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 Home >今月のハイライト>憧れの傑作キットを再び(第1回) スツーカG-2 (モノグラム 1/48)


ユンカース Ju87 スツーカ G-2
 (モノグラム 1/48)

by 田口博通 Hiromcihi Taguchi 
 プラモ黄金時代に出現した憧れの名作、傑作キットを 苦労して入手したものの、もったいなくて作れず 結局 タンスのこやしになっている、そんなことってありませんか。
 特に 高価だった舶来キットならばなおのこと。
このシリーズは、そんな傑作キットを取り上げ、惜しげもなく 作り倒してみたいと思います。
ストレートに作るのも結構。、傑作キットに更に手を入れて 至高の境地を目指すのもこれまた一興です。 このシリーズでは、モノグラム、レベル、ホーク、マルサンなど、今では模型誌で登場することのない いにしえの名作、傑作キットも登場します。
 何を傑作と呼ぶかは あなた次第。
ぜひ 皆様からも製作記事のご投稿を お待ちいたします。 (編集部)
 
 第1回目に取り上げるのは モノグラムのユンカース スツーカG-2(1/48)です。
 1960年代後半に出現し、部品点数 50以下と簡素ながら、現在でも 傑作の誉れ高いキットです。翼端が長すぎ、コクピットが簡素、ラジエーター内部が無い などと評されたこともありましたが、個人的には デッサンとシャープなモールド、キャノピーの透明度は最高レベルだと思いました。
 今回は、ディテールの修正など一切行わず、オリジナルのままで、完成を目指したいと思います。

キットについて

 傑作の誉れ高い モノグラムの第2次大戦機シリーズの中にあって、コルセアのようにオール可動精密構造を追っていた路線に代わって、正確なディテールを求めて 可動部を廃し シンプルな構造で実感たっぷり路線に移行した後の代表的なキットです。発売は40年以上前の1968年ですが、以後、ずっと No.1の地位を守ってきたキットです。
 
 モールドとデッサンが素晴らしく、成形色がダークグリーンで、ひかえめな凸パネルライン、そして表面が半光沢モールドとなっていて、見事です。
コクピットがかなり簡略化されてはいますが、シート形状は正確。タイヤにはトレッドの彫刻があり、主脚スパッツ屈伸部のゴムカバーのモールドも秀逸でした。部品点数が48点と少なく、3次元ガル形状の主翼部品も信じられないほど合いが良く、ぴったりと組み合わせられ、誰が作ってもきれいに出来上がるように設計されていました。
 キャノピー後部の胴体のラインは若干細いという評がありましたが、実機を撮影したカメラのレンズの誤差とも考えらます。

  後発のハセガワ1/48が、出現した 今でも、まったく色あせることがありません。
 過去にホビークラフトカナダ(金型と成型は韓国)により、まんまコピーされたことがあり、お手本のような それだけ素晴らしいキットです。

 今回製作したのは バンダイモノグラム版です。1970年代、手の届かなかった輸入品を日本のファンのために、バンダイがモノグラムと提携して、安価な値段で国内版として発売してくれました。
国内版には 塗装の参考になる素敵なカラー図も付属しており、夢を膨らませたものでした。
 筆者も このモノグラムのスツーカのことは航空情報のプラモガイド71年版や、航空ファンの橋喜一氏の製作記事で読みましたが、残念ながら 入手できなくて憧れのまま 終わろうとしていました。 しかし、この国内版の発売のおかげで 社会人になって数年後、やっとなんとか購入できました。とはいうものの、恐れ多くて作ることができず、時々 取り出しては さわってみるだけ、 そのまま押入れの奥で眠りにつき、出番を待っておりました。今回は それを取り出して、ストレートに作ってみました。
 
バンダイモノグラムの国内版に付属していたカラー図。



実機について

 ユンカース スツーカは独特なガルウイングと車輪スパッツが特徴的なあまりにも有名な急降下爆撃機でナチスドイツの電撃作戦で先駆を務めました。直線的なラインで引き締まった機体でメカニックの極致、ドイツ人の美的センスを凝縮した機体です。急降下爆撃の威嚇効果を高めるために、初期のB型~D型の主脚スパッツには 風車型サイレンがついており、そこから発する音がキーンという独特の効果音となり、戦車兵の恐怖の的となっていました。この風斬音は「ジェリコ(エリコ)のラッパ」と呼ばれています。
愛称の「シュトゥーカ」(Stuka)とは、急降下爆撃機を意味する「Sturzkampfflugzeug」(シュトゥルツカンプフルークツォイク)の略で、本機が急降下爆撃機の代表として扱われたため、この名が用いられるようになったようです。
 
 戦車攻撃機G-2型は主翼下面に37mmFlak 18機関砲のポッドを2門搭載した対戦車攻撃タイプで 地上の敵戦車に空から猛鳥のように襲いかかりました。 中でも有名なのは、東部戦線で戦車キラーとして名をはせたハンス・ウルリッヒ・ルーデルの乗機で、モノグラムのデカールの設定にもなっています。 
 この戦車攻撃機G-2型は「大砲鳥」(カノーネンフォーゲル Kanonenvogel)と呼ばれ、大きな成果を挙げましたが、反面、無理に搭載した37mm砲による重量過多と安定性の欠如から、操縦が恐ろしく難しい機体だったというルーデルの言葉が残っています。

