは直接比較すべきではないでしょう。



今回使用した素材はエフトイズの<エフトイズ ウイングキットコレクション Vol.3>からのものですが、同社のフィギュアがじわじわと値上げされてゆく一方で、べったりとまとわりつくような塗料が見苦しくなってきたころの製品です。しかし、一般にトイ・フィギュアは実機が小さくなればなるほどアラが目立つようになるものですが、本商品の場合は基本の造形や筋彫りにはまだシリーズ当初の<九七艦攻>や<九九艦爆>のようなキレの残像を見てとることができます。今回はこの名機を1946年から約2年間、オシアナ海軍航空基地(NAS)に所属していた「VF-17ジョリー・ロジャース」の機体として、機首に「スカル&ボーン」を描いたおなじみのシーブルーの姿で再現してみました。なおこの後、「ジョリー・ロジャース」のF8F-1/2は複数の飛行隊と所属空母を変遷してゆくことになりますが、1950年、ついに実戦に参加することなく、この「ジョリー・ロジャース」最後のレシプロ戦闘機は全機退役に至ります。

<プラッツ 1/144 チャンスボートF8U-2クルセイダー「第84戦闘飛行隊ジョリー・ロジャース」>


グラマンF9F-2パンサーから始まる「ジョリー・ロジャース」のジェット戦闘機史の中で大きなイベントのひとつとなったのが、1959年のVF-61解隊に伴うVF-84 Vagabondsの「ジョリー・ロジャース」と「スカル&ボーン」の継承です・・・と申し上げたいところなのですが、このVF-84は「ジョリー・ロジャース」の隊名こそ引き継ぎましたが、その使用機体である<F8U-2クルセイダー>にはどこにも「スカル&ボーン」をペイントせず、その「ジョリー・ロジャース」という名称とはなんの関係もない炎を吸気口周囲に描いているだけなので、一見、これが「ジョリー・ロジャース」部隊とは想像できない容姿となっています。この「スカル&ボーン」をアイコンにしなかった理由はよくわからないのですが、想像するに、元Vagabondsの連中が部隊の変属に不満を抱いていて、「愛機にどこの馬の骨とも知れぬ骸骨なんぞ画けるか」とばかりに、これみよがしに古巣のFJ-3Mフューリーみたいなストライプを施してやった、という感じがしなくなくもありません。



キットは1/144では毎度おなじみのプラッツ社製で、これも毎度同じことを書きますが、基本的には繊細でよくできたパーツ群ながら、例えば動翼の分割とか、主翼の折り畳み機構の再現とか、そういう遊び心がまったくないので、作っていてもあまり面白くありません。ただ、Profileのカラー図や空母インディペンデンス甲板上の写真(1959年10月)などで有名な割にはあまり取り上げられない「炎のジョリー・ロジャース」を極めて上質なカルトグラフのデカールで用意していただいた点については、これは手書きやデカール流用ではなかなか再現しにくい機体だけに、星をふたつ余分に差しあげてもよろしいかと存じます。

<プラッツ 1/144 F8U-2クルセイダー「第142戦闘飛行隊ファイティング・ファルコンズ」>


なお、本キットは2機分入りで、さらにバリエーション展開の都合もあってか、垂直尾翼フェアリング、背部バルジ、前部ウインドウ・シーカー、大小2種類の水平尾翼やAGM-12BブルパップAとLAU-33/-35/Aズニー・ポッドなど、<F8クルセイダー>ならばたいていの型式が作れる豊富な内容が同梱されています(ただし、組立説明書ではほとんど触れられていないので、使い方はユーザーまかせ)。もっとも、「VF-84ジョリー・ロジャース」の本機に関する塗装バリエーションは上記ひとつしかないので、今回はもうひとつ、「ジョリー・ロジャース」とは関係のないキット指定の「VF-142ファイティング・ファルコンズ」所属機を製作しておきました。



ということで、私の知る限り、1/144でマスプロダクトされた「ジョリー・ロジャース」の使用機は、機種としては今回で網羅できたように思います。今後、新たにF9Fパンサー/クーガーやFJ-3フューリー、あるいはF3Hデモンなどがこのスケールで商品化されたあかつきには、また「ジョリー・ロジャース」のご先祖様探しを再開することにいたしましょう。



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