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ダグラス A-3B スカイウオーリア (ハセガワ 1/72)   

by 厚木の助さん        。


 1ヶ月のご無沙汰です。厚木の助でございます。
 なんでも、横田フレンドシップデーにF-22ラプターがプレゼンに乱入してきたとか、横田の角さんが興奮しておりました。みなさんも 写真を撮りに行かれたでしょうか。オバマ政権になり、米国での追加調達の道が途絶えたとのこと。やはり、秘密のアッコチャンを日本に売ってくれるのでしょうかねえ、それとも 既に時代遅れ?だから 極東で公開したということでありましょうか。
 一方 厚木近辺は相変わらずの暑さです。飛行場と新公園の間の道路は風通しもよく、ピクニックがてらの
撮影にはもってこいであります。最近は 艦載機の飛来も少なく、海自のP-3Cが毎日 地味にお勤めを果たしているようであります。
 
さて、今月のお題は 米海軍重攻撃機 A-3Bスカイウォーリァ。 ハセガワから98年に1/72のそれは素晴らしいキットが発売されました。
 それまでは インジェクションでは1950年代に発売されたレベルの1/84しか世の中に存在せず、ずーと不遇だった機種でございます。小生、実はレアプレーンのVQキットも持っております。もちろん、プラ板のまま 朽ち果てようとしております。
ハセガワからは A-3Bの他、KA-3B, EKA-3Bとバージョン替えも含め、3種類くらい出たようです。
今回製作したのは、ごく初期のA3D-2(A-3B)バージョン。 長い空中給油棒が機首左に追加される前の型であります。
 この初期型は東西冷戦のさなか、核爆弾を腹に抱き、重攻撃機として、常にアラート臨戦態勢に望んでいたのであります。結局、実際に使う機会がなかったのは 本当に幸運と言わざるを得ません。アブナイ、アブナイ。



■ 実機について

 A3D-2(A-3B)は量産型艦上重攻撃機として164機が生産され、実戦配備されております。後に 85機が KA-3Bに、39機がEKA-3Bに改造されています。米海軍初のJET重攻撃機であるA-3は、当時の核爆弾のサイズ上、直径66インチ(1.676m)までを搭載する大型の爆弾倉を持つ、双発機として開発されております。
 開発時に想定された唯一の任務は レッドボタンが押されると、敵地奥深くにある戦略目標に対し、敵地近くまで進出した空母から発艦し、戦略核攻撃を加えるという危ないウエポンシステムとして開発されたのであります。

 初飛行は1952年。当初装備したJ40エンジンの信頼性が低く、初期テストに大変時間がかかっております。
 量産型A3D-1(A-3A) 38機はJ-57を2発装備して無事1955年(昭和30年)から納入開始され、改良型A3D-2(A-3B)は1956年から61年にかけて引き渡されました。要するに、スカイウォリァは昭和30年代の冷戦で活躍した飛行機なのであります。
 A3D系列は長距離を侵攻する機種でありますが、以外なことに 副操縦装置を備えておらず、パイロットは1名で 侵攻から退避、着艦まで一人でこなします。重労働であります。コクピットは3人乗りで、前列左側がパイロット。右側が爆撃士です。後ろ向きに座っているのが、ナビゲーター兼ECMオペレーター兼ガンナーであります。実は初期型には尾部にリモコンの20mm連装機関砲が装備されていたのであります。お忙しいこと。
 A-3の実戦部隊配属は1956年から、大西洋VAH-1、太平洋VAH-2を皮切りに開始されております。日本にも 飛来しており、1968年の北朝鮮沖のプエブロ事件ではレンジャー、エンタープライズに搭載されて、よく厚木にも飛来していたそうです。 今から考えてみれば、事がこじれれば、戦術核で北朝鮮をたたくことを想定していたことがよくわかります。そうなれば、日本も無事では済まなかったことでありましょう。平和ボケ日本人は「知らぬが仏」ということでありましょうか。
 大型の機体サイズを生かして、電子戦機にも発展し、ご隠居さんによれば NF印をつけた、ボンノムリチャードの VAQ-130のEKA-3Bも1970年に厚木に飛来したそうであります。 


■ 製作

■ コクピットと胴体

■ 主翼とエンジンポッド

 コクピットは 12点のパーツからなっております。キャノピーごしに結構よーくみえますので、全体はダークグレー、インストパネル類は黒つやけしにデカール貼りで表現。3座のシートはシートベルトを板鉛で追加して、ヘッドレストを含め、丁寧に塗り分けてやる といったところで、勝負しておきした。
 胴体は各ハッチ類が別パーツになっているので、先に接着するようにしておきます。爆弾倉ドアも別パーツとなっていますが、なんせ抱いているものが核爆弾のため、爆弾倉を開けたまま飛行することはありえませんので、ここもしっかり閉めちゃっておきます。
 大型機のため、主翼はスパンも長く、上面パーツが胴体上面も含め左右一体パーツとなっているのは、下半角がきちっと決まり、ありがたい配慮です。
薄い主翼なので、上下パーツ接着時には変形やゆがまないように、本の間などで挟むとか、重しをするなど 工夫は必要であります。
今回製作したのはA-3Bの中でも初期型なので、主翼前縁のスラットのうち内翼部分のモールドをパテで埋めております。
 エンジンポッドは左右分割式で、合いもよく 楽に決まります。ファンは銀で排気パイプは黒銀で塗って仕込んでおきました。


■ 塗装

■ 脚など

■ 完成した佇まい

 サフェーサーで下塗りし、グンゼ特色を使用し 上面ガルフレー、下面ホワイト。舵面ホワイトに塗り分けております。
最近はホワイトの色味をきちっと出すため、ガルグレーを先に全面に塗るようになりました。 主翼前縁、尾翼前縁もテープでマスキングしてきちっとシルバーグレー、つやけし黒などで塗り分けておきます。エンジンポッド前縁のレッドもアクセントなので、できるだけ直線にぴしっと塗り分けるほど男前があがって参ります。今回はデカールを貼った後、クリアーをかけてツヤツヤにしておきました。最後に、舵面など可動部を中心にスミイレをして、べたっとした機体にアクセントをつけてまいりました。
 脚まわり、脚収納庫、脚カバー内部モールドなど 魅力的な出来であります。国産キットも かなり、モノグラムの水準に近づいたもんだなあ と感じ入ります。
 キャノピーは透明度もよく、胴体曲面によく合いますが、後部の削り合わせはちょいと慎重に行うことが必要です。
 機体各部のアンテナ、燃料排出パイプなどチマチマとつけて 出来上がりとなりました。
 さすが、双発のため圧倒する大きさです。海軍実戦配備機としては最大級ではないでしょうか
 後期型の空中給油棒をつけたバージョンの方が見慣れているので、前期型の空中給油棒がないのも 新鮮な感覚ではあります。もっとも、人によっては アレッという顔になりますが。
 保管場所が許されれば、KA-3B、EKA-3Bも並べてみたいものでございます。さぞや 壮観でありましょうね。
厚木の助でございました。それではこのあたりで失礼つかまつります。








Vol.8 2009 Sept..        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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