Home  > Ur-Leica(1/1フルスクラッチ紙模型・額装版)<フルスクラッチビルド&ソリッドモデル<2026年6月号

フルスクラッチビルド & ソリッドモデルの製作

Ur-Leica(1/1フルスクラッチ紙模型・額装版)

  by TOSHI

 10年あまり務めたツァイス財団から1911年にライツ社に移ったオスカー・バルナック(1879~1936)が1913年から1914年にかけて製作した「ウル・ライカ」の1/1フルスクラッチ紙模型です。精密機械工として入社したライツ社ではすぐに映画および測定技術の開発責任者に就任しています。写真撮影を趣味にしていたものの喘息の持病もあり当時主流の重くて大きなカメラ(5x7インチ版)の運用が困難でした。1912年に映画用35フィルムの1コマ分(18x24mm)での試作をしたものの当時のフィルムでは満足な画質が得られず、翌1913年に2コマ分(24x35mm)を用いるカメラを2台製作しました。自身はその小ささから「リリパット」という愛称で呼んでいた「ウル・ライカ」ですが、ライカだけでなく後の多くの小型カメラの先祖と言えます。

 いつもは複葉機中心に飛行機を作っていますが、50年以上写真撮影を趣味にしていることもあり、紙模型の題材に選びました。 


ネオジム磁石で脱着式のカバーを付けた台紙に同じくネオジム磁石で固定しました。


カバーを外した状態です。折りたたんだファインダーを横に配置しました。


背面に鉄板を仕込んでいますので、台座から外すことができます。

沈胴式レンズですので、携帯時は一枚の板のようです。


実機はフィルム巻き上げ時にレンズ先端の蓋を閉めて、撮影時には開けます。また折りたたみ式のファインダーを付けるので模型でもそれを表現しました。ファインダーを付けるアクセサリーシューは現在も基本的に同じ構造です。


レンズを撮影位置まで引き出しています。


巻き上げダイアルと同軸のシャッターボタンや左右のアールなど、手で扱う道具としての完成度が高い造形かと思います。紙製の模型なので重さは実感できませんが、後にオリンパスの米谷技師が小型一眼レフを設計する際に目標としたフォルムなのは実感できます。

製品としてのライカカメラが発売されるのは1925年になりますが、技術史を振り返るためにライカ1型も紙模型のラインナップに加えようと計画しています。5月号の「潜水艦」に引き続き飛行機以外の題材ですが、今年は更にもう少し紙模型の題材の幅を広げてみたいと思います。


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