カーチスSB2Cヘルダイバーは第2次大戦後期対日戦で活躍した艦上爆撃機です。艦上爆撃機とは水平爆撃でなく、通常は急降下爆撃機のことをいいます。1938年、米海軍のSBDド-ントレス後継機開発プログラムにカーチスから応募したのが、XSB2Cでした。
スタイルはカーチス前作の複葉SBCを単葉にし、引き込み脚としたようなスタイルそのものです。空母のエレベーターサイズ制限のため、胴体が短くズングリとしたスタイルとなりました。残念ながら、基本設計の悪さから、2000馬力級エンジンを積んでいるにかかわらず、安定性不足、揚力不足、失速速度高すぎなど多くの問題を抱え、制式化にあたって800箇所以上の設計変更を余儀なくされています。
基本設計、つまり筋の良さというのは軍用機の場合、非常に重要で、1944年に同様の急降下爆撃機をダグラスのエドハイネマンが基本設計案をまとめていますが、そちらが名機スカイレーダーとなりました。ご存知のようにスカイレーダーは基本設計の良さから30年の長きに渡ってNAVYで使われています。 |
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一方、ヘルダイバーは戦争のさなかでもあり、すぐ他に使える機種もなかったこともあり、問題もかかえながら、7000機以上の生産がされています。長所は、航続距離があり、ロングレンジ攻撃に使えたことと、爆弾の搭載能力でした。胴体下部の爆弾倉に1000ポンド(454キロ)までの爆装が可能で、主翼に20mm機関砲2門、コクピット後部に7.7mm旋回機銃2丁を装備していました。
SB2C-4は主翼下面にロケット弾懸架8コが追加され、。急降下時のバフェット防止のため、フラップ兼用のダイブブレーキはSBDドーントレスのように小穴が多くあけられました。一部の偵察用途に用いられた機体にはSB2C-3E同様に翼下にAN/APS4迎撃レーダーの八木アンテナを装備したものもありました。
ヘルダイバーの初出撃は1943年ラバウル空襲で、その後、マリアナ、フィリピン攻略戦に活躍しました。
SB2C-4は1,945年から登場し、主に沖縄、本土空襲などに参加しています。
戦後はスカイレーダーが配備されるに従い、ヘルダイバーは急速に第一線からしりぞいて10年も使われず姿を消しました。 |