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懐かしのB級キット(第1回)
F4Fワイルドキャット (アオシマ 1/72)

by 田口博通 
  玩具から始まったプラモデルが ギミック路線か、それとも 全く動かないけれども精密なモデルの方向に行くか メーカーによって多様性に溢れていたのが 1960年台でした。
 
 当時から、精密というには?がつくけれども ギミックが面白いプラモデルを日本メーカーが多く発売していました。エルロン、方向舵可動は当たり前、というか それが当たり前のトレンドの時代だったともいえます。学校前の文具店でプラモデルが売られていることも多く、箱絵が魅力的でショーウインドーに釘付けになり、学校帰りに店の前の道路で座り込んで、プラモを作った経験のある読者も多いはず。小学生の遊びの一部として当たり前にプラモデルがあり、今からは想像も出来ないプラモ黄金時代だったと思います。
 
 金型精度が追いつかず、可動部がガタガタで、細かいディテールは?が二つくらいつくが、デッサンはなんとなく実機の雰囲気を再現しているという今でも捨てがたいキットが多くありました。既に絶版になっているものが多いのですが、幸い、その中には今でも生き残って現役のプラモキットもあります。
 今回から始まったこのシリーズは そんな 懐かしいB級キットを取り上げて行こうという連載です。形状とか デイテールを求めるならば、後発の決定版を購入すればいいわけで、ディテールの修正などをせず、オリジナルの雰囲気を壊さず、完成を目指したいと思います。
 第1回目は アオシマの1/72 精密シリーズから F4Fワイルドキャット。主翼折りたたみとキャノピーが可動。今でも現役で模型店の棚に並んで販売されています。

主翼のエルロンが可動し、後方に折りたたみが可能という 最強ギミックでした。


 箱絵は 初期型のイエローウイングとなっていますが、説明書の指定塗装は 上面ブルーグレー、下面ライトグレーの2色迷彩。つまり、画面左上の小さい方のワイルドキャットでした。 

説明書 1枚片面で全て記述されており、シンプルなもの。

製作

  キットは細かいディテールとは無縁ですが、、エルロンとキャノピーが可動、主翼が後方折りたたみとなっていて、可動については少々凝り過ぎともいえます。
 まず、コクピット内が何も無く、Mrカラー特色No.303で塗っておきました。
エンジンは一枚板なので、昔ながらのつや消し黒にシルバーのドライブラシで実感を出しておきます。
胴体に内翼下面を組み込む時が最初の関門で、胴体と垂直に取り付くように注意します。どちらかが下がっていたりすると悲惨です。
次に内翼に、主翼折りたたみロッドを組みますが、折らないようにしたいものです。折った場合は金属線で自作しようにも大変です。翼内面とロッドは目立たないようにつやけし黒で塗っておきました文字通り「黒子」であります。
 エルロンのピンは渋いくらいが、ダラッと下がらないでいいようです。エルロンは両側が一緒に下がってしまうと最悪です。
主翼を延ばした状態にした時に、ガタがあり、隙間も出来ますが、確実に動けば良しとしましょう。



  このキットの主脚は 4点で再現されています。しっかりと左右高さがそろうように接着します。完成後 高さが揃わず、機体の左右が傾いたときは、タイヤの底面を少し削って調整します。
 カウリングの排気管はシンチュウパイプで自作しました。
主翼の6個の機銃口は1mmのドリルで丁寧に開け、細い丸やすりで開口の大きさを揃えます。


塗装

  60年代の雰囲気を大切にしたかったので、筆塗りで3色迷彩としました。
下面はMrカラーNo.62つや消しホワイト。インターミディエイトブルーはNo.72。
上面のシーブルーはNo.14ではなく、No.89青15号を使ってあります。
各色の境のぼかしは隣り合う色を混ぜて、細筆でぼかしてあります。
 マーキングはスーパースケールデカールからおごっています。
カウルフラップと各可動翼にエナメルブラックでスミイレ。
脚注はシルバー。プロペラ先端を丁寧にイエローで塗装しました。

細部部品ですが、ピトー管はマチ針を曲げて追加。アンテナ柱は金属線で自作して、テグスのアンテナ線を張っておきました。


完成

  風防の透明度が悪く、成型ピン跡もありますが、それもオリジナルの雰囲気ということで、目をつぶります。極力 オリジナルのままで組み立てましたが、やはり両翼のエルロンが下がります。これもご愛嬌ということにして、コレクションに一機加わりました。。 






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Vol.15 2010 Mar.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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