Home  > ムスタング Mk.Ⅰ (ABC MODELFARB/WARRIOR MODEL 1/72)

飛行機プラモデルの製作

 ムスタング Mk.Ⅰ
(ABC MODELFARB/WARRIOR MODEL 1/72)

  by 加藤 寛之




 ポーランドの会社らしいが、社名らしいものが2つ書いてあり、何だか良くわからない。5月のSLB展示会にムスタングを並べるつもりだが、A型を作っていなかった。A型ならばフロッグ/ノボのキットが我が家の倉庫にあるはずだが、これは探すのが面倒。ところがワールドホビーショップはせがわの棚にこれを発見、「これでいいや」と購入した。 その安易さが失敗だった。箱を開けてビックリ、今どき珍しい正真正銘の簡易キット。パーツはバリと成形不良に囲まれ、モールドはダラけ、表面はゴソゴソ。これならば断然、フロッグ製の方がマシである。・・・とは言いながら、せっかく買ったのだから作ることにした。




 まず、大きな部品をランナーから切り離す。バチ!バチ!と太いゲートを切断する。もう、接着面なんかガタガタボリボリなので、荒いサンドペーパーでザザッと、かつ丁寧に面を平らに削る。仮合せしてみると、下面のラジエーターの入り口に湯がまわっていないくらいで、これなら使える。主翼は後縁がかなり厚い。これは接着面を大胆に削るとともに、表面を整えるついでに表からも削ればよい。 翼断面形が全然、層流翼っぽくないが、この類のキットにそれを求めるのはムダで、とりあえず許容範囲。軽く前縁と翼端を削って、それっぽくゴマカすことにする。水平尾翼は、当然のように左右で厚さが違う(主翼も、もちろん違う)ので、これは厚い方の前縁と後縁を削り上げて、同じくらいに見えるようにすれば良いだろう。




脚柱はシャープさも精度もなさそうな、ボリボリ&ガタガタの造形なので、これも超テキトウに整形しておく。・・・あとは全部がこんな感じなので、省略。さて、胴体と翼の組み立てを終え形が見えてきたら、何か居心地が悪い。「原因は、これだろう」と側面から見たら、予想どおり主翼の取付角が前下がりだった。 当然のことながら、その分、機首下面からのグ~と持ち上がってくる形が出来ていない。それに加え、エンジンの軸線がちょっと前下がり過ぎる。「う~ン」と一瞬思ったが、簡易キットだからこんなものだ。




 塗装は、ソ連のものにする。雲形迷彩はちょっと面倒だが、デカール貼りが簡単だというのが理由。まず上側面全面を緑に塗る。いつものように、机の近くにある色でよいことにする。オリーブドラブに日本海軍機の緑色をちょっと加えた色でOKとする。次にダークアースは、Mr.カラーのまま。これを雲形に塗る。下面の指定はスカイだけれども、これも日本陸軍??色で代替して塗った。あとはテキトウに、塗り進める。 このキット、ソ連機の塗装図はあるのだが赤い星のデカールは付いていない。承知のうえだから、愚痴ることもなく「赤い星ならば、何でもいいや」で、余りデカールから使えそうなものを見つけて貼った。ちなみに、ハセガワ1/72 Mig25のものだった。これで完成である。




 出来上がって眺めれば、どこから見てもアリソンエンジン装備の初期ムスタングである。簡易キットだから、出来上がっただけで充分である。後日、購入したお店に行ったときに「あのキット、簡易キットで驚いた」と話したところ、「古いキットですからね、30年くらいかな?ずっと(棚に)ありましたよ」とのこと。まあ30年はないだろうが、世代感覚が違うのは、売れ残っていた古い製品だったからなのね、それなら仕方ないわ。 付言するならば、どこかで仮にこのキットを見かけても、購入してコレクションに加えるまでとし、作るのは遠慮した方がいいでしょう、ということだ。間違いなく、ほかのキットがオススメです。でも、確かめたいのがモデラーというもの、じゃあ、買って作ってみる?


  Home>ムスタング Mk.Ⅰ (ABC MODELFARB/WARRIOR MODEL 1/72)

Vol.89 2016 January.   www.webmodelers.com /Office webmodelers all right reserved /  
           editor Hiromichi Taguchi 田口博通 /無断転載を禁ず  リンクフリー
「webモデラーズ について」 「広告のご出稿について」

プラモデル模型製作記事

TOTAL PAGE