Home > グラビア > 目次> 前テーマ>  連載 ソ連戦車 第4回 T-34/76 42年型   (タミヤ 1/35) >次テーマ

連載 ソ連戦車 第4回
T-34/76 42年型   (タミヤ 1/35)

                                                     by タンクダンク

  この連載は ソビエトの戦車を 毎月1機種ずつ、楽に作れるキットを選び、できるだけストレートに製作して12台コレクションしてみましょう!というコーナーです。  第4回は T34/76 42年型。 誰でも知っているタミヤの傑作キットです。
■ 実車について
 ソビエトの中戦車のとして、第2次大戦中の1942年 、独ソ戦に登場し、ドイツ軍をあわせたせたのが T-34 である。
 42年型は 小さめの鋳鋼製砲塔が特徴で、レニングラード、キロブ工場製では前面傾斜装甲板が追加されている。
 
 
 主砲は 76mm砲で 1600mの距離で54ミリの装甲板をぶちぬく威力を誇っていた。構造はスラブ合理主義の産物で、キャタピラの連結ピンに留め金も割りピンもついていないという有名な逸話がある。砲塔も砂鋳型ではなく、「チル工法(一種のダイキャスト製法)」で作られていて、ぶこつだが、兵器としては超一流であった。



■ タミヤの キットは
 T-34シリーズの1番バッターとして1975年に発売されたキットであるが、スタイルが抜群。もちろん MMでいまだに現役である。鋳造砲塔の鋳造肌のモールドもたくみに表現されていて、このT-34で確立した感がある。  ロードホイールのゴム部の穴と切れ込みが入ったモールドも素晴らしい。また、フェンダーのへこみまでモールドされていて戦場で使われた感じをよくだしている。 
もと、モーターライズだったものをMMとしているので、車体下部などに 穴が残っているが、良しとしよう。
 



■ 製作
 車体下部はロードホイールのランナー跡ををペーパーがけで丁寧に消せば、あっというまに足回りはできあがる。
 車体上部は、手すりをシンチュウ線で自作したが、強度が上がるのでお薦め。ライトの配線はモールドされている。KIROV工場製としたので、前面装甲板をとりつけた。この場合は、先に車体銃をとりつけておく必要がある。順序を誤ると後ではとりつかないので、注意!
 後部の排気管はナイフで少し深くえぐっておいたほうがいい。 
 筆者は全ての部品をとりつけてから、塗装するようにしているので、シャベルも含めて、とにかく説明書にある部品を全て接着してしまう。
 へこみまで表現された後部燃料タンクは42年型はほとんど装備していない。だから、箱絵にもかかれていないのである。その場合、車体上部の燃料タンクとりつけ穴を埋めるか、毛布でもとりつけなければなならない。今回はあえて 燃料タンクを追加装備してみた。
 砲塔は部品も少なく、あっというまに組みあがる。主砲のパーティングラインだけはきれいに消しておこう。その際に いびつにならないように真円に。(これが意外と難しい) 
 今回はKIROV工場生産型としたため、砲塔の手すりはつけていない。
リアフェンダーと砲塔のアーマーシールド部分に若干スキマができるので、気になる人はパテで埋めてほしい。

側面形


車体後部のディテール


前面の追加装甲板ディテール


塗装   ウエザリング
 シンチュウ線で追加した手すりは グンゼのメタルプライマーで忘れずに塗っておかないと、ウエザリングの時に塗料がはがれ、痛い目に逢う。
 今回はタミヤパテをグンゼシンナーで薄めて、溶きパテを作り、筆でタンク、排気管カバー、道具箱類など、つるつるとしたモールドが残っている部分にはもれなく塗っておいた。そうしておくと、プラスチックぽさが消えて 鉄肌のざらっとした感触を表現できる。筆者はキットの表面モールド状態により、全面に溶きパテを塗ったりもする。

下塗りは グンゼのNo42マホガニーにツヤケシ黒を加え、タバコライオンをツヤケシ剤代わりにして、少し薄めに溶き、筆でスミや影になる部分、キャタピラやホイール裏も含めくまなく塗っておく。
この色が影の表現になる訳だ。
 
上塗りには グンゼ特色のロシアングリーン2を使い、エアブラシでスミの下塗りのこげ茶が残るように吹いて行った。

ロードホイールのゴムは ツヤケシ黒にグレーを混ぜて筆で最後に塗ったおいた。
 油絵の具のローアンバーで全体をウォッシングし、ところどころ、バーントアンバーやエナメルのハルレッドで錆び汚れを書き込んで強調している。
ドライブラシは白くなりすぎないように注意しながら、エナメルのグリーンとサンド系を混ぜて軽くドライブラシしている。
砲塔の車体ナンバー64はキットデカールからで、後部のスローガンは 「祖国のために」という意味である。
落ち着いたら、保護のために、つやけしクリアーを吹きつけておいた。
キャタピラは見える部分に黒銀でドライブラシをかけている。






完成    
ストレート作りだと、塗装も含め、実働 2日くらいで完成するが、それでも写真のような仕上がりにこぎつける。
これは、タミヤのこのキットの持っている力だと思う。
今月は T-34の42年型を楽しんでみたが タミヤからは 43年型、T-34/85とバリエーション展開されているので、来月は 引き続き43年型にチャレンジしてみたい。 


Vol.5 2009 June.        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」

TOTAL PAGE