Home > フォルクスワーゲン カルマン・ギア 1963年型 (GCIクレオス 1/24) Volkswagen Karmann Ghia 1963 の製作

誌上個展

フォルクスワーゲン カルマン・ギア 1963年型
(GCIクレオス 1/24)
Volkswagen Karmann Ghia
1963

by 田口博通 Hiromichi taguchi

 Vintage garageは創世記から1970年代までのビンテージレースカーとビンテージクラシックカーの連載コーナーです。クラシックな姿の中に優雅さと繊細さを内包した彼女達にしびれる方々も多いはず。 
 ビンテージ・ガレージは ビンテージカープラモデルの製作だけでなく、その独特の魅力を醸し出すビンテージカーが背景に持つエピソードにもスポットをあてています。 どうぞお楽しみ下さい。

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  先月から始まったビンテージ・ガレージ 第3シーズン。 今月登場するのは カルマン・ギア 1963年型。GCIクレオスから世界の名車シリーズとして発売されている現行キットです。
 タミヤからもカルマンギア 1966年型の雰囲気の良いキットが発売されていますが、間欠生産のため、先回の発売は2011年で、残念ながら入手できませんでした。
  クレオスのカルマンギアは 実車のように、既存フォルクスワーゲンキットに ボディなどを新規部品で仕立てたもの。クーペとカブリオレの両タイプを組めるようになっています。ボディの流麗なプロポーションが良く、1963年型実車の雰囲気そのままに、再現されているという魅力的なキットです。

カルマンギア 1963年型 ガブリオレモデル


フォルクスワーゲン カルマン・ギア 1963年型( GCI クレオス 1/24)

実車について

 大衆車フォルクスワーゲン(ビートル)をベースに イタリアのカロッツエリア・ギア社がデザインしてドイツのコーチビルダー・カルマン社が製作した流麗なボディを架装したスタイリッシュクーペがカルマン・ギア・クーペである。
 フォルクスワーゲン初の2ドアパーソナルクーペであり、 ネーミングの由来もカロッツェリアとコーチビルダー両者の社名を組み合わせたものとなっている。
 
 1955年に「タイプ1 1200クーペ」としてデビューし、その後
1957年に「1200ガブリオレ」が発売されている。

1962年に「タイプ3 1500クーペ」が発売された。

 タイプ1 クーペモデルをベースに、オープンボディとなるカブリオレモデルも製作されている。
 特に、優雅な曲面で構成されたタイプ1のボディスタイルは時代を超えて世界のファンを魅了し続け、現在でも中古市場では絶大な人気がある。
 カルマンギアのイメージといえば、やはりタイプ1系であり、発売されているプラモデルも全て このタイプ1系となっている。
 
 後発のタイプ3系はシボレー・コルヴェアの影響を彷彿とさせるウエストライン周りの直線的モチーフをボディのキャラクターラインに取り入れている。 しかし、優雅さが足りなかったのか、タイプ1系ほどの人気を得られず、並行生産の後にタイプ1より早い1969年に生産中止となっている。
対して、タイプ1は1973年まで生産され 累計40万台以上が造られる大ロングセラーとなった。
 カルマンギア タイプ1

カルマンギア タイプ3

(上2枚ともWikipedia より引用)




 生産面では、フォルクスワーゲン・シャーシと組み合わせてのコーチワークはカルマン工場が担当した。
 メカニズムでは、パワートレインやバックボーン・プラットフォームシャーシの基本構造はフォルクスワーゲン・タイプ1と同じで、水平対向4気筒の空冷OHVエンジンをRRレイアウトで搭載している。
 量産車であるフォルクスワーゲンをベースとしているため比較的安価で、メンテナンスも容易で、アメリカ市場では特に好評を博した。パワートレイン仕様は通常のフォルクスワーゲンと大差なく 高性能ではなかった。それでも車高が低くスタイルが良いため、スポーツカー的な感覚を気軽に味わえる「プアマンズ・ポルシェ(poor-man's Porsche:貧乏人のポルシェ)」と評され、市場では人気を保ち続けたと言われている。
 (引用と参考 Wikipedia )

キットについて

 キットは価格も安く、部品点数も少なめで、組み立ては楽そうだ。メッキ部品のメッキがしっかりとかかっているのはうれしい。ウインドー部品が分かれており、クーペとガブリオレが選択できる。  ボックスアートはドイツのアルペン地方をバックにカルマンギアクーペの曲面デザインの姿が優雅である。

 ボックスアート 


製作

シャーシー ボディ
 車体下部はビートルのものがそのまま流用されているらしく、白モールドで、艶消し黒で両面とも塗りつぶしてしまう。エンジンは内臓せず、下部からのぞける部分だけ模型化されているが、充分だろう。
 幌、 シート、ドア内貼りなどのインテリア部品 は黒の ラバー系 素材で 成型されているので、接着にはスコッチの万能接着剤(ゴム系)を使うとよい。。
 ボディは白のモールドで 透け防止に内面を黒つやけしで塗装。パーティングラインを1000番以上のペーパーで磨いて丁寧に消した後、外面をホワイトサフェーサーで下塗りしておく。
 フロントボディ右側に燃料口ドアの筋彫りがあるのだが、これは実は間違い。筆者はそのままとしてパスしたが、気になる方は埋めておくと良いだろう。