 ユンカースJu87「スツーカ」G-2戦車攻撃機 スペック
JUNKERS Ju87 G-2 "STUKA"
全幅:13.80m 、全長:11,50m 、総重量:5,843kg、最大速度:410km/h/4,1155m
発動機:ユンカースJumo211J  1,410馬力、
武装:機関砲37mm×2(固定) 機銃7.9mm×2(旋回)爆弾500kg 、乗員:2名
初飛行:1935年8月7日
 

製作 

 コクピットは簡素な構造で、床板とシート、操縦桿があるだけです。計器板はモールドもなく、ただデカールを貼るようになっています。
 コクピットの開口部も大きいので、塗装も何もせず、胴体と主翼、水平尾翼を組んでしまい、最終塗装後に コクピットの塗装を筆をつっこんでMrカラー116 ブラックグレーで行うことにしました。
 
 主車輪も塗装せずにスパッツに組み込んでしまい、主脚に接着すると、1時間もせずに、全体形状ができあがりました。
 そういえば 中学生のころは こうやって飛行機モデルを作っていたなーと思い出しました。その頃のプラモ作りの早かったこと。買って帰って、その日中には、形になっていましたね。
 それに比べて、最近のキットではコクピットが精密になったのはいいのですが、夢が膨らみすぎ、資料集めやら、付加工作やらで やたらと時間がかかり、一ヶ月かかっても 胴体の左右接着にかかれない場合が増えてきました。 その結果、コクピット製作で 疲れ果ててしまい、胴体接着前に投げ出してしまうケースが過去に続出しております。既に100機近く、そのような夢の残骸が 小林製薬製ダンボールの衣装ケースにつめこまれています。根気の無いこととは言え、我ながら、深い深い反省であります。

 

 機首エンジンカバーと主翼前縁はペーパーがけで角ばらないように、丸く丁寧に整形し、接着跡を消します。せっかくの凸パネルラインを生かして消さないようにするため、ペーパーでの整形時には モールド部をマスキングテープで保護しています、もう塗装にとりかかれます。  それでも消えたパネルラインは カッターナイフで盛り上がるようにスジを入れ補修します。
  パネルラインだけでは淋しいので、リベットをカルコで打って 追加しますと、更に 精密な雰囲気がアップしますが、やりすぎないように。やりすぎるとバランスを崩しますので、ご注意。


塗装

  サフェーサー1000全体を下塗りの後、ダークグレーでパネルラインを塗装し、影付けをしました。
ほとんど造作が無いらラジエーターの中にも しっかりダークグレーを吹いて、ぼろ隠しをしておきました。
その後、翼端と胴体バンドのイエロー部は白で下塗りして、黄色(ゲルプイエロー)を塗装しました。白で下塗りするのは一見手間ですが、黄色の発色を良くするためには必須です。乾燥したら、黄色部をテープでマスキングし、下面色のヘルブラウを塗装しています。
ルーデル乗機の上面は 説明書ではブラックグリーンの1色が指定されていましたが、最近の資料のカラー図より、ブラックグリーンとダークグリーンの折れ線迷彩としました。
 各色とも Mrカラーをそのまま 使っていい、マスキングテープを使いながら塗り分けました。
 デカールは生きてはいましたが、水につけたとたんにミイラが風化するごとく、バラバラになると困るので、一応 スーパースケールのデカールフィルム液を筆で塗って補強しておきました。
 デカール貼りの後、つやけしクリアを吹いて 3色の迷彩塗装のツヤをあわせることができるので、塗装時には そんなに ツヤの状態に神経質になることはありません。気楽に塗装しましょう。

下面塗装


ブラックグリーンとダークグリーンの上面塗装
 デカール貼りの後、つやけしクリアをかけている。

小物

 全体塗装が終わったら、コクピットに筆をつっこんで、内部色を塗装しました。計器板にデカールを貼り、シートはシートベルトを板鉛を細く切って追加して最後にとりつければ、コクピットも完了です。

プロペラは軸をシンチュウ線で置き換え、後でさしこんでいます。
壊れやすい尾輪の支柱もシンチュウ線で補強しました。
 37mm砲口と機首右舷の空気取り入れ口は穴を開けてください。
キャノピーガラスは透明度が非常に良いのですが、スツーカは枠が多く 塗装が大変です。
マスキングゾルを2回塗り、かみそりで切り取り、ブラックグレーで下塗りした上に、ダークグリーン、ブラックブリーンの上面色で塗装しました。
プロペラ軸は シンチュウ線で置き換えた
尾輪の支柱もシンチュウ線で補強
37mm砲ポッドはブラックグリーンで塗装。
銃身は砲口をドリルで穴を開けて、鉄色で塗装した。
複雑な枠のキャノピーの塗りわけは
 マスキングゾルを使うと楽。

 完成

 晴れて完成すると、スパルタンな スツーカ G-2の姿がそのまま 蘇りました。
液冷の細長い機首が鋭い感じで、主翼下には 37mm砲が2門ぶらさがっています。
さすが、モノグラムの風格あり。いささかもデッサンが狂っていません。
 次回は 何を 押入れから取り出しましょうか。
P-38 それとも P-39 はたまた、、、、
お楽しみに。
 
 取り上げご希望の傑作キットなど 掲示板に書き込みいただければ 幸いです。(編集部)






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Vol.24 2010 December.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /editor Hiromichi Taguchi 田口博通
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