Home>今月のハイライト> Photo特集 イギリス博物館めぐり(その16) ボービントン戦車博物館(No2)


イギリス博物館めぐり(その16)
ボービントン戦車博物館(No2)

小柳 篤司    コヤナギアツシ       . 

 今月のイギリス博物館めぐり(その16)は先月に続き戦車博物館のリポートですが
今回はAFVモデラーに最も人気が有るドイツ戦車を紹介します。
第二次大戦の戦車の展示棟"DISCOVERY CENTRE"には、タイガーII型、4号戦車等、タミヤ製品の基になったと思われる戦車が多数展示されていますが、狭いショーケースにプラモデルを押し込めた様な状態なので、思う様なアングルで写真を取れません。

写真(1) ティーガーI型 Sd Kfz 181 Panzerkampfwagen VI Ausf E
1942年後半からドイツ降伏の1945年まで活躍した重戦車で、強力な88mm砲の威力と厚い
装甲で連合軍から恐れられました。戦車博物館の展示車両は1943年にチュニジアで捕獲
後にイギリス本国で評価試験に供され、戦後は戦車博物館で保存されていましたが、
1990年代に動態保存の為にレストア開始され、2004年に戦車博物館で走行しました。
私が訪問した時はメンテナンスの為にエンジンが外されていました。



写真(2) II号戦車F型 Sd Kfz 121 Panzerkampfwagen II Ausf F
第二次大戦前にドイツで開発された軽戦車で、本格的な主力戦車のIII号、IV号戦車が
揃う迄の大戦勃発当初は主力戦車でしたが、防御も火力も不足で1942年に生産中止されました。


写真(3) III号戦車L型 Sd Kfz 141/1 Panzerkampfwagen III Ausf L
戦車開発の為の習作だった軽戦車、I号戦車とII号戦車の後に実戦化された本格的な主力
戦車で大戦当初は活躍しましたが、より強力な敵戦車と対峙した北アフリカ戦線、独ソ
戦では防御も火力も不足で、大戦半ばからVI号戦車に取って替わりました。



写真(4) パンターG型 Sd Kfz 171 Panzerkampfwagen V Ausf G
ソ連のT-34戦車に対抗してドイツで開発された中戦車で、強力な70口径7.5cm戦車砲
を搭載し、防御力に優れた傾斜装甲を備えていました。1943年夏のクルスク戦車戦では
故障が多く十分な活躍を出来ずに終わりましたが、問題点の改良後には旧型戦車の生産
はパンターの生産に替わり、ドイツ機甲部隊の中核を担いました。



写真(5) ケッテンクラート Sd Kfz 2/2 Kleines Kettenkraftrad
ドイツで最も小型のハーフトラックで空軍管轄下の空挺部隊(降下猟兵)向けに開発され
ましたが、悪路走破性が優れていた為、陸軍や武装親衛隊でも使われました。



写真(6) I号B型指揮戦車 Sd Kfz 265 Panzer 1B Command Tank
第二次大戦前のドイツ初の量産された戦車で、本格的な戦車開発の為の習作と乗員訓練
の為に開発された軽戦車です。生産開始された1935年でも防御力も火力も不足でしたが
第二次世界大戦開戦時は後継車輌の数が揃わず、ドイツ陸軍の戦車の約半数はI号戦車
でした。戦車博物館の展示車両は砲塔の代わりに無線機を装備した指揮戦車です。



写真(7) VI号戦車 ティーガーIIポルシェ砲塔型 Sd Kfz 182 Panzerkampfwagen VI Ausf B
第二次世界大戦末期に実戦参加したドイツ軍の重戦車で、従来の戦車より優る重装甲と
強力な戦車砲を備え、当時の連合軍にティーガーIIに対抗し得る戦車は皆無でしたが、
重量故に機動性に乏しくエンジンが出力不足、空襲に為に生産が遅れる等、充分な活躍
を出来ずに終わりましたが、第二次大戦ドイツ戦車の掉尾を飾りました。
 ティーガーIIは485輌から492輌生産されましたが、この車輌は50輌生産された初期量
産型、ポルシェ砲塔装備型です。



写真(8) VI号戦車 ティーガーIIヘンシェル砲塔型 Sd Kfz 182 Panzerkampfwagen VI Ausf B
ポルシェ砲塔型は丸みの有る主砲防盾下に被弾すると、命中した弾丸が跳弾して防御力
の弱い車体上部を貫通して撃破される危険が有ったので、51輌目以降は平面で構成さ
れたヘンシェル砲塔に替わりました。タイガーII型の傍で博物館の職員と思しい方が、
車体表面に施されたツインメリット・コーティングに付いて「車体表面にジンメリット
・コーティングが施されているから地雷が車体に吸く付かない」と磁石で実演していま
した。ドイツ語読みならツインメリットですが、英語読みならジンメリットなので彼氏
の発音でも間違いでは有りません。彼氏にAFVモデラーはタミヤのタイガーII型の表面に
パテを盛り、ドライバーの先でつついて再現したと話し掛けたら、彼氏もAFVモデラー
らしく納得していました。



写真(9) 4号戦車D型 Sd Kfz 161 Panzerkampfwagen IV Ausf D
第二次世界大戦前に開発されたドイツ軍の中戦車で、ソ連のT-34に敵わないと見なされ
た後も生産が続けられ、最後までドイツ軍の主力を努めました。



写真(10)軽駆逐戦車ヘッツァー Jagdpanzer 38(t)
チェコ製の38(t)軽戦車の車台を再設計し48口径7.5cm対戦車砲を搭載した駆逐戦車です。



写真(11) 駆逐戦車ヤークトパンター Sd Kfz 173 Jagdpanther
パンター戦車の車台に71口径8.8cm対戦車砲を搭載した駆逐戦車です。


写真(12) 重駆逐戦車ヤークトティーガー Sd Kfz 186 Jagdtiger
ティーガーII重戦車の車台に当時で最も強力な128mm砲(12.8 cm PaK 44 L/55)を搭載
した駆逐戦車ですが、大重量で稼働率が悪く大戦末期で生産が遅れ、充分な活躍せずに
終わりました。


写真(13) Sd Kfz 251/8野戦救急車 Sd Kfz 251/8 Ausf C Armoured Ambulance
ドイツのハノマーク社が3t半装軌牽引車(Sd.kfz.11)を基に開発した装甲兵員輸送車で、
被弾対策を重視した傾斜装甲が施されています。
戦車博物館の展示車両はSd Kfz.251装甲兵員輸送車の救急車型です。


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