1939年9月に勃発したWW2当初アメリカはまだ参戦していなかったが欧州での航空戦の情報を入手しておりその時判明したことは海軍で実戦配備に付き始めたグラマンF4Fの性能ではこれからの空中戦では勝てない事であった。
そこでアメリカ海軍はF4Fを上回る速度と火力そして充分な防弾装備を持った戦闘機を求めて新戦闘機としてチャンスボート社に2000馬力の大型戦闘機「コルセア」を開発させた。
しかしコルセアは非常に大胆な機体設計だったのでその開発に危惧を覚えた海軍はグラマン社にバックアップとしてF4Fに1600馬力のエンジンを搭載した改良型の開発を指示した。
これが後のF6F「ヘルキャット」の誕生である。
当初F4Fの改良型として開発したF6ではあったが試作機のXF6Fの評価は太平洋でゼロと交戦したパイロットからは不評で「単なるF4の改良ではダメだ」と言われゼロを凌駕する性能を求められた。ここにきてグラマン社はコルセアと共倒れになるのを嫌い採用を躊躇っていたダブルワスプエンジン(2000馬力)を搭載しコルセアよりパイロット視界を良くしたXF6F-3を1942年初飛行させた。 グラマンの狙いは的中し多くのパイロットから好評を得て先発のコルセアを押さえて一躍海軍の主力戦闘機となった。1943年に始まった太平洋におけるアメリカ海軍の反攻作戦の先兵となり終戦まで闘い続けた。
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(FAAのヘルキャット)
イギリスは海軍航空隊の所属機として武器貸与法によって送られたF6F-3をそれまで使用していたシーハリケーンの代わりとして1943年春に採用した。
初陣は43年ノルウェーの沿岸の艦船攻撃でその後44年の戦艦ティルピッ攻撃の上空援護や45年の太平洋スマトラ島の日本軍攻撃に参加し終戦まで極東や太平洋方面で使用され続けられた。
緒元
全長:13.06m
全幅:10.24m
全高:3.99
翼面積:31.03㎡
全備重量:5.163Kg
エンジン:R-2800(2000HP)
最大速度:605Km
航続距離:1750Km
武装:12.7mm×6
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