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連載 48JET傑作機 50選 (第3回)
F104C スターファイター (モノグラム 1/48)

by 田口 博通 Hiromichi Taguchi       

 第3回目のお題は アメリカの ロッキードF104C スターファイターです。 モノグラムから凸パネルラインではあるが、かなりいい感じのC型のキットが発売されています。ハセガワの48キットもいい出来ですが、そちらは自衛隊F104J用に取って置くことにして、今回は 在庫消化を兼ねて モノグラムを選んでみました。
 
 モノグラムの48は発売はずいぶん前ですが、スタイルのとらえ方がうまくて、ストレートに組んでも、出来上がると写真のように、実感たっぷりで、古いとはいえ、十分満足のいく作品ができます。
 部品点数は72点でそう多くなく、組み易いし、脚まわりが秀逸で さすがモノグラムと思わせる片鱗があります。
 また、胴体後部がはずれて、エンジンのアフターバーナーパイプを見られるようになっていて、エアブレーキも開閉選択式です。 ガトリングガンのアクセスパネルも取り外せるようになっていて、キャノピー後部も開閉選択式で、電子装置が見られるようになっていて、サービスたっぷりです。 当然とはいえ、翼端燃料タンクとサイドワインダーが選択式。また、空中給油パイプの部品が付属しています。
実機について
 
 ロッキードF104は 最も有名な超音速戦闘機の一つです。
長い、細い胴体と 短くて小さい主翼が特徴的で、「最後の有人戦闘機」といわれた時期もありました。 J79エンジンを搭載し、マッハ2級の速度を誇ったが 格闘性能は今一つとも言われています。小型、軽量はいいのだが、あまりにコンパクトで、全天候攻撃用電子装備を搭載できず、航続距離も短かったようです。
 アメリカ空軍では、F104Cは TAC(戦術航空軍団) 第479TACに配備されています。
 南ベトナムには 1965年に展開し、ベトコン陣地攻撃や非武装地帯を爆撃するB-52の上空援護に使われたが、対空砲火により3機が撃墜されています。航続力が無いため、北ベトナムまでは進出できず、MIGと戦う機会は遂にありませんでした。



[製作の注意]

 キットは おなじみオリーブドラブ色のモノグラム特有のプラで成型されています。 パネルラインは凸ラインだが、細いので、彫りなおさず、そのままとして、主翼のリベットを追加して打ち込んだのみだが、全然気になりません。

 コクピットは毎度のバスタブで、計器パネルと操縦桿をつけると終わりです。シートも簡素だが シートベルトのモールドもあり、塗装するだけでも、結構いい感じになります。内部はダークガルグレイで塗装し、黒、銀などで塗り分けておきます。

 胴体はかなりのおもりが必要なので注意。
レドームの中だけでなく、コクピットの後ろなどに 釣り用錘を粘土でつめこんでおきました。
(写真1) コクピット
 
 胴体前部は上下分割式で、テールパイプと一体となっていて、胴体後部の方は左右分割式となっています。このため、段差がついたり、ゆがまないように注意を要します。ここさえ 決まってしまえば 終わったようなものです。

  (写真2) 胴体前部 エンジンテールパイプと一体となっている



  いずれも、接着面の整形時に表面モールドを再生するのは大変なので、傷つけないようにマスキングテープで保護してペーパーがけをするとよいでしょう。
 
(写真3) 胴体前部の継ぎ目の整形

 
(写真4) 胴体後部の継ぎ目の整形


 エアインテークの形状はいい感じですが、胴体との接合部に隙間ができないよう、パテで埋めて、平滑に整形しておく必要があります。 
 
 機首のピトー管はシンチュウパイプで自作し、瞬間接着剤で接着して、パテで形状を整えておきました。

(写真6) 機首ピトー管は しんちゅうパイプで自作

(写真5)エアインテーク接合部はパテうめして平滑に



[塗装]

 

 塗装はベトナムの三毛猫迷彩としたので、
下面は オフホワイト FS36622
上面は グリーン   FS34079
     ダークグリーン FS34102
     ブラウン   FS30219
全て グンゼの特色を使っています。

 下面から塗装しますが、グラディエーションをつけて 表情を出さないと、48では間がもたないため、 パネルライン上に ブラックグレーを吹き、各パネルはそれを残しながら、パネルの中に オフホワイトをエアブラシしました。

(写真7)下面塗装

(写真8)最終的に下面塗装はこんな具合になる。


 上面の3色迷彩は マスキングせず、フリーハンドのエアブラシの吹きっぱなしで 塗り分けています。

 スミイレはローアンバーの油彩を薄く溶いて全体に流し、よくふきとります。可動舵面は濃い目のものを使っています。
 マーキングはキットデカールを使って、機種にSmoke-Ⅱのパーソナルマーク入りです。
 周囲を切り取り、落ち着いたら、ツヤケシクリアーをスプレーして 全体のツヤを揃えておくと、デカールのテカリも防げます。 

(写真9) 上面 3色ベトナム迷彩塗装はエアブラシのフリーハンドで行っている。


(写真10)デカール、スミイレ、ツヤケシクリアーコートが完了したところ

[脚、脚カバーなど]

 (写真11)のように 前脚庫横のエアスクープには濃い目のスミイレをしておけば、実感が高まります。
 車輪、脚などはパーティングラインを丁寧にとってやりさえすれば、それだけで秀逸な出来になります。
 脚庫内は シルバー塗装にしています。
脚カバーはイモづけなので、のりしろをプラ板で作って 補強しておけば丈夫です。

 風防は枠をつやけし黒で下塗りした上に、上面色を塗るようにすると透けません。(写真13)
 後部風防がオープン状態にもできるようになっていますが、フォルムがくずれるので、今回は閉めてしまいました。
 翼端燃料タンクはフィンを薄くしておきます。取り付け角度に注意してとりつければ 完成!

 完成してみると 実にいいフォルムで、やはり アメリカ機はモノグラムに限りますね!!
(写真11) 前脚

(写真12)主脚
(
(写真13)









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