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ダグラス A-4F スカイホーク (ハセガワ 1/72)   

by 厚木の助さん        。


 1ヶ月のご無沙汰です。厚木の助でございます。先月はA-3スカイウオリアでございましたので、今月は当然 A-4スカイホークだろうと ご隠居さんから ちょいとサグリを入れられておりました。果たしてその通り。A-4Fでございます。  それも、古いハセガワ1/72で行ってみたいと存じます。今では、フジミ1/72の決定版も入手できますので、「なんで?」と問われると苦しいのですが、ここでハセガワを出しておかないと、登場機会が無いものですから。 フジミのスカイホークシリーズはA-4BからM型まで揃っておりますので、そのうち、「束にしてかかって来やがれ!」 で 取り上げて見たいと存じます。今回は ご容赦ください。



■ 実機について

 ダグラスA-4スカイホークは米海軍が1950年始めに 本格的な主力艦上攻撃機として開発を始めた機体でありまして、設計は実用機を作らせたらピカ一といわれた名設計者 エド・ハイネマンによります。ロッキードスカンクワークスのクラリスケリージョンソンを一方の天才設計者としたら、対極にある名設計者といえましょう。
 ハイネマンの構想により、小型核爆弾を積め、阻止攻撃作戦に使用できる機体として、最大重量13.6トン以下の小型、軽量、単発の機体設計が進められました。 製造コストが大型攻撃機の実に1/3と経済的。A5ビジランティに比べると、いわば軽自動車であります。小型でコクピットが狭く、まるでレースカーのような乗り心地から ハイネマン ホットロッドと呼ばれました。
 54年6月にXA4D-1が初飛行しております。量産機はA4A,B,C,Eと発達し、A4Eは496機が生産され、ベトナム戦前に一度、めでたく生産が終了しました。

 
 しかし、ベトナム戦で 対空小火器により、バタバタと撃ち落とされ、多量の損耗により、機数不足となり、 1966年、発達型であるF型の生産が開始され、146機生産されております。翌年から 計11個のVAがA-4Fを装備いたしました。
 F型はアビオニクスなど電子装置の強化を計り、パンプバック型の背中の膨らみに収めました。また、前輪のステアリング装置がやっと追加され、地上走行の不便さが解消されました。
 フラップ上面のリフトスポイラーが追加され、運動性能が向上しております。その理由は北ベトナムのSAM制圧のアイアンハンド作戦に多く使われるからでありました。アイアンハンド作戦とは自機を囮に、隠されたSAMサイトからSAMを撃たせ、撃たれた瞬間にチャフを放出して パっとツバメ返しに切り替えしてポップアップいたします。一目散に逃げるかと見せかけておいて、急降下、必殺の空対地ミサイルをお見舞いするという逆襲作戦であります。肉を切らせて骨を切る、そのために軽快な運動性能が必要なのでありました。
 
 それでも多大の損害を出しまして、ベトナム戦後には 実に少数しか残存しておりません。
 生き残った幸運な機体は本国で、軽快な操縦性を生かしMIG21をシミュレートしたアグレッサーとして、トップガンスクールでご奉公をしております。 トップガンスクールとは実機を使ったコンバットゲームセンターでありまして、実戦部隊で選抜され送り込まれたファントムのトップガンでも一人前になるまでには A-4教官機にに何度も撃ち落されたようであり、これでは 実戦ではいくつ命があっても足りません。 
 このA-4Fも損耗の多さから、1968年からA-7コルセアの実戦配備が始まると 部隊勢力を減少して行き、1975年には現役部隊から引退いたしました。
 スカイホークは更に海兵隊のA-4Mに発展し、1970年から生産が始まり、M型は岩国でもよく見かけられております。基本設計が良い機体は、改良しながら、息長く使いまわせるという好例でありましょう。



■ ハセガワのキットについて

 ハセガワのA-4E/F 1/72は1970年に発売されまして、40年経った今も現役のキットでございます。一見よく出来ているように見えますが、どこかスマートなスタイル。それもそのはず、オバカなバツがあって、それは胴体が7mmくらい長いのです。実機の胴体長を給油プローブを含んだ長さで誤解したことによるようであります。 後で発売されたTA-4Jよりも胴体が長いのは昔でしたらシャレになりませんが、今ではフジミ1/72決定版も出ていますので、40年前のミスは時効として許してあげましょう。 斜めから見る分には気になりません。



製作

■ コクピットと胴体

■ 主翼

コクピットは非常に狭いので、ダークグレーに塗り、サイドパネル、計器板を組み込んでも、パイロットを乗せるとさっぱり見えなくなります。パイロットはモノグラムからトレードしてまいりました。
機首が小さいので、おもりを詰め込む場所がない、といっておもりが足らないとシリモチをつき痛い目に合いますので、シート後部にも少し詰めてさしあげましょう。シート上部にはカーテンリリースを0.3mm金属線で追加して、黄色と黒のダンダラ模様で塗っておきます。
 胴体のエアインテークのフィッティングは慎重に仮組みをしながらスリあわせをしておくと、結局はきれいに仕上がります。何事も事前のすり合わせが必要なのは政治の世界だけでなく、プラモデルも同じでございますね。
胴体は長めですが、修正は潔くあきらめましょう。長めを眺め、あきらめも大事。
 翼関係は主翼上のリフトスポイラーのモールドもあって、非常によろしい。(同じハセガワの48ではE型をメインにしているので、F型とTA-4Jでは自分で加工の必要がございました。)
主翼上のボーテックスジェネレーターはモールドの関係で厚めなので、カッターナイフで1/3くらいに薄く削ります。眉をキリリと剃るようなもの、これで男前が多少違うのでございます。





■ 塗装

■ 脚など

■ 完成した佇まい

 上面ガルグレー、下面と動翼 が白
の標準塗装であります。
脚庫内 白、脚カバーのフチ 赤。
エアインテーク入り口 赤。アレスティングフックが黒白の縞です。各翼の前縁は抑えたシルバーとしております。この キットのポイントはキャノピーの塗装で、可動部の一部が胴体側にモールドされているので、それとキャノピー後部が一体に見えるようにする必要があります 。デカールは USS HANCOCKの懐かしいものを貼らせていただきました。
 前脚にはサイドの油圧バーを追加しておきます。オレオはアルミ箔を貼り付け キラリ☆
各所のアンテナを金属線で丁寧に追加して行きます。ハンプバック上のライトは透明赤部品をおごりました。機首左側(300のモデックスの上)の全温度センサーも追加しておきます。これらの追加も楽しみの一つであります。20mm機銃はシンチュウ線とパイプを組みあわてキラリと作り直してあります。
給油棒もアクセントの一つなので、先端を丁寧に塗装しておきます。
 攻撃機とはいえ、今回は爆装をせず、あえてクリーンのままといたしました。
長い足元がすっきりします。
 スマートなたたずまいは 軽自動車というよりは、レーシングカーのようであり、小粒でもキラリと光るハイネマン ホットロッドでありました。 





Vol.9 2009 Oct..        www.webmodelers.com          Office webmodelers all right reserved   無断転載を禁ず  リンクフリー
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