パーティングラインを消して、内面を黒艶消し、外面をホワイトサフェーサーで下塗りする。



ボディの塗装
  ボデイの色は赤かアイボリー、バハマブルー(水色)などが一般的だが、ここはパステルカラーにしたいと思い、Mrカラー グランプリホワイトにイエローを少し混ぜたレモン色を吹き付けた。
 タイヤホイルもボディと同色なので、忘れずに、一緒に塗っておこう。
  最後に実車用のカルナバカーワックスを布につけて磨き、塗装完了とした。 
 クレオスのキットはガブリオレも作れるように屋根部品が別になっているので、ありがたくガブリオレで作ってみた。クーペを作る時は、屋根部品が透明でウインドーと一体に部品なので、ウインドーをマスキングして、塗装する必要がある。

Mrカラー グランプリホワイトにイエローを少し混ぜたレモン色を吹き付けた



 コクピットの塗装   
 コクピットは、ハンブロールエナメルのレザーを使ってみた。ダッシュボードと内貼りも同様。フロアカーペットは100均で買ったフェルトを切っておいてみた。 ガラスウインドートリムやボディ側面下部のクロームメッキトリムは、「ミラーフィニッシュ」を貼っている。




完成

 メッキ部品や透明ライト部品を丁寧に手芸用ボンドを使って取り付けると、完成。モデルは非常に綺麗で端正な雰囲気だ。  




カルマン ギア その後

  カルマン(独: Wilhelm Karmann GmbH)は、1874年に設立されたドイツのオスナブリュックの有名な自動車架装会社(コーチビルダー)である。当初は、もちろん馬車を作っていたが、1902年に自動車として最初のボディー製作をハンドメイドで行っている。歴史ある有名コーチビルダーであるが、残念ながら 2009年4月9日 倒産し、現在、管財人監督下で再建中である。

 有名な作品は、カルマンギアクーペの他、
1961年 ポルシェ・356B
1965年~1970年 BMW 2000 C/CS
1968年 トライアンフ TR6ロードスター
1979年 VW ゴルフ カブリオレ
1995年 メルセデス SLK

 近年はオープンカー製造のスペシャリストとして有名で、2000年代にはフォルクスワーゲン・ゴルフカブリオ、アウディ・A4カブリオレ、メルセデス・ベンツ CLKカブリオレ、などを手掛けている。
 カロッツェリア・ギア(Carrozzeria Ghia SpA)は、1915年にトリノで設立され、現在でも活動を続けるイタリアでも最も有名な自動車ボディーデザインスタジオ(カロッツェリア)である。
 最初は 1929年度のミッレミリア優勝車であるアルファ・ロメオ 6C 1500(Alfa Romeo 6C)のような軽量アルミニウム製ボディを製造していた。
 
 1953年以降はカーデザイナーのルイジ・セグレが率い、フォード(リンカーン・フューチュラ)、フォルクスワーゲン(カルマンギア)など 大手企業から多くのデザインを受注した。
 1963年セグレが死去し、1965年から、チーフスタイリストとしてジョルジェット・ジウジアーロが率い、セグレ時代同様に多くの優れたデザインが製品化された。

 代表作としてはマセラティ(1966年)、デ・トマソ・マングスタ(1967年)、デ・トマソ・パンテーラ等がある。
また、日本では今でも卓越したデザインで人気の高い いすず 117クーペ(1968年発売)もギアの作品の一つである。

 1970年にギアはフォード社の傘下に入り、ギアの名称はフォード社の主要モデルの高級グレードに付けられるブランド名となった。この命名法はフォードのヨーロッパ向けブランド(グラナダ ギア 、カプリ ギア 、コーティナ ギア、エスコート ギアなど)で始まり、続いて世界中に広まり使用されることとなった。

 現在のギア・スタジオは、フォード社の傘下で様々なコンセプトカーを製作している。
 ギアは名門のデザインスタジオであり、できれば、フォードの傘下に甘んじることなく、また素晴らしいスーパーカーや優雅なヨーロッパ車のデザインを生み出してもらいたいものだ。
            (引用と参考 Wikipedia )



ビンテージ・ガレージ バックナンバー
ビンテージ・ガレージ バックナンバー
3rd
シーズン
2015年8月号 第13回 メルセデス ベンツ 300SL (タミヤ 1/24)
Mercedes Benz 300SL (Tamiya 1/24)
2nd
シーズン
2014年12月号 第12回 オースチン ヒーレー 100-6 (レベル1/25)
AUSTIN HEALEY 100-SIX (Revell 1/25)
2014年11月号 第11回 リンカーン・フューチュラ(レベル1/25) 
LINCOLN Futura (Revell 1/25)
2014年10月号 第10回 メルセデス・ベンツ540K(モノグラム1/24)
MERCEDES-BENZ540K (Monogram 1/24)
2014年9月号 第9回 デユーセンバーグ・モデルSJ(モノグラム1/24) 
DUESENBERG SJ (Monogram 1/24) 
2014年8月号 第8回 ド・ディオン・ブートン (1904年型)(ユニオン 1/16)
DE DION BOUTON 1904 (UNION 1/16 )
2014年7月号 第7回 アルファロメオ2300 トゥーリング(1932)(ブラーゴメタルキット 1/18)
ALFA ROMEO 2300 TOURING(Burago Metal Kit 1/18)
1st
シーズン
2014年1月号  第6回 ベンツ 300SLR (レベルモノグラム 1/24) 
2013年12月号 第5回 BENTLEY 4.5L BLOWER (エレール 1/24)
2013年11月号 第4回 ブガッティ 35B(モノグラム 1/24) 
2013年10月号 第3回 BRABHAM F-3 (エレール  1/24) 
2013年9月号  第2回 ROB WALKER Team Lotus 72C (エブロ 1/20)
2013年8月号  第1回 ホンダF1 RA272(タミヤ 1/20)


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Vol.85 2015 September.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー

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