コックピットは、サイドコンソールと一体になった床板、背部、計器盤で凹形に組み、あらかじめ胴体に組み込む。3点姿勢にするための錘は適当に鉛板を丸めて入れた。操縦桿と座席は胴体を組んでから突っ込めるし、可動しそうな着艦フックも固定式にすればあとからつけられる。主翼はエンジンの前部と後部の板を挟んで接着するだけ。だが、ちょっと問題がある。下面パーツを見ると、タイヤを収納する扉の筋彫りがない。ここは筋彫りを入れる。上下パーツの食い違いもけっこうあり、モヤッとした外形線を修正しながら削り合わせる。上面の後縁がダルい曲面で終わっているので、表面から平面的に削ってスッキリさせる。ここまでは、まあ良い。根本的な問題は、エンジンを包み込む盛り上がりが決定的に足りないこと。さらに翼断面形だが、上面がなだらかで下面がふっくらとしていること。 |
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これらがあいまってバンシーの力強さを無くしてしまっており、とても痛い。ハッキリ言って、もう全然違う形なのだ。とは言いながら、これを修正するとなると作り直した方が早いので、このままとする。似たようなことは水平尾翼にもある。水平尾翼には前方に三角形の増積板があるが、実機はこれを含んで翼断面形を形成している。それなのにキットは平らな板を付けた形になっている。これも痛い。そんなことを感じながら、胴体へ、主翼と水平尾翼を接着する。主翼と胴体は、上面ではうまく合うが、下面は大きな段差が生じた。下面の段差は完成後に見えないので、そのままとする。水平尾翼はうまく位置が決まって気持ちが良い。ここまでで大体の形になる。文句はあってもすぐに形が見えてくる、有難いキットである。 |