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 米海軍現用機シリーズ No.4
ボーイング F32   (タミヤ イタレリ 1/72)   

by 横田の角さん        /



 またまた、お目にかかりました 横田の角でございます。
 助さんは先月、「最新鋭機というのはブスでございますねえ。」と のたまわっておりましたが、確かに。今月とりあげるF32などは ブスの筆頭に上げられるかもしれませんですね。
 なんせ、F35と21世紀の次期攻撃戦闘機の座を争って、あまりの不細工さと奇怪な格好に 即、オーディションで却下されたくらいであります。
 ボーイングの設計陣も 全く新しい発想によるデルタ翼デザインを採用したと胸をはっておられますが、よっぽど 変わった趣味の方々がそろっていたのでございましょう。 お世辞にも格好が良いとはいえない外形であります。
 まず、機首のあごがはずれたようなエアインテークがいけません。これを斬新なスタイルという大人の言い方もありますが、まるで魚のサケのお口でございますね。 
 このあごの突き出しはボーイングの言い分によりますと 低速時の吸入量確保とエンジンファンのレーダー反射を抑えるというフレコミでありましたが、効果が薄かったのか 後日 完全に”あご”をとりはずされ、単純なザンギリ型インテークに変わっております。 
 おたまじゃくしのような太い胴体に、こうもりのような高翼配置の厚いデルタ翼も奇怪至極であります。 これも後日、量産型では このデルタ翼を放棄し、通常の後退翼と水平尾翼となる と発表されており、やはり 美しくないものは、性能もイマイチということだったのでありましょう。




 さてさて、タミヤイタレリのキットはCDA概念実証機の A型CTOL型をキット化しております。フライングが得意なイタレリ様でなければ、発売していただけなかった機種でありましょう。
 海軍用C型(CV型)との外形の相違はほとんどなかったはずです。よって、今回のモデリングに際しては、その解釈で 「海軍実戦配備機」を完成させていただきました。 
 横須賀を母港としたUSS MIDWAYに艦載されると さもありんというお姿。VFA-195のイーグルヘッドとNFの2文字が、ご隠居様の葵の印籠のようでございます。
「えーい ひかえおろう、頭が高~い」
ってなわけで、製作にまいりましょう。




■ コクピットと胴体の製作

 胴体は上下分割式で 全面スジボリのパネルラインです。想像の産物のいいかげんなパネルラインでありましょうが、最新鋭機ゆえ、秘密のベールで、実態がわからず、無視いたしております。
 コクピットはいたってシンプルで、バスタブに計器板とTVゲームの操縦スティック桿をつければいっちょう出来上がりです。
 計器板は、3個の大型フラットパネルをプラ板で作り、貼り付けておきました。F-18Eのコクピット写真があれば ほぼ同じなので、参考になります。エアインテークA7とA8の内側を白に塗り、仕込んでおきます。おもりは結構必要です。 尾部の可変式排気ノズルは2枚の板になっていますので、お好きな方向に向けておけます。 
胴体と一体となった高翼主翼の後縁はダルいので、薄く、直線に決めてやりましょう。 胴体右の爆倉ハッチは 主脚部と干渉しそうだったので、閉じておきました。一つ疑問なのは、このレイアウトでは どうやってミサイルの搭載作業をするのでしょう? 主脚柱にブチあたりそうで、作業し難いこと この上無しでございます。



■ 塗装

 実機写真では、やたらにパネルラインの継ぎ目が汚れているので、今回は 多少、グラディエーションをつけてみました。
  まず、全面を1000番のサフェーサーで下塗りします。
 下面はパネルライン上に まず、ダークグレーを吹き付けます。パネルの中を中心に FS36375グレーを吹き付けています。(下写真)
  上面は同様にFS36375グレーを吹き付けた上で、パネルラインの後部をテープでマスキングして、前部にこのグレーを少し明るくしたグレーを吹き付けて、調子を整えています。
 舵面など可動部には、ローアンバーの油彩でスミを入れておきますと、自然に見えます。


下面のグラディエーション塗装
 

上面の塗装





■ マーキング

 お楽しみのマーキングですが、
冒頭に書いたように 横須賀を母港としたUSS MIDWAYのVFA-195のイーグルヘッドとNFの2文字にしたかったので、デカールをストックからあさった結果、ハセガワF-18ホーネットから流用しております。
 シックなグレーのマーキングですが、機首と翼などのモデックス 「101」だけは ブラックです。 この辺りは 作法ということでして。全体のツヤを整え、デカール保護のために、半ツヤケシクリアを 吹きつけて塗装は完了であります。 
 脚類はキットのままで充分でしょう。流用される方は 前脚はA4スカイホーク、主脚はA6イントルーダーから もぎとってきてください。
 残念なことに、着艦フックの場所が不明で、つけれておりません。射出座席は MIDWAYの時代の艦載機であれば、当然、マーチンベーカーでしょうということで、メタルのシートをおごっています。
 機首のピトー管とテスト管は実戦機でははずしております。




■ 完成

 ということで、無事 MIDWAYの実戦配備機が完成いたしました。
太っちょのA7コルセアが配備された時も不恰好と言われましたが、今では格好よく見えるのも、長い間に 目が馴染んだということでございましょう。 果たして F32は目に馴染むのでしょうか?
 今月はほんのお口汚しでございました。ボロが出ないうちに この辺りで失礼つかまつります。横田の角でございました。




Vol.4 2009 May.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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