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メッサーシュミットBf109G-2/Trop

小柳 篤司    コヤナギアツシ       . 
実機について
第二次大戦ドイツ戦闘機の代表、メッサーシュミットBf109は各型合わせて3万機以上生産されましたが、写真の機体はロンドンの空軍博物館に展示されている現存する唯一の熱帯地仕様Bf109G-2/Tropです。

この機体は1942年9月にライプチヒのモッカウ工場で製造され、1942年10月にドイツ空軍に引き渡され第77戦闘航空団第3飛行隊(III/JG77)に配備されました。1942年11月ドイツ軍のリビア撤退時に破損状態のまま放置され、11月13日にオーストラリア空軍に鹵獲されました。尾翼、尾輪、キャノピー、プロペラ等が破損し、計器、無線機等も失われていましたが、飛行時間が10時間以下と推定されたので飛行可能に戻す為に尾翼、尾輪、キャノピー等をBf109Fの残骸から流用、プロペラを修復して15日に再び飛行しました。イギリス空軍で1945年の終戦迄、各種評価試験に使われていましたが、終戦後は飛ぶ事無くイギリス各地の保管場所を転々としました。
 1972年から19年の歳月を掛けて修復され、1991年5月17日に再び空に舞い上がりました。空軍博物館に引き渡される直前の、1997年10月12日に不時着事故を起こした後、静態保存にする為に再び修復開始され、2002年5月からロンドンの空軍博物館に展示されています。

 

●参考資料●
ブラックシックス―英国上空を翔るグスタフの翼 (大型本)
ラス スナッデン (著), Russ Snadden (原著), 川村 忠男 (翻訳)
価格:¥ 3,990
大型本: 176ページ
出版社: 大日本絵画 (2003/05)
ISBN-10: 449922800X
ISBN-13: 978-4499228008
発売日: 2003/05
商品の寸法: 25 x 20.8 x 1.6 cm

撮影時期:2009年2月16日(月)
撮影場所 :ロンドンRAF博物館
    http://www.rafmuseum.org.uk/london/index.cfm

(写真1) 側面
ほぼ真横から撮りましたが標準レンズは中央部が強調されて映るので、写真が正確な形状を捉えているとは限りません。


(写真2) 機首上面
エンジンカウリング上面の機銃弾道溝が見えます。


(写真3) 主翼上面
G型(グスタフ)の特徴の一つは翼上面の膨らみですが、この機体には見当たりません。


(写真4) 前部胴体


(写真5) 主脚
ホイールハブのカバーが無い為にF型以前と同様、スポークが見えます。


(写真6) 主脚収納部
主翼前縁に車輪サイズが記入されています。
脚収納部内のキャンバス張り部にファスナーが見えます。


(写真7) 機首
熱帯地仕様の特徴、サンドフィルターが見えます。


(写真8) 後部胴体
不時着事故時に転覆し垂直尾翼を潰しましたが、見事に修復されています。


(写真9) 尾輪
水平尾翼下の胴体側面に皺が見えますが、恐らく事故の跡でしょう。


(写真10) 主翼付け根
フィレットの形状とラジエターフラップ内側が見えます。


(写真11) キャノピー
キャノピー側面の窓が後方にスライドしています。


(写真12) 主翼
後方から撮っても翼上面の膨らみは見当たりません。


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Vol.10 2009 Nov.        www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